五輪は無関係「建設ラッシュ」本当の理由

8月11日(土)11時15分 プレジデント社

写真=iStock.com/yongyuan

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■建設ラッシュが続く本当の理由


近年、地価の上昇や新築マンション価格の高騰などから「不動産市場はバブルか」といわれることがある。しかし不動産価格が上昇しているのは、東京都なら千代田区、港区、中央区、新宿区、渋谷区など都市部の一部にすぎない。それ以外のエリアはやや上昇か変わらないのが基調で、下落しているところもあり、全国的にバブルとはいえない状況だ。




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また、2020年の東京五輪までは建設ラッシュで好調を維持し、その後暴落するという説も実は根拠が見当たらない。そもそも五輪前後で不動産市場を含めた景気動向が大きく上下するのは、国の経済規模や成熟度による。経済が未成熟な新興国で五輪後に財政が落ち込むことがあっても、米国やオーストラリアなどの先進国では、大きな影響はなかった。ロンドン五輪の際もロンドン中心部の不動産価格は上昇したが、英国政府は「五輪は不動産にそれほど影響を与えなかった」と報告している。


そもそも現在の首都圏の建設ラッシュは、五輪とは関係ないものが多い。08年のリーマンショックによって建設職員が激減し、それから人手不足と工期遅延が続いているのだ。ゼネコンからは「23年まで仕事が埋まっている」との声を聞くこともあり、五輪後も建設ラッシュは続くに違いない。



それより不動産市場にインパクトを与えるのは、19年10月に予定されている消費増税だろう。14年4月に実施された5%から8%への増税時、景気と不動産市場が冷え込んだが、8%から10%への増税時は一層冷え込むという見方もある。そうなればデベロッパーは不動産の価格を下げざるをえず、近い将来では消費増税後がいちばんの買い時となるだろう。逆に売るのであれば、消費増税前がいいということだ。




14年、マンションの発売総額は約3兆5825億円。前年比18.5%減の落ち込みだった。

近年、低金利が続いているが、もし現金を潤沢に持っているのであれば、金利が上がってから買うことを勧めたい。金利が上がれば借りられる額が下がるため、不動産取得能力が減退して、不動産価格も下がる。日銀の黒田東彦総裁が再任したことで、低金利政策はまだ続くだろう。だが今後、政権交代が起きて政策が変わるようなときは、買い時のひとつの目安になるかもしれない。


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長嶋 修(ながしま・おさむ)

不動産コンサルタント。1967年、東京都生まれ。業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所」創業者・会長。マイホーム購入・不動産投資など不動産購入ノウハウの提供や、業界・政策への提言を行う。

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(さくら事務所 創業者会長 長嶋 修 構成=山田由佳 写真=iStock.com)

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