アマゾン、稼ぎ頭のクラウド事業でサービス拡充

6月28日(水)6時0分 JBpress

米ニューヨーク・マンハッタンのタイム・ワーナー・センターに開店した「アマゾン・ブックス」店内の陳列棚(2017年5月25日撮影)。(c)AFP/TIMOTHY A. CLARY〔AFPBB News〕

 米CNBCが伝えるところによると、米アマゾン・ドットコムは、機械翻訳システムを社外の開発者などに貸し出すサービスを始める計画という。

 同社は2015年に、サファバ・トランズレーション・ソリューションズという米国の新興企業を買収しており、その共同創業者が、現在アマゾンの機械翻訳研究開発部門を率いている。

 そうした技術を利用して、同社は自社の機械翻訳システムを構築しており、これを、例えばeコマース事業で商品情報を複数言語に翻訳したりすることなどに利用している。

 今後はこれを、同社のクラウドサービス事業、AWS(アマゾンウェブサービス)を通じて社外に提供し、企業がウェブサイトやアプリなどを多言語化する際に、利用できるようにするという。


アマゾンのクラウド事業

 アマゾンのクラウドは、もともと自社のeコマース向けシステムのために開発されたものだが、同社はこれを他の企業に提供する事業を行っている。使用した分だけを支払うという料金プランや、初期投資費用が抑えられるといったメリットが好評で、大手企業も次々導入するなど、このビジネスはアマゾンの稼ぎ頭となっている。

 そして、アマゾンは最近、このクラウドサービスで、画像内の物体認識や、文章の音声読み上げといった、AI(人工知能)を利用する新たなサービスの提供も始めている。

 今回始める機械翻訳も、それらと同様に付加価値のあるサービスだ。これは、単にコンピューターの処理能力やストレージリソースを貸し出すだけにとどまらず、クラウドサービスの収益源を多様化するというアマゾンの戦略と一致しているとCNBCは伝えている。


営業利益の大半をクラウドがもたらす

 アマゾンはこうして、クラウド事業に力を入れているが、その背景には、利益が桁違いに大きいという現状があるようだ。

 アマゾンは、薄利の企業として知られている。例えば昨年10〜12月期の決算資料を見ると、その全体の売上高は437億4100万ドル。これに対する営業利益は12億5500万ドルと、3%未満だった。

 これと比較するため、米アップルの資料を見ると、その売上高は783億5100万ドル。営業利益は233億5900万ドルで、営業利益率はほぼ3割に達している。

 アマゾンとアップルでは業種が異なるため、こうした違いが出るのは当然かもしれない。しかし、アマゾンのクラウド事業を見ると、その営業利益は9億2600万ドルで、全営業利益の7割を占めていることが分かる。つまりアマゾンの営業利益の大半は、このクラウド事業によってもたらされているのだ。

 これは昨年10〜12月期のデータだが、今年1〜3月期では、この数値がほぼ9割に達している。アマゾンのクラウド事業の売上高が、同社全売上高の1割程度ということを考えると、このビジネスの利益がいかに高いものであるかが、よく分かる(表1:ドイツStatista)。

 しかも同社のクラウド事業は、拡大を続けている。その今年1〜3月期の売上高は、36億6100ドルとなり、1年前から43%増加した(表2:ドイツStatista)。

筆者:小久保 重信

JBpress

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