7月の倒産件数は953件、年間で1万件超えのペースが続く

2024年8月9日(金)9時22分 財経新聞

 東京商工リサーチが7月の「全国企業倒産」や「負債1,000万円未満倒産」の状況を発表。コロナ対策が終了したことで、小規模な企業や零細企業を中心に今後も高いペースで倒産件数が増える可能性があることが分かった。

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■倒産件数が年間1万件超えのペース
 8日、東京商工リサーチが7月の「全国企業倒産」を発表した。7月の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は、前年同月比25.7%増の953件となり、28カ月連続で前年同月を上回った。1月から7月までの累計倒産件数は5,884件で、年間倒産件数は1万件超えのペースとなっている。

 また7月の負債総額は同約4.8倍の7,812億600万円となった。負債総額が5,000億円超えとなったのは2023年9月(6,919億4,200万円)以来。

 負債総額が膨らんだのは、航空機開発製造のMSJ資産管理(負債額:6,413億円、以下同じ)の大型倒産があったため。この他の主な倒産企業として、飲食店経営のアサヒフードクリエイト(89億9,700万円)、自動車販売や不動産経営のALV(70億円)、リゾート施設運営のACAO SPA & RESORT(63億円)、金融関連業の大日本交通事業(58億円)がある。

 今後もコスト増や資金繰りの負担が続くことで、中小企業を中心として秋以降に企業倒産が増える懸念があると記している。

■産業別倒産件数は8産業で前年同月上回る
 産業別の倒産件数は、10産業中8産業で前年同月を上回った。倒産件数が最も多かったのは、サービス業他の310件(前年同月比:18.32%増、以下同じ)。次いで建設業が194件(31.08%増)、製造業が116件(43.20%増)、小売業が109件(37.97%増)、卸売業が102件(32.46%増)で、ここまでが倒産件数100件超え。

 以下は運輸業が44件(前年同数)、不動産業が29件(26.08%増)、情報通信業が37件(12.12%増)、農・林・漁・鉱業が11件(22.22%増)、金融・保険業が1件(50.00%減)だった。

 地区別では前年と同数の関東以外の9地区で前年同月を上回った。都道府県別で最も倒産件数が多かったのは東京都の140件。次いで大阪府の134件、愛知県の69件、福岡県の55件、兵庫県の51件など。反対に最も倒産件数が少なかったのは秋田県、佐賀県、宮崎県の各2件、次いで福井県、鳥取県、高知県が各3件となっている。

■負債1,000万円未満の倒産は前年同月比2.4倍
 同日、東京商工リサーチが7月の「負債1,000万円未満」の倒産状況を発表した。7月の負債1,000万円未満の倒産件数は65件で、前年同月(27件)比約2.4倍となった。単月の倒産件数が60件を超えたのは2020年7月の83件以来のこと。また1月〜7月の累計倒産件数は326件で、前年同期(271件)比20.3%増となっている。

 産業別で最も倒産件数が多かったのはサービス業他の30件(前年同月比:2.5倍)。次いで建設業が10件(同5倍)だった。資本金別では1,000万円未満が60件で、全体の92.3%を占めている。

 コロナ禍で行われていた関連支援策が終了しつつあるところに、人件費や原材料費などのコスト増が加わり、小規模企業や零細企業にさらに厳しい状況が訪れている。

財経新聞

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