「小室哲哉のウソ」を暴いた文春砲の逆襲

7月16日(月)11時15分 プレジデント社

2018年1月19日、記者会見で引退を表明し、涙を流す音楽プロデューサーの小室哲哉氏。あの涙はなんだったのか。(写真=時事通信フォト)

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今年1月、週刊文春が小室哲哉氏の不倫を報じたところ、小室氏は記者会見で、「介護疲れ」を明かし、引退を宣言。世間は「文春潰せ」と報道を非難した。それから半年。週刊文春は小室発言の嘘を暴く記事を繰り出した。元「週刊現代」編集長の元木昌彦氏は「自分がついた嘘について、あの時『文春潰せ』と応援してくれた人間たちに釈明する責任があるはずだ」と問う——。


2018年1月19日、記者会見で引退を表明し、涙を流す音楽プロデューサーの小室哲哉氏。あの涙はなんだったのか。(写真=時事通信フォト)

■不倫報道への批判や誹謗に、きっちり答えを出した


「小室哲哉、この恨み、晴らさでおくべきか」


6年の長きにわたって週刊文春の新時代を築いた新谷学編集長の最後の仕事は、小室哲哉(59)が記者会見で涙と共についた「嘘」を暴き、この不倫報道へのいわれなき批判や誹謗に対して、きっちり答えを出すことだったようである。彼は見事にそれをやってのけた。


「新谷文春」は次々に不倫スクープをかっ飛ばしてきたから、小室と女性看護師との不倫報道を忘れてしまった人も多いだろう。簡単に内容を紹介しておこう。


「小室哲哉“裏切りのニンニク注射”」という珍妙なタイトルが掲載されたのは週刊文春1月25日号だった。


音楽家としてかつてのようにヒット曲をつくれなくなっていた小室は、ストレスにより聴力が悪化し、摂食障害、睡眠障害、C型肝炎に襲われるようになっていた。そのためにニンニク注射を打ってもらうため看護師のA子に往診を頼むことが増えていった。


やがて彼女が「一番信頼できる人」「精神的な支えになる人」となり、深い仲になっていったというのである。文春は、女性宅や都内のホテル、時には、自宅に彼女を引き入れていた姿を何度も目撃している。


小室は2002年にglobeのボーカル、KEIKO(45)と“再婚”している。だが、11年にKEIKOをクモ膜下出血が襲った。以来6年もの間、リハビリに取り組むKEIKOを小室は傍らで支え、メディアの取材にも「僕にはこの人しかいない」「彼女に寄り添いたい」と自身の献身ぶりを語ってきたという。


■記者会見は同情を引き「世論は沸騰した」


小室は文春の直撃に、「誤解を招く甘い言動が多々ありました。本当に申し訳ないと思っています」と答えたが、“男女の関係”は否定した。


「(A子さんの精神的な支えは)かなりありました。本当にお恥ずかしい話ですが、(この)五年、六年で、普通の男性としての能力がなくて、精神的な支えが必要だったと思います」と付け加えたのである。まさか2人で「あっち向いてホイ」をやっていたというのではあるまいな。


その上で小室は言葉を詰まらせながら「引き……時なのかなと思い始めている」と、引退をほのめかした。


文春が発売されると、小室は記者会見を開き、この業界から引退すると明言したのである。



妻のKEIKOの病状については、「小学4年生の漢字のドリルをやっている」「コミュニケーションが日に日にできなくなっている」「KEIKOの脳は一般の脳の考え方ではない」「看護師がうちに来ていることも認識していない」と涙を見せながら語り、会見を見た視聴者に「彼女の回復は思わしくないのだ」「小室も大変だな」という印象を強く与えた。


また「妻と2人の生活を基本に考えるべきだった」と、さも反省しているかのような物いいをして、同情を引き「世論は沸騰した」(文春)のである。


■「俺だけがベッキーの頃からクソ文春といい続けてきた」


この会見の直後からSNSで文春批判が巻き起こった。


「他人のプライバシーやデリケートな部分を推し量らずに、心も理性もない報道をするのはもはや人間の所業ではない」「先生を引退決意させた文春を私は許さない」「さっさと廃刊して下さい」「人の不幸で食べたご飯がそんなに美味しいですか? 文春全員がゲスの極みだ」などなど。


中でもホリエモンこと堀江貴文は、自身のツイッターとフェイスブックで、文春をこう非難した。


「やっとクソ文春のヤバさが大衆に浸透してきたか。結局こうなるしかないビジネスモデル。ベッキーの頃は(文春を)持ち上げてる奴らばっか。俺だけがベッキーの頃からクソ文春といい続けてきた。こいつらは調子に乗って部数稼げてるって思い込んでるだけだから、大衆から攻撃されるとすぐメンヘラ(精神疾患をわずらっている人=筆者注)になる。すぐに潰せる」


いいたい放題である。




「小室哲哉“裏切りのニンニク注射”」との見出しで不倫疑惑を報じた『週刊文春』(2018年1月25日号)の誌面。

■多少の批判で撤退するほど週刊誌はヤワじゃない


各紙も「文春砲に吹く逆風」(朝日新聞)などと特集を組んだ。私は取材に来たメディアにこう答えた。


「週刊誌は創刊以来、不倫を含む『スキャンダル』と『メディア批判』は大きな柱。けしからんという声は昔からあったが、そこは揺るがない。文春だって引退させたいと思っていたわけではないだろう。多少の批判で撤退するほど週刊誌はヤワじゃない。これだけ不倫報道が注目されるなら、今後も情報が手に入れば不倫報道は続くだろう」


「第一、引退の理由の一つに妻の介護を出すなど、男らしくない。はっきりと、売れなくなったから辞めるといえばいい」


だが、さすがに強気でなる新谷編集長も、思いがけない批判にさらされ、弱気になっているのではないかと心配していた。



■小室氏のいうことは「真っ赤な嘘」だった


それが杞憂だったことを、文春は7月12日号で証明してくれたのである。タイトルは「『小室哲哉は許せない』KEIKO親族怒りの告発」。


文春の巻頭のモノクログラビアに、マスクをしているが、紀ノ国屋の袋を持ち、にこやかに笑っている女性が載っている。キャプションに「私は元気です by KEIKO」とある。


彼女は膜下出血のリハビリ中で、芸能活動を休止し、音楽には興味を示さず、小学校4年生の漢字ドリルをやる程度にしか戻っていないはずじゃなかったのか。


小室の会見後、一部の識者といわれる連中が文春批判を繰り広げた。文春はそれ以降、批判に対しては真摯に耳を傾けるが、「予断なく検証取材を重ねた」というのである。


結果、小室のいうことは真っ赤な嘘だったことが、親族ならびにKEIKO本人が立証してくれたのだ。


■漢字ドリルをやっていたのは5年以上前のこと


彼女は現在、実家のある大分県・臼杵市で暮らしている。


「六月のある昼下がり、ピンクのパンプスを履いたKEIKOは、市内の石畳の路地にいた。軽やかに歩を進めていた彼女は、出会った親しい知人に活き活きと手を振った」(文春)


彼女の親族の了承を得たうえで、知人が提供してくれたのが先の写真だそうだ。


その知人は、小室の会見での言葉は嘘ばかりで、彼女の本当の姿を伝えたかったという。


「小室さんは小四の漢字ドリルが云々、と言っていましたが、桂子(KEIKOの本名=筆者注)が漢字ドリルをやっていたのは五年以上前のこと。しかも、リハビリの一環として、試しにやったことがある程度です。それを小室さんはさも、いま彼女のために取り組ませているかのように語り、世間に“小四”という言葉を印象づけたのです」(知人)


しかし、手術直後は深刻な状態だったことは間違いない。


「小室さんと結婚していることや、父親を亡くしたことも覚えてなくて、ある日突然大好きだった父親を思い出し、ワーッと泣き出したこともあった」(同)


それでも臨床医のトレーニングを受けて懸命にリハビリに取り組み、著しい回復を遂げてきた。だが、そこに小室はほとんど手を貸していないというのである。



■「介護をしていない」と証言するのは身内だけではない


彼女の親族のAさんも、会見にはあ然としたと、こう話している。


「桂子のサポートに疲れたと言っていますが、彼は介護らしいことは何もしていませんし、そもそも、今の彼女は要介護者ではないのです。なぜあそこまで、自分の妻のプライバシーや名誉にかかわることを、あしざまに言わなくてはならないのでしょうか」


小室は、これからは妻と向き合って生きていくというようなことをいっていたが、会見後一度も、妻の実家に行っていないという。先のAさんが話す。


「小室さんの会見以降、桂子についてご心配の声もいただきますが、桂子はおかげさまでいたって元気なんです。ひとりでよく買い物に出かけるし、地元の体操クラブにも通っています。このあいだも先生から上級クラスに誘われたほどです」


地元の音楽関係者も、KEIKOは仲間とよくカラオケボックスに行き、「天城越え」や美空ひばり、globeの「DEPARTURES」や「FACE」などを立て続けに歌うし、一人二役でマーク・パンサーのラップまでやるそうだ。


小室が介護をしていないと証言するのは、身内だけではない。


小室の元専属運転手も、「介護に関していえば、小室さんは何もしていないというのが本当のところ。食事も洗濯も体調管理も、すべてスタッフや付き人がやっていました。彼が桂子さんのためにしたことといえば、店屋物の弁当や出前を頼むことぐらいで、それすらもスタッフに命じるだけ」と話す。


一度彼女の食器を洗ったことがあったというが、何度も「僕が洗ってやったんだ」「感謝が足りない」としつこく彼女にいっていたそうだ。


■リハビリに良いということは何もせず、昼夜逆転の生活


小室が所属するエイベックス関係者も聞き捨てならない証言をしている。彼女が倒れた時、病院は実家で養生することを勧めたそうだが、小室はなぜか「僕が面倒を見る」と拒否したというのだ。


だが、小室はリハビリに良いということは何もせず、マンションの部屋を遮光カーテンで閉め切ったまま、昼夜逆転の生活だったという。


くも膜下出血は発症すると3人に1人が亡くなるといわれ、高次機能障害などの後遺症をもたらす可能性がある。回復して社会復帰できるのは3分の1程度だそうだ。それも大事なのはリハビリで、本人の努力と周囲のサポートで劇的に回復することもある。


実際、KEIKOは劇的に回復してきているわけだが、あのまま小室の家にいたら、ここまで回復しなかったであろうことは想像に難くない。



小室の嘘つきの度合いは安倍首相並みかもしれない。


彼は看護師のA子を2、3度、KEIKOに会わせていると語っていたが、彼女の知人は「それも嘘だ」と断言した。


KEIKOはA子を紹介されたこともないし、名前すら知らなかった。


小室の会見をテレビで見ながら涙を流していたというが、不実な夫を恨んでのことか、だまされていた自分への憐みの涙だったのだろうか。


■A子と結婚するのなら、全財産を妻に譲るべきだ


一方の小室のほうはどうしているのか。


文春によると、5月中旬、2人で暮らしていたマンションを引き払い、別の高級マンションへ引っ越したが、KEIKOには知らせていないという。


そのマンションには相変わらず、ニンニク注射の看護師が出入りし、泊まっていくそうである。東京の音楽関係者は、「小室は、A子さんとの再婚を本気で考えているようです」と話す。


しかし、妻が病気になって介護が大変だから離婚しますという身勝手な理由では、裁判所が認めはしまい。A子と結婚するのなら、全財産を妻に譲って、裸一貫で出ていく覚悟が必要であろう。


嘘はまだあった。会見で突然引退を表明したように見せたが、実は、昨年末に所属事務所に引退の意向を伝えていたそうだ。そのとき既に、安室奈美恵のような「引退興行」を考えていたのではないのか。


6月27日に小室のベストアルバムが発売された。T盤K盤各4枚組で、定価は3780円。その中にはTM NETWORKや、安室奈美恵、華原朋美など「小室ファミリー」がレーベルの垣根を越えて収められている。初日で4万枚を売り上げたというのである。


引退表明しなければ、ここまで売れたか疑問ではある。


■前回のように会見を開く様子もない


文春によれば、過去に悪質な詐欺事件を起こし、逮捕された小室だが、彼の年収は今でも2億円近くはあるという。


だが、その時も、「浪費癖のある桂子に贅沢をさせるために借金を重ねたなどと、まるで彼女のために犯罪に手を染めたかのような陳述をした」(別のKEIKOの知人)そうだ。


その時の負債は事務所の松浦会長がポケットマネーで立て替えたそうだが、まだ借金を払い終えていないという。


今回、小室は文春のインタビューに何も答えなかった。この号が出た後も、前回のように会見を開く様子もないようだ。



あの会見の全文は小室が一人で書き上げたという。自分勝手な嘘で塗り固めた文章は、彼がこれまで書いてきた何百という歌詞と同じように、頭の中でつくりあげた想像の産物だったようだ。


■「ご心配いただき、ありがとうございます。私は元気です」


だが、自分がついた嘘について、ファンやあの時「文春潰せ」と応援してくれた人間たちに釈明する責任があるはずだ。


小室もグラビアページに登場している。ラフな格好にサングラスと野球帽といういでたちで、近所の弁当屋のメニューをじっと見ている図である。還暦間近の男のしょぼくれた姿が見事に映し出されている。


KEIKOのほうは、文春のファンへのメッセージをという求めに対して、「ご心配いただき、ありがとうございます。私は元気です」と答えている。


小室がテレビカメラの前で平気で嘘をついたのは、いま日本中を覆っている「嘘つきは安倍晋三の始まり」という空気を読んで、どうせ75日たてば忘れるさ、そう考えたからではないのか。


ファンも視聴者も世間もバカにされたものである。(文中敬称略)



(ジャーナリスト 元木 昌彦 写真=時事通信フォト)

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