世界のフィンテック投資額、過去最高を更新中 国内市場も今年度は1兆4,912億円規模に

7月14日(土)14時0分 MONEYzine

 世界的に大きく成長しているフィンテック市場。国内ではいくつかの問題がある中、法的な整備も進められている。この市場の現状を明らかにする2つの調査を見てみよう。


 アクセンチュア株式会社は、ベンチャー企業の財務データ収集・分析業務を国際的に行うCB Insights社が提供するデータをもとにグローバルなフィンテック市場を分析し、その結果を5月29日に発表した。フィンテックは金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、IT技術を活用して提供する金融サービスを意味する。


 世界のフィンテックベンチャー企業への投資額は2016年が232億5,500万ドルで、2017年は前年比18%増の274億4,500万ドルに拡大して過去最高を更新した。米国が同31%増の113億ドル、英国が同約4倍の34億ドルに拡大したほか、高額紙幣が廃止されたインドではキャッシュレス・サービスの需要増加を受けて投資額が同約5倍の24億ドルに拡大するなど、スタートアップ企業への旺盛な投資にけん引されて成長した。


 フィンテック投資案件数は2016年が1,805件、2017年には2,694件に拡大した。前年に続き、保険・銀行・証券業界のスタートアップ企業への投資が多くみられ、中でも保険会社に新たな商機がもたらされていると同社は指摘している。


 一方、矢野経済研究所は金融機関やフィンテック系ベンチャー企業などを対象に「国内フィンテック市場に関する調査(2018年)」を実施し、その結果を7月4日に発表した。調査期間は2017年11月から2018年6月にかけて。


 2017年度の国内フィンテック市場規模(フィンテック系ベンチャー企業売上高ベース)は前年度比12.5%増の1兆184億1,000万円で、2018年度には1兆4,911億9,000万円に、2021年度には1兆8,590億円まで拡大すると予測している。


 市場拡大の背景には、銀行法の改正に伴って全金融機関が3月までに「電子決済等代行業者との連携及び協働に係る方針」を打ち出すなど、法的な面から環境が整備されたことが挙げられる。また、金融機関がプログラムからソフトウェアを操作するためのインターフェイス「API(Application Programming Interface)」へ接続するため新たなIT投資が必要になるほか、大手町や兜町などでフィンテック産業拠点のリニューアルオープンや新規オープンが相次ぐなど、技術的・物理的な面から環境が整備されつつあることも市場拡大を後押ししている。


 注目されているのは仮想通貨の領域で、金融庁の指導・監督により健全な市場に成長していくことが期待されている。また、仮想通貨による資金調達手「ICO(Initial Coin Offering)」が登場し、新たな資金調達手法として期待が高まっている。ただし、ICOについては、当初の事業計画が計画倒れとなり投資家が損害を受けるケースがあるなど課題もあり、普及には投資家が投資の可否を判断しやすい環境整備が必要になると同社は指摘している。


 国内外でフィンテックへの期待は高まっており、技術面や法律面の環境整備が進めば今後も一層市場拡大を続けていきそうだ。


サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]


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