東電が「新電力」でも業界首位に、それでも手放しで喜べない理由

6月25日(火)6時0分 ダイヤモンドオンライン

新旧で業界首位に立った東京電力ホールディングス。東電が仕掛ける業界再編への電力各社の警戒感は一層強まりそうだ Photo by Yasuo Katatae

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 東京電力ホールディングス(HD)の小売事業会社である東電エナジーパートナー(EP)の子会社、テプコカスタマーサービス(TCS)が、大手電力会社以外の“新電力”プレーヤーで初めて首位を獲得した。巨大な人口を抱える首都圏エリアが地盤の東電は、大手電力会社の中で頂点に君臨する。つまり、東電は大手電力と新電力の“新旧”両分野で販売電力量がトップになったのだ。


 新電力とは、東電HDや関西電力をはじめとする従来の大手電力会社「旧一般電気事業者」以外で、電力小売り事業に参入したプレーヤーのことを指す。資源エネルギー庁がまとめた2019年2月の電力需要実績(販売電力量)で、TCSは初めて新電力のトップになった。


 もともとTCSは工場やビルの電気回りの保安業務を行っていたが、15年度から高圧、特別高圧の電力販売業務に本格参入した。全国で工場や公共施設、商業施設などの大口顧客を次々と獲得。参入からわずか4年弱で、600社以上ある新電力業界で一気に首位に上り詰めたのである。


 TCSの闘争心に火をつけたのは、16年4月に始まった電力小売全面自由化だ。東電はお膝元である首都圏で、さまざまな新電力に次々と顧客を奪われた。そこで、TCSは「19年度までに新電力業界トップに立つ」と目標を掲げ、東電エリア外で反撃に出るために全国で激しい価格競争を仕掛けて暴れ回った。


 特に17年度からは関西、東海、九州のエリアでシェアを拡大。「TCSの営業マンは人気ゲーム、ドラゴンクエストの強敵モンスター並みの存在で、遭遇したら負け」と同業他社が恐れるほどだった。


 TCSは原子力発電所の再稼働が進んだ関西電力、九州電力の再反撃を受けつつも電力需要を伸ばしている。今は、ターゲットを東北電力エリアに移している。


 昨年8月に行われた宮城県の仙台第3合同庁舎で使用する電気供給契約の一般競争入札では、TCSが2位より250万円低く提示した3300万円で落札した。


 対照的に、同年6月時点で首位だった独立系新電力F-Powerは、TCSや関電の反撃を受けた上、電力を調達する日本卸電力取引所(JEPX)の価格が猛暑の影響で高騰し、業績が悪化。第10期決算(17年7月〜18年6月)で120億円の最終赤字を計上し、事業を縮小したため、首位から陥落した。





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