JALとANAが、「ウラジオストク直行便」参入を同時発表した背景

7月31日(水)7時0分 J-CASTニュース

ウラジオストクは「日本に最も近いヨーロッパ」として知られる

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ロシア極東のウラジオストクが2020年春から大幅に身近になりそうだ。日本航空(JAL)と全日空(ANA)が19年7月29日、それぞれ成田からの直行便を新規就航させることを発表した。

これまでロシアの航空会社が直行便を飛ばしていたが、日本の航空会社が定期便を飛ばすのは初めて。所要時間は片道2時間半ほどで、日本人観光客も急増している。競合するJALとANAの両社が同じ日に同じ路線の新設を発表するのは珍しく、注目ぶりがうかがえる。





ソウルや那覇に行くのと同じ時間で行ける「ヨーロッパ」




 

ウラジオストクは、ロシア帝国が悲願だった不凍港を求めて東方に進出したことを機に発展。旧ソ連時代は軍港として外国人は立ち入り禁止だったが、旧ソ連崩壊後は外国人も観光できるようになった。


モスクワまで9288キロ続くシベリア鉄道の起点は、観光名所のひとつだ。それ以外にも、ロシア正教の礼拝堂やレンガ造りの老舗百貨店など、その街並みから「最も近いヨーロッパ」として知られている。中心部は比較的コンパクトで、大半は徒歩で観光することができる。海水浴場に通じる歩行者天国の通称「噴水通り」付近には、カフェやバー、雑貨店が並ぶ。ウラジオストクの姉妹都市、新潟市が拠点のNGT48の楽曲「世界の人へ」(2018年10月発売)のミュージックビデオも、この付近で撮影された。




 

日本のと間には、すでに成田、関空、新千歳空港から直行便が運航されているが、いずれもS7航空などのロシアの航空会社が運航していた。所要時間は片道2時間半程度。東京を起点にすると那覇やソウルとほぼ同じだが、日本人観光客にとっての知名度は低かった。





無料の「電子ビザ」後押しで




 

それが、ここ数年で人気が急上昇している。ウラジオストクがある沿海地方政府は19年7月11日、19年上半期に約40万人の外国人が訪れ、そのうち観光客が約30万人だったと発表した。観光客は前年同期比で25%伸びたという。国籍別で最も多いのが中国で約15万人。次が韓国で約12万2000人、日本は3番手で約1万1000人だった。ただ、18年上期の日本人観光客は約5000人で、1年間で2.3倍に増えている。伸び率は3か国の中では最も高い。


この背景のひとつが、17年8月に沿海地方向けに導入された無料の「電子ビザ」だ。これまで、ロシアのビザは手続きが煩雑なことで知られてきたが、「電子ビザ」ではロシア外務省のウェブサイトでパスポートの情報を入力して顔写真をアップロードすれば、ビザがPDFファイルで送られてくる。



ロシアから日本に来る人も増えている。日本政府観光局(JNTO)によると、18年にロシアから日本を訪れた人は前年比22.7%増の約9万4800人で過去最高を記録している。JNTOでは、極東地域からの便が増えて航空運賃が値下がりしたり、17年にビザの要件が緩和されたりしたことが背景にあるとみている。




運航開始時期は、ANAが「2020年3月(2019年ウインターダイヤ中)」で、JALが「2020年度夏季ダイヤ」だと発表している。19年冬ダイヤは20年3月28日に終わり、翌3月29日に20年夏ダイヤが始まるため、両社はほぼ同じ時期に運航を始めるとみられる。JALは夏ダイヤの間、小型機のボーイング737-800型機(144人乗り)が1日1往復するとしている。ANAは運航頻度や使用機材について追って発表する。




(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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