ヴィクトリアズ・シークレット衰勢の「本当の理由」

7月13日(金)17時30分 Forbes JAPAN

米ランジェリーブランド、ヴィクトリアズ・シークレット(VS)を傘下に持つLブランズは7月12日、同月7日までの5週間の既存店売上高が前年比1%減となったことを明らかにした。

VSの主力商品のブラジャーと若い世代をターゲットとしたブランド、ピンク(Pink)の売り上げが低迷していることが、美容製品の販売が上げた利益を相殺した形となった。

VSの既存店売上高は2016年以降、ほぼ一貫して減少を続けてきた。米国とカナダで展開する約1200店舗(6月末時点)の既存店売上高は同期、6%減となっている。一方、ボディーケア製品や雑貨などを扱うバス&ボディワークス(Bath&Body Works)はVSより小規模ながら、同期の既存店売上高で前年比10%増を記録した。

VSは6月、「客足が減っており、低調なスタートになった」として、半期に一度行うセールの期間を2週間延長していた。これについてLブランズは、「売り上げを増やそうとさらに値引きをしたことで、利益率が”大幅に”低下した」と説明した。VSの売場1平方フィート(約9.3平方メートル)当たりの商品在庫高は、同月末には20%増加しており、今後さらなるディスカウントが行われることも予想される。



長期戦略を見誤った?

全盛期のVSは、先行きの見通しも明るいことが確実であるように思われた。そのためLブランズは、エクスプレス(Express)やザ・リミテッド(The Limited)など一部のブランドを手放し、主にVSとバス&ボディワークスに重点を置くことを決めた。このとき同社は、そうすることで「ファッション・ビジネスのサイクルから影響を受けにくくなる」と述べていた。

だが、Lブランズは5月、2016年3月に”非中核”ビジネスだった水着・アパレル部門から撤退したことは失敗だったと認めた。同部門は2015年、売上高が合わせて過去最高となる約5億2500万ドル(約591億円)に上っていた。

Lブランズはそのほか、2015年にVSのカタログ通販を中止したこと、ダイレクトメールによるブラジャーとパンティーの販促活動を大幅に縮小したことも、業績が低迷した理由だとしている。廃止前、カタログの発行部数は2億5000万冊近くに上っていた。また、ダイレクトメールを受け取った人には(商品を購入しなくても)無料でパンティーを提供するなどしていた。

VSは今でも、米国のランジェリーブランド最大手ではある。ただし、国内での市場シェアは縮小しており、英調査会社ユーロモニターによれば、昨年までの5年間に2ポイント低下、28.8%となっている。

失った消費者との「接点」

消費者はますます、信頼し得る宣伝活動を行うブランドを求めるようになっている。そうした中で、”修正され、美化された”スーパーモデルたちのイメージは、VSが時代とかけ離れつつあることを示しているのかもしれない。一方で、アメリカンイーグル アウトフィッターズが展開するAerie(エアリー)などのブランドは、実際の女性たちのイメージを反映させ、シェアを拡大している。


アメリカンイーグル アウトフィッターズのエアリー

ただ、市場シェアなどを示す数字は、VSが直面するより大きな問題が何であるかを明らかにするものではない。ここ数年、筆者自身も気付いていたことだが、VSの店頭からは、まさに「これが欲しかった」と思うような商品が消えている。話を聞いてみた店員たちも、なぜ人気があって着け心地も良い流行のスポーツブラなどを別の商品に切り替えるのか、理由が分からないと首をかしげていた。

ある女性は少し前、フェイスブックに次のようなコメントを投稿している。

「VSでは何が起きているのだろう?」「以前売っていた衣類や靴は最高にかわいくて、ブラも私がそれまで買った中で一番だった。もう他のブラは買わないだろうと思っていたのに…買えなくなって、本当にがっかりだ…」

言い訳は色々あるだろう。だが、VSはそれらを全て忘れるべきだ。ブランドにとって、最終的に救い主となるのは適切な製品だ。

Forbes JAPAN

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