出光興産と昭和シェル統合と村上世彰氏

7月13日(金)21時50分 財経新聞

 周知の通り出光(興産)と昭和シェル(石油)の統合が伸び伸びとなっていた背景は、出光側の創業家の「反対」だった。それが6月終盤に急展開、創業家が「賛成」を表明し統合作業が進められることになった。こうした一連の流れの中で急浮上してきたのが、「物言う株主」として一世を風靡した「村上ファンド」の元代表:村上世彰(よしあき)氏である。村上氏は久々の表舞台登場について共同通信の書面インタビューに応じ、こう発信したという。

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 「かつて通産省(経済産業省)時代に石油政策に関わっていたことがあるが、今回の統合には賛成だ。昨秋、創業家と親しい財界人から助言を依頼され接触を持つようになった。統合の方向で助言した」。そして今後の出光・昭和シェルについては出光の現経営陣と議論していると明らかにした上で、「創業家の理念と会社側の考え方に隔たりがあることは上場企業としてふさわしくない。仮に統合が進んでも創業家の理念を入れて頂きたい」と語ったという。

 さて「統合」が順調に運ぶのか否かは時間の経過を待たなくてはならないが、私が一点気になるのは、村上氏が出光の株式を1%弱保有していることである。「株主目線で創業家と接するために取得した」としているが、私には直接耳にした「僕は生涯投資家ですよ」という言葉が妙に引っかかる。

 あれは村上ファンドの存在が証券市場で注目を集め始めた時期だった。キャスターを務めていたラジオの生番組に登場してもらった。端に私はこう質した。「16年余りの通産官僚生活から(物言う)投資家に身を転じたわけはなんだったのか」。用意していたかの如く「立場上、日本の企業のコンプライアンスの在り方に疑問を抱き続けていた。例えば保有不動産はあっても、それを活かして企業を向上させようという意識がない。我慢しきれなくなった。そこで選んだのが(物言う)株主という立場から日本の企業再構築の捨て石になる道だった」と立て板に水だった。が番組終了後、村上氏はこう本音を漏らした。「切歯扼腕の日々は事実。だがそれ以上に投資家という世界に、この上ない魅力を覚えた。生涯投資家として株式市場でラディカルな日々を堪能しその果実をコノ手にいやというほど握りたい」。

 出光・昭和シェルの統合を株価は好感している。アナリスト達が予想する株価(IFIS目標平均株価)本稿作成時点で、16%上値にある。「村上氏の保有株5%超に」という日が来ないとも限らない。とにかく彼は「生涯投資家」なのだから。

財経新聞

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