「株価上昇率日本一の超効率経営」の会社が 「びっくりするほどよいものができた時」しか 新商品を発売しない理由

8月1日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

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これまでは、「売上最大化、利益最大化」が常識だった。
これからは、「売上最小化、利益最大化」が常識になるかもしれない。
「株価上昇率日本一(1164%)の超効率経営」
「従業員一人あたり利益がトヨタ、NTT、三菱UFJ、KDDI、三井住友FGより高い」
「新卒初任給は日本で2番目(2021年実績)の高さ」
という「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長、
初の著書『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』
が発売たちまち重版。日経新聞にも掲載された。
「びっくりするほどよい商品ができたときにしか発売しない」
という圧倒的な商品開発でヒットを連発。
「会社の弱点が一発でわかる“5段階利益管理表”」
「売上を半減させ、利益を1.5倍、利益率を3倍にする方法」
「売上ゼロでも生き残れる“無収入寿命”」
「組織全体にコスト意識が生まれるたった一つの方法」
を記念すべき初の書籍で惜しみなく公開し、
「不況下では、売上10倍はリスク10倍」と断言する木下社長を直撃した。


当社基準でNGなら発売中止


 前回紹介したような経験を繰り返しながら、「生活者の観点」のテスト項目は増えていった。


 たとえば、容器チューブのフタを締めるとき、どの程度まで締めるとお客様が開けにくくなるのか、どの程度だと外れやすいのか。トルクメーターで測定して確認する。


 1回目の納品と2回目以降の納品で、品質が変わっていないかを確認する。


 クリーム状の製品は、粘度や硬度を計測機器を買って調べる。


 なぜそこまで徹底するのか。


 それは、製造工程に関係する。


 化粧品やクリームは大きな釜で熱を加えて加工する。


 同じ成分を10リットルの釜で加工し、商品ができた。


 その後、注文量が増えたため、40リットルの釜に変えた。


 理論上はまったく同じ製品ができるはずだが、釜の中心部には熱が伝わりにくいため、釜の中心部でできたものは質感(特に粘度など)が変わる可能性があるからだ。


 最初に「ねばりの度合」を粘度計で確認する。


 さらに粘度が同じでも、触った感触、肌に触れたときの感触が違うことがある。


 日本の化粧品製造の基準では、粘度だけがチェックされるが、化粧品を使うお客様の立場で考えたらどうなるか。


 気に入って再注文したのに、クリームの質感が違えば不満だ。だから当社は硬度もチェックする。


 OEMメーカー、外注検査機関が「問題なし」と判断しても、当社基準でNGの場合は発売を中止する。


 当初、OEMメーカーは当社の要望の高さ、細かさに拒否反応を示すことが多かった。


 ただ、そこは「こだわりの日本企業」の誇れるところで、途中からは「私たちも本当はここまでこだわった商品づくりをしたかった」と言って、協力体制に変わっていった。


全役員・従業員で
1ヵ月使って最終チェック


 試作品ができたら、まず全国のモニターに、社名、商品名などを隠した状態で試してもらう。


 2〜3ヵ月使ってもらい、効果を実感したかを調査する。


 7割以上の人が効果を実感したときに商品化を検討する。


 モニター試験をクリアしたら、商品化に進み、最終的に全役員、従業員で実際に1ヵ月使い続け、見落としがないか最終チェックする。


 商品に同封する説明書を見ながら、初めて見た人がそれを読んで、そのとおりに使えるかを確認する。


 風呂場に放置しても品質は安定しているか、肌のトラブルや体調不良がないか、使用する際に不便なところはないか、説明書はわかりやすいかなどをチェックする。


 基本は「びっくりするほどよいものができた」場合だけ発売する。


 ボツになると全部つくり直す。実際に発売される商品は、開発案件のわずか2%。


 3年間試作品をつくり続けて最終的にあきらめた商品もかなりあった。


 本業では北海道の特産品を扱っていた会社が、副業として始めたから品質にこだわることができた。


 よいものができたら売るし、できなかったら売らない。ここは絶対のルールだ。


 だから商品開発には時間がかかる。


 2、3年くらいかかるものもある。


 流行は追いかけない。


 社の方針として、数ヵ月で商品を開発して販売することはしない。


 それによってたくさんの機会ロスをしていることはわかっているが、商品の品質に妥協するくらいなら、商売をやめたほうがいいと思っている。

ダイヤモンドオンライン

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