伝説の外資系トップ営業が 強烈に惚れ込んだ 「帝国ホテル大阪」3つのサービス

8月17日(金)6時0分 ダイヤモンドオンライン

洗面所の椅子カバーに込められた意味とは?

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プルデンシャル生命2000人中1位の成績をおさめ「伝説のトップ営業」と呼ばれる川田修氏が、あらゆる仕事に通ずる「リピート」と「紹介」を生む法則を解き明かし、発売たちまち重版が決まった話題の新刊『だから、また行きたくなる。』。


この記事では、本書のキーメッセージであり、選ばれるサービスの条件「レベル11」を徹底的に実践する帝国ホテル大阪の「すごいサービス」3つを特別掲載する。(構成:今野良介)


(1)想像を超えたポーターの「気遣い」


大阪で講演があったとき、私は初めて帝国ホテル大阪に泊まりました。帝国ホテルは日本を代表する高級ホテルです。ホテルオークラ、ニューオータニとともに「御三家」と呼ばれることもあります。


「超一流ホテルのサービスって、どういうものなんだろう?」。営業という仕事は、究極の接客業でありサービス業だと考えている私には、非常に興味がありました。


ホテルに到着すると、エントランスは季節の花で彩られていました。ドアマンをはじめ、すべてのスタッフが気持ちの良い挨拶で出迎えてくれます。チェックインを終えると、ポーターさんが荷物を持って部屋まで案内してくれました。落ち着いたデザインの室内も、やはり洗練された雰囲気が漂っています。


「さすがだなあ」と感心しながら部屋を眺めていたのですが、ふと鏡を見て「まずい!」と焦りました。新幹線に乗ってきたので、ズボンがシワクチャになっていたのです。こんな格好では、講演に出られません。


そこで、荷物を置いてくれたポーターさんに「ズボンプレッサーを貸していただけますか?」とお願いしました。しばらくして、チャイムが鳴りました。ポーターさんがズボンプレッサーを持ってきてくれたのでしょう。私はドアを開けました。


すると、そのポーターさんは、なんと、ドアの前で、靴を脱いで部屋に入ってきたのです。最初に部屋を案内してくれたときは、靴を脱いではいませんでした。


案内が終わって部屋を出た瞬間から、部屋は「お客さまのための空間」である、ということなのでしょう。だから、お客さまの空間には、土足で入らない。


ものすごい心がけです。チェックインしてから10分も経たないうちに、私の心は大きく惹かれてしまいました。これが帝国ホテル大阪の「先味」でした。私の期待感は、さらに大きく膨らみます。


(※「先味」「中味」「後味」とは、『だから、また行きたくなる。』で定義している、お客さまの「リピート」や「紹介」を生むための法則です。次のページで詳しく解説します。)


(2)洗面台の椅子に見えた「想像力」


しばらく部屋ですごしてから、手を洗うために洗面所に向かいました。そこには椅子が置いてあります。でも、普通の椅子ではありませんでした。椅子の座面に、タオル地のカバーがかけられていたのです。



部屋を見渡してみると、ほかの椅子にはカバーがかけられていません。「どうして洗面台の椅子にだけ、カバーがかけられているんだろう?」と考えてみると、謎が解けてきました。


洗面台で椅子を使うのは、主にどんなときでしょうか。それは、お風呂上がりなんです。

つまり、裸のこともあるのです。


誰かが裸で座った椅子に、抵抗感を持つ人もいるかもしれません。清掃しているとわかっていても、気にする人もいるでしょう。そして、革張りの椅子に直接座ると、ひんやり冷たく感じるものです。でもタオル地のカバーがかけてあれば、バスタオルを巻いて座るのと同じ感触を得られます。そこを想像しているのです。


その夜、風呂上がりに椅子に座ってみました。素肌に触れるタオル地の感触がとても気持ちいい。お客さまへの徹底した心遣い。これが帝国ホテル大阪の「中味」でした。


(3)相手から見えない「お辞儀」


翌朝、チェックアウトして講演に向かうために部屋を出ました。廊下を歩いていると、ひとりの女性スタッフが、ほかのお客さまの部屋から出てくる姿が見えました。何かの用事で呼ばれたのでしょう。


「失礼いたします」。そう言って、彼女はそのお客さまにお辞儀をして部屋を出ました。私が惹かれたのは、そのあとでした。


ドアが閉まったあとに、もう一度、深々とお辞儀をしたのです。当然、お辞儀をしている姿はお客さまには見えません。それでも、ずっとお辞儀を続けていたのです。


私も、お辞儀には少々こだわりがあります。子どもの頃、父の会社に行くことがたびたびありました。父は従業員10名くらいの、決してきれいとは言えない小さな工場を経営していました。そこに出入りするお客さまに対して、父はいつも深くて長いお辞儀をしていました。小さい頃の私は、その姿を見るたびに嫌な気持ちになっていました。


「かっこ悪いなぁ……。なんで親父は、いつもあんなにペコペコしているんだろう。俺は絶対にあんな大人にはならないぞ!」


でも、そのかっこ悪いお辞儀のおかげで、私は大学まで出させてもらい、社会人になり現在に至っているのです。今では、当時の父の気持ちがよくわかります。父は、ペコペコしていたわけではありませんでした。数多くある取引先の中から選んでいただき、ご縁をいただいていること。それによって社員や家族の生活が成り立っていることに、感謝していたのです。小さい頃の私は、そんなこともわからないでいました。


だから今は、私も、深くて長いお辞儀をするように心がけています。お客さまをお見送りしたあとは、エレベーターが閉まるまで、深々と頭を下げ続けるようにしています。



けれども、このホテルのスタッフは、ドアが閉まったあとに、再度、お辞儀をしていました。私は、その姿に深い感銘を受けました。これが私にとっての、帝国ホテル大阪の「後味」でした。


この女性スタッフの深くて長いお辞儀は、当然、私に向けられたものではありません。私は遠くから見ていただけです。だからこそ、より強く印象に残ったのです。


お客さまが「観ている」のは、自分と直に接するスタッフだけではありません。お客さまは、そのお店や会社の、あらゆるスタッフを無意識に観察し、そのうえで、信頼できるかどうかを判断しているのです。帝国ホテル大阪は、すべてのスタッフが、お客さまに対する礼を尽くしていました。


さて、ここまで、私が感動した帝国ホテル大阪のサービスを、3つに分けてご紹介しました。3つに分けたことには意味があります。お客さまに選ばれ続けるサービスには、3つ、心を動かされる場面があるのです。





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