夏休みの宿題、子供たちにとって必要か?不要か?

7月2日(月)16時32分 財経新聞

●専門家たちのあいだでも意見が分かれる夏休みの宿題の是非
 夏休みは、子供たちにとって勉学から離れるべきだと主張する心理学者や親は少なくない。一方で、ある程度の脳の鍛錬は夏休みのあいだも必要だとする教育学者や心理学者も多い。さらには、子供たちが皆同じ課題をこなすのではなく、それぞれの個性に合わせた異なる課題をこなすべきを行うべきだという心理学者の意見もある。

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●「宿題は必要なし」という学者の意見は
 中学生や高校生たちが、受験のための勉強が夏休みに必要になるのは当然のことである。しかし、小学生たちはどうなのであろうか。

 イタリアの教育学者マウリツィオ・パローディ氏は、1万2千人の子供たちと接触し観察した結果、子供たちに宿題は必要ないと結論づけた。バローディ氏は、子供たちは学校外では休息し屋外で遊び、宿題よりもより有益な家事に携わるべきだと主張している。またパローディ氏は、これまで宿題が子供たちに有益であるという科学的な証拠はないうえ、心身に脆弱なところがある子供には有害にもなりうるとしている。

 親子の間のいさかいの多くが宿題を原因にして生まれるという実態を考慮しても、親子が楽しく過ごす時間を増やすために「宿題は不要」というのが、宿題否定派の主な意見のようだ。

●宿題の有無は学力の向上につながるのか
 宿題を否定する学者たちは、学校外での課題の有無が必ずしも学力の向上につながらないことを、あるデータから確信している。

 OSCE(欧州安全保障協力機構)のデータによると、イタリアはほかのEU諸国の子供たちと比べると、およそ2倍の時間を宿題のために充てている。にもかかわらず、識字率は全世界で34番目という低さにとどまっている。

●猛暑の中での勉強は身につかない、という小児科医の意見も
 小児科学の教授で児童心理学に関する著作も多いイタロ・フェルネターニ教授は、普段の宿題はともかく夏季の宿題は気候的に努力の効果が得られないと主張する。心理教育学的にみても、夏休みはここで宿題をするのではなく、同年代の子供たちとスポーツを行うほうが効率的に様々なことを学べるというのが彼の意見である。

 フェルネターニ教授は、夏季にとどまらず年間を通して週末の最低でも1時間は子供たちはスポーツをするべきだという意見を主張しつづけている。

●宿題肯定派は、休暇中の学力の低下を懸念
 当然のことながら、宿題肯定派の最も懸念することは、それまで学習してきたことを子供たちが夏休み中に忘れてしまうのではないか、というものだ。子供たちの親の中には、2学期を有効に過ごすためにも夏休みの宿題は必須と考える人も多い。

 認知心理学の専門家の中には、夏休みの宿題を肯定しながらも、子供たちが全員全く同じ課題をこなすことは無意味だと主張する人もいる。それぞれの子供の学力や資質に合わせて、カスタマイズするのが理想というわけだ。

●個々の学習法を確立するにはよい機会である夏休み
 小学校低学年の子供にとって、学校から課題として出される宿題の是非はともかく、学習の基本である読書や掛け算の暗記は夏休み中に毎日行うのは非常に有効であるという意見は、児童心理学の専門家たちのあいだでも大半を占めている。こうした学習によって、好奇心を刺激され、普段とは違った毎日のリズムの中でそれぞれの学習の仕方を確立できる可能性も高いからだという。

 強制されることなく行う学習によって、子供たちは自立性を育てるとも言われている。重要なことは、夏休みの宿題が子供たちにとって強迫観念にならないことであろう。

財経新聞

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