テスラが過去最高益更新、初の10億ドル超え 4〜6月

7月28日(水)12時0分 JBpress

 米電気自動車(EV)大手のテスラが7月26日に発表した2021年4〜6月期の決算は、売上高、純利益ともに四半期の過去最高を更新した。


米最大のEVメーカー、モデルYが3分の1占める

 売上高は前年同期比約2倍の119億5800万ドル(約1兆3200億円)。純利益は同約11倍の11億4200万ドル(約1260億円)で、四半期として初めて10億ドルを突破。8四半期連続の黒字を達成した。

 他の自動車メーカーへの温暖化ガス排出枠(クレジット)の売却収入が3億5400万ドル(同17%減)あり、依然同社の業績を下支えしているが、4〜6月期はこれを除いても黒字となる水準にまで業績が向上した。

 EV販売台数は同約2.2倍の20万1304台で、四半期ベースで初めて20万台の大台を突破した。小型セダン「モデル3」と小型SUV「モデルY」の合計が同2.4倍の19万9409台となった。

 同社は地域別や個々の車種別販売台数を公表していない、だが米メディアによると、21年1月に中国・上海工場で生産を開始したモデルYの販売が好調だったようだ。

 テスラは米国市場でも好調だと米ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。自動車関連サービス企業コックス・オートモーティブによると、21年1〜6月期に米国市場で最も売れたEVはテスラのモデルYで、米EV販売全体の約3分の1を占めた。


半導体が生産を左右、輸送費や原材料費高騰も

 テスラは現在、テキサス州オースティンに、カリフォルニア州フリーモントに次ぐ米国内で2つ目のギガファクトリー(大規模工場)を建設中だ。ドイツ・ベルリン郊外でも米国、中国の拠点に次ぐ4番目のギガファクトリーを建設しており、いずれも21年に操業が始まる見通し。今後の販売台数は「数年間、平均50%の伸びで推移し、21年は50%を上回る」とみている。

 ただ、同社は様々な問題に直面しており、21年はそれらをどう乗り切るかが課題だと指摘されている。

 自動車業界全体に広がる半導体不足については、代替チップと、それに対応するソフトウエアを開発することで問題を回避してきたが、4〜6月期はエアバッグやシートベルトを制御するモジュールが不足。生産に影響が及んだ。

 今後は半導体の動向が、同社のEV生産を大きく左右すると、イーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は述べている。米メディアによると、海上輸送費や原材料費の高騰といった問題もマイナス要因になると指摘されている。


自動車大手のEV投入続々、競争激化へ

 一方、テスラの高級セダン「モデルS」と高級SUV「モデルX」の21年4〜6月期の販売台数は、計1895台にとどまった。前年同期から82%減少している。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、テスラはモデルSとモデルXを新型車に移行中。モデルSの高性能モデルである「Plaid(プラドゥ)」の納車を21年5月に開始。モデルXの新型車は同7〜9月期に納車できるとの見通しを示している。

 こうした中、競合自動車メーカーのEV投入が相次いでいる。米フォード・モーターが全電動のスポーツ車「マスタング・マッハE」を、独フォルクスワーゲンがEVの中型SUV「ID.4」を発売するなど、消費者の選択肢が広がっているとウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。

 独ダイムラーの高級車事業会社メルセデス・ベンツは21年7月、エンジン車やプラグインハイブリッド車(PHV)への投資を大幅削減すると発表。30年ごろまでにすべての新車をEVにするとした。こうして自動車大手が相次いでEV専業化に向けた施策を打ち出しており、テスラの競争環境は厳しさを増している。

 (参考・関連記事)「テスラ、7割増収・最高益達成も21年は波乱の1年に」

筆者:小久保 重信

JBpress

「テスラ」をもっと詳しく

「テスラ」のニュース

「テスラ」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ