ペイパルマフィアが認めた20代起業家のカード企業「Brex」

6月24日(日)10時0分 Forbes JAPAN

スタートアップ向けクレジットカードを提供する「Brex」は先日、シリーズBラウンドで5000万ドルを調達したことを発表した。サンフランシスコに本拠を置く同社は、これまでに総額5700万ドル(約63億円)を調達している。

今回のラウンドには、ペイパルの創業メンバーであるマックス・レヴチンとピーター・ティールのほか、フィンテック分野への投資を手掛ける「Ribbit Capital」、フェイスブックの初期投資家として知られるユリ・ミルナー、Visaの前CEOであるCarl Pascarellaなどが参加した。

Brexは独自モデルを用いてスタートアップの信用力を精査している。同社は創業者個人のクレジットヒストリーや企業の予想収益を見るのではなく、企業の口座残高を確認し、その10%程度を信用限度額に設定している。

共同創業者のHenrique DubugrasとPedro Franceschiは、まだ高校3年生だった2013年にブラジルでオンライン決済企業「Pagar.me」を立ち上げた経歴を持つ。Dubugras によると、3年後には従業員数が約100人まで成長し、ブラジルのクレジットカード会社「Stone」に数千万ドルで売却したという。

昨年、2人はスタンフォード大学に進学するためにシリコンバレーに移ったが、わずか3ヶ月で退学してYコンビネータのアクセラレータープログラムに参加した。彼らは、Yコンビネータの参加企業が保証人なしでクレジットカードを作ることができないという問題を解決するため、Brexを立ち上げた。

Dubugrasは22歳、Franceschiは21歳だった。彼らに社名の由来を尋ねると、CEOのDubugrasは次のように答えた。

「社名に秘められたストーリーを語りたいところだが、響きの良い4文字のドメインが手頃な価格で売りに出ていたので買ったというのが本当のところだ。スタートアップ界隈ではよくあることだ」

Brexが提供するカードはVisaブランドのもので、信用限度額は口座残高に紐づいており、例えば残高が10万ドルの場合は1万ドルが限度額となる。残高が5万ドルに減ってしまうと、限度額も直ちに5000ドルに減額される。最高限度額は5〜10万ドルとなっている。Brexはオハイオ州本拠の「Sutton Bank」と提携しており、同行がクレジットカードの発行元となっている。

対象は10万ドル以上調達の企業

Brexは信用力の精査において公表データも活用している。例えば、スタートアップのデータベースである「Crunchbase」を参照し、ベンチャーキャピタルなどのプロ投資家から資金を調達しているか確認している。Brexは、プロ投資家から10万ドル以上を調達しているスタートアップに限定してサービスを提供している。

米国では失業率が18年ぶりの低水準で、テクノロジー企業にこれまでになく多額の資金が流入するなど、スタートアップが資金調達や融資を受けやすい環境が続いている。しかし、ひとたび市場環境が悪化してスタートアップの破綻が増えた場合、Brexは信用限度額を現在の平均10%から引き下げる必要があるだろう。

「規約上は、市場環境の変化に応じて我々が限度額を変更できることになっている」とBrexの広報担当者は述べている。Brexの収益源は、ユーザー1人当たり5ドルの年会費と、決済ごとに徴収する手数料だ。同社は、今年中に取扱高3億ドルの達成を目指している。この目標をクリアした場合、同社の売上高は500〜1000万ドルになると予想される。

Dubugrasによると、SoFi、Affirm、LendingHomeなどの企業を含む1000社が同社のサービスを利用しているという。これまではスタートアップ向けにサービスを提供していたが、今後はより規模の大きいテック企業や幅広い業種の企業へ対象を拡大する予定だという。

Forbes JAPAN

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