「三角食べ」、食後血糖値や調理の簡便化で絶滅の危機

7月29日(日)20時55分 財経新聞

 食後血糖値との関係で、学校給食や食育の場面で従来奨励されてきた「三角食べ」の食事法が揺らいできている。食後血糖値を上げないために、最初に野菜から食べ始め、最後に炭水化物を食べる順番を重視した食べ方が人気となり、小中学校の給食でも「三角食べ」を積極的に指導していない学校も出てきた。

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 また仕事を持つ主婦や個食の増加で、調理の簡便化が進み、1皿完結型メニュー(主食・主菜・副菜が1皿で提供されるメニュー)が多く食卓に上ることによって、「三角食べ」が出来ないことも後押ししている。

■「三角食べ」と「ばっかり食べ」
 1970年代から学校給食において「三角食べ」の指導が行われ、パンやご飯などの主食からおかずへ、そして飲みもの・汁物へいう順番で繰り返し食べていくもので、自然と日本の伝統的な食べ方である「口中調味」(白飯と汁やお菜を交互に食べ、口の中に残る汁やお菜の味で白飯を味付けしておいしく食べること)ができ、順番にたべる事で、偏食や好き嫌いをなくす効果もあった。

 「口中調味」は室町時代から始まる日本の伝統的食べ方であり、また2016年の厚生労働省・農林水産省の第3次食育推進基本計画の中でも、「食事の作法等、伝統的な食文化に関する国民の関心と理解を深める」ことが盛り込まれている。

 これに対して「ばっかり食べ」とは、ある1品のみを食べ続け、食べ終えるとまた次の1品に進み、これを繰り返すことで、好きなものばかりを食べる、おかずばかりを食べると言う、偏食や好き嫌いを象徴する食べ方。学校や家庭ではこれなくすため、「三角食べ」を熱心に指導していた。

 ところが最近では様子が違うようだ。例えば、横浜市立小は「三角食べ」を積極的に指導していなかったり、東京都足立区では、2017年度から全小中学校の給食で「ひと口目は野菜から」と指導(毎日新聞2018年7月18日)など、最近の学校給食では「三角食べ」の指導に積極的ではなくなっているようだ。

■家庭で増えていく「1皿完結型メニュー」
 働く女性の増加で、家庭の食卓にも変化が起きている。調理の時短・簡便化が更に進み、シチューなどをご飯にかけて、主食とおかずを1皿で食べることも増加。日本能率協会総合研究所によれば、忙しい時のお助けメニューとして「カレー」「チャーハン・ピラフ・焼き飯」「焼きそば」「丼もの」などの1皿完結型メニューも増えているという。調理も1回で済み、1皿で食事を済ませ、洗う食器や鍋の数も省ける究極の時短・簡便メニューである。

■絶滅の危機か?「三角食べ」
 食後血糖値への配慮や、個食の増加、働く女性の拡大による調理の時短・簡便化で、従来あれだけ推奨されてきた「三角食べ」に大きな変化が起きている。

 薄味が増えたことで「口中調味」が必要なくなって来ていることや、家庭でごはんを食べる機会そのものが減って来ているという食の基本的な変化もある。

 このままだと、外食における洋食コース料理の経験やラーメン・焼きそば・丼・お好み焼きなどの1皿メニューの流行も影響して、日本の伝統的な食べ方である「三角食べ」が消えてしまうのではないかと危惧される。

財経新聞

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