決算で裏付けされる自動車各社の現実 (1/2) 利益を圧迫するCASEで増える開発費

8月20日(火)7時32分 財経新聞

(c) 123rf

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 自動車大手の2019年4〜6月期連結決算が出そろったが、それは苦悩に満ちたものだった。連結純利益が7社のうち5社、前年同期比で減少していた。インドや中国、東南アジアなどで市況が悪化し、売上高が減少したのが主原因と見られている。しかし、単純にそれだけではないようだ。

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 トヨタ自動車とSUBARUの2社以外の5社は、純利益で日産自動車が94%減、マツダが75%減、ホンダも29%減と、大幅減益となった。トヨタとSUBARUの増益については、いずれも北米でSUVやピックアップトラックといった大型車の好調によるものと専門家は分析しているが、そこが問題だ。

 参考になるのは、トヨタの下請け各社の様子だ。デンソーは営業益が2ケタの減少となっているのは、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)など開発投資が増加して減益となっているからだ。これらの分野の進歩はますます過激になってくるものと言えるため、自動車業界の減益体質は長く続くかもしれない。

 そのため景気の動向により減益幅が左右されるものと言えるが、この開発費が膨らむ体質の企業が減益体質となったと言える。つまり、大手のトヨタの下請けが、最先端の技術開発投資により疲弊する体質と言える。

 その中で、大手7社のうちトヨタとスバルが好調で、「北米市場において大型SUVで成功しているため」と分析されているが、こうした専門家による分析が合っているとは思えない。確かに表面上の数値から見ればその通りなのだが、企業体質としての強さを見せている2社の秘訣は以下の通りだろう。

 (1)スバルが北米で好調なわけは、「LOVEキャンペーン」の底力が大きい。そのため「値引き販売の必要性がない」ため利益率を確保できている。品質不良のスキャンダルにも強い、その販売方法を各社も学ぶべきだ。つまり、このネットの時代に「オーナーの口コミ組織が果たす役割」だ。

 (2)トヨタにおいては、TNGAの正しさが表れている。TNGAは非常にオーソドックスな手法である。不良を極力抑え、世界各地の生産拠点同士の平準化を進めている。つまり、「混流生産」「順序生産」を実現するように努力している。

 車種統合を進めて、共通部品の使用を拡大し、かなりの車種を生産上は同一機種として扱ってくる。其々の部品生産を製品企画段階からサプライヤーの参加を求め、サプライチェーンを構築している。こうした企業体質が、不況の時こそ高利益体質を確保する手段である。

財経新聞

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