レンジローバーの末弟・イヴォークがSUV全盛でも際立つ訳

8月17日(土)7時0分 NEWSポストセブン

レンジローバーのコンパクトSUV「イヴォーク」

写真を拡大

“砂漠のロールス・ロイス”と呼ばれ、プレミアムSUVのはしりとして日本でも人気の高い「レンジローバー」。そのコンパクトモデル「イヴォーク」がフルモデルチェンジされ、日本発売が始まっている。SUV全盛期のいま、2代目イヴォークの実力やいかに? モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏がレポートする。


 * * *

 新しい「レンジローバー イヴォーク」の日本での発売が6月よりスタートしました(ジャガーランドローバー・ジャパン)。イヴォークはレンジローバー・ファミリーの末弟となりますが、販売面では大黒柱と言っていいほどの存在です。


 2011年に初代モデルが登場するやいなや、世界中で大ヒットを記録します。210以上の国際的な賞を受賞し、80万台以上が販売されました。プレミアムSUVとしては、文句なしの大ヒットです。


 日本においても販売後すぐに最も数多く売れるモデルとなり、2012〜2015年にかけて日本で販売されたランドローバー・ブランドの半数以上がイヴォークになるほど。一時は、世界で販売されるすべてのランドローバー車のうち3台に1台がイヴォークのときもあったとか。


◆イヴォークがヒットした単純な理由


 イヴォークがヒットした理由は簡単です。格好よかったから。ベースとなったのは、2008年に発表されたコンセプトカー「LRX」です。その4年後に登場した量産型のイヴォークのルックスは、LRXそのままと言っていいものでした。SUVなのにクーペのようなスタイリッシュさ。実際に3ドア・モデルも用意されていました。最近は、クーペっぽいSUVも珍しくありませんが、イヴォークはその先駆け的な存在だったのです。


 また、ヒットには、もうひとつの理由があります。それは価格です。日本で2011年に発売開始された時の価格は450万円から。ちなみに当時の「レンジローバー ヴォーグ」の価格は1200万円から。「レンジローバー スポーツ」でも760万円から。格下となる「ランドローバー ディスカバリー4」でも676万円でした。つまり、レンジローバーとしては、もっともお手頃価格だったのです。格好良くて、しかも安い。これで売れないほうがおかしいというものです。


◆洗練されて磨きあがった格好よさ


 では、新しい2代目のイヴォークはどうか。実物を前に、格好よさに文句をつける人は、ほとんどいないはず。


「Reductionism(還元主義)」というコンセプトを掲げた新型のデザインは、シンプルでありながらも洗練されています。一見すると、旧型のイメージそのままですが、ディティールがまったく違います。ボディの99%は、新設計されているとか。インテリアもリフレッシュされ、質感も非常に高いものになっています。1000万円以上する他のレンジローバーと比べても遜色ないほどです。


 中身も一新されており、プラットフォームもプラグインハイブリッド化を見据えた新世代のものを採用。悪路走行性能も向上しており、レンジローバーのこだわりである渡河性能は旧型よりも+100mmの600mmとしています。つまり60cmまでの深さの水であれば渡れてしまうというのです。


 また、自動ブレーキを含む先進運転支援システムもしっかりと搭載しています。さらに、前輪の下を映像でモニターに映し出す「クリアサイト・グランドビュー」を世界初採用。悪路で路面を確認しながら走れるという驚きの機能です。


 そんな新型の価格は461万円から。エンジンは、2リッターのガソリンとディーゼル。ガソリン・エンジン車は、200馬力、249馬力、300馬力の3バリエーション。300馬力はマイルドハイブリッド化されています。


◆まるでセダンのようなキビキビとした走り


 筆者が試乗したのは300馬力のガソリン・エンジン車です。車幅が1905mmもありますから、狭い道では、ちょっと注意が必要でしょう。ただし、全長は4380mmしかありませんので、Cセグメントのハッチバックと同等。つまり、トヨタの「カローラ・スポーツ」と長さが変わらないのに、幅が15cmほども大きいのです。だからワイドで格好よいとも言えます。


 実際に走らせたフィーリングは、目線の位置が高いものの、動きがほとんど乗用車と変わりません。ピッチングやロールといった動きは少なく、ハッチバック車と同じ感覚です。静粛性もプレミアムカーらしい高レベルなもの。それに300馬力もありますから、キビキビとスポーティに走らせることもできます。見た目の印象を裏切らない、若々しい走りでした。


 格好のよさは文句なし。舗装路の走りはスポーティ。もちろん悪路も安心。それでいて、価格はレンジローバーとしてはお手頃──これだけの条件が揃っているので、2代目モデルもヒットは間違いないことでしょう。


 ちなみに、初代モデルは納期が非常に長くなっていました。このモデルもそうなる可能性がありますので、気になる人は大急ぎでディーラーに問い合わせてみることをお勧めします。

NEWSポストセブン

「SUV」をもっと詳しく

「SUV」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ