日産存立の危機 ゴーン問題は表面上のこと、真の問題は業界に深く進行 (2)

8月5日(月)17時50分 財経新聞

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■稼働率を上げるのは造り方
 カルロス・ゴーン元会長の経営スタイルの最も弱いところは、「自動車産業は造り方の競争」との認識が低く、M&Aや投資感覚での経営であったことだ。「稼働率」を上げるためには「混流生産」「スウィング生産」などの実現が必要で、「売れる地域で売れる車種を生産する」ことでラインの稼働率を平準化し、従来固定費と考えられてきた勘定科目も変動させる工夫が必要なのだ。経理では単に固定費の勘定科目と考え、例えば固定費と考えられてきた人件費を削減するためリストラを計画しているのであろう。

【前回は】日産存立の危機 ゴーン問題は表面上のこと、真の問題は業界に深く進行 (1)

 しかし、現在考えられる世界の市場動向に合わせてリストラを行っても、市場は常に動いているため車種と市場のニーズがすぐに変動する。その変動に対する対応策が伴わないと、結局リストラに成功できず、一時期の成果で終わってしまうのだ。

 また、「品質保証」問題において、「マニュアル整備と社員教育」を主体として、「不良を次工程に持ち込まない」などの施策が大切と語っている日産の専門家がいた。しかしその前提には、「不良を出さない」との社員の前向きの意識がなければならない。それは実現に苦労するところで、マニュアルなどの整備や教育だけでは「わずかにカスル」だけに終わってしまうのだ。

 つまり、豊田章男トヨタ社長が提唱する「もっといいクルマをつくろうよ」は、意味深い言葉である。社員の意識が基礎であるのだ。こうした取り組みは、10年はかかると見なければならない。日産とホンダが心配だ。

■責任は、経営陣の未来につなげる「方針」にある
 そして経営者の方針が、今後の自動車産業の動向にマッチしていることが勝負となる。トヨタ・豊田章男社長の「サービス業に転換」との方針が正しいとは限らず、運命を分けることとなるだろう。

 現在、自動車産業の経営者にはなりたくないと、本気で思ってしまうほど難しい状態だ。この背景には、グーグルなどソフト関係の市場規模の、全産業に占める割合の急増があり、「ソフト産業」に変換しなければならないためだ。

 ただし、製造業が必要なくなることはありえない。必ず、人間とソフトのインターフェースは製造であるからだ。ソフトの役割が増大して、規模の比率が製造に対して高くなるだけだ。だから、トヨタもソフト産業に力を入れて「業種転換」を果そうとしている。

財経新聞

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