ベンツBクラスがイメチェン ライバルが古臭く見えるほど進化

8月24日(土)7時0分 NEWSポストセブン

メルセデス・ベンツ新型「Bクラス」

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 メルセデス・ベンツのコンパクトモデルである「Bクラス」がフルモデルチェンジとなり、新型モデルが6月より発売されている。新しくなったBクラスはどのようなクルマで、そもそもBクラスの存在意義はどこにあるのか──。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が試乗レポートする。


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 メルセデス・ベンツの乗用車系ラインナップは、小さいほうから大きいほうに向けて、「Aクラス」「Bクラス」「Cクラス」「Eクラス」「Sクラス」とあります。もともとは、比較的コンパクトなCクラス、ミドルセダンのEクラス、そしてフラッグシップのSクラスというラインナップがあり、後になってAクラスとBクラスが追加されました。


 ちなみにAクラスは、欧州車でいえばフォルクスワーゲンの「ゴルフ」、日本車でいえば最新のトヨタ「カローラ・スポーツ」というサイズ感です。ただし、プレミアム性はまったく違い、もちろんAクラスの方が断然高額になっています。


 今回、紹介するBクラスは、2005年にAクラスの派生モデルとして誕生しました。そのため、サイズ感はAクラスとBクラスでほとんど変わりません。では何が違うかといえば、背の高さです。Bクラスは背が高い分、室内が広々としているのです。


 つまり、メルセデス・ベンツのエントリーモデルであるAクラスを、より実用的にしたのがBクラスでした。


 Bクラスのメインターゲットは、ずばりヤング・ファミリー層で、この狙いがヒットします。それを見たライバルであるBMWも、2014年に同じコンセプトとなる「2シリーズ」を販売。メルセデス・ベンツとBMWという2大プレミアムブランドがモデルを用意したことで、このジャンルはすっかり定着したと言っていいでしょう。


◆MBUXにクールなルックスが特徴


 そんなプレミアム・コンパクトの実用モデルであるBクラスが新しくなりました。今度のモデルは第三世代です。中身は、昨年秋に日本でも発売されたばかりの新型Aクラスと同じ。話題は、新開発された対話型インフォテインメントシステムMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)を搭載したことです。


 これは「エクスペリエンス(体験)」と名のつく通り、斬新なものです。メーターは完全なるモニター状になり、「ハイ! メルセデス」と声をかければ、スマート・スピーカーやスマートフォンのように、対話形式で操作ができるようになります。BMWも同じような機能を搭載し始めていますが、Bクラスのライバルである2シリーズは未搭載。ここで、大きな差がついています。


 ちなみに「スマートフォンではずいぶん前から可能なことが、なんでクルマでは今さらなの?」という疑問には理由があります。それは「クルマの置かれる環境が厳しすぎるから」です。


 クルマの車内は最高で100度近い灼熱から、マイナス数十度という厳しい温度環境になります。さらに振動も大きいし、ホコリや湿気も相当にひどいため、普通のスマートフォンやパソコンではすぐに壊れてしまいます。さらに、そうした機能を搭載するのが、あまり高額になっても困るので、なかなか実現しませんでした。そういう意味で、コストに余裕のあるメルセデス・ベンツやBMWから採用がスタートしたと言っていいでしょう。


 そして新型Bクラスのもうひとつの特徴がデザインです。「Sensual Purity(官能的純粋性)」というメルセデス・ベンツのデザイン思想からBクラスは生まれました。いちいち能書きは理解しなくても、そのカッコよさやスポーティさは一見すれば分かるでしょう。


 従来からあるBクラスは、どこか所帯じみたというか、実用性が強く感じられるものでしたが、新型はまったく違う印象です。あまり背の高さも感じさせませんし、これでBクラスのイメージはガラリと変わりました。


 それは室内も同じです。暗いトンネルを走ると、ドアやダッシュボードなど煌々とLEDのアンビエントライトが光ってびっくり。ファミリーではなく、恋人同士で乗りたい雰囲気のクルマです。


◆キビキビしたスポーティな走り


 走りの味付けも、基本はスポーティなものでした。エンジンは1.4リッターという小排気量ですが、ターボと7速DSGの組み合わせで、キビキビと走ります。スペックは最高出力100kW(136馬力)・最大トルク200Nmという数値のため、いちいちエンジン回転数が、それなりに高くまで回るので、個人的には少々せわしなく感じるところもありました。ただし、そうした出力特性は、スイッチで「スポーツ」「コンフォート」「エコ」と変えることができます。エレガントに走りたいときは、「エコ」を選択することをお勧めします。


 走りは若々しいものでしたが、パッケージングは実用的なもの。室内は広く、後席も荷室も広く使えます。さらに着座姿勢が立ちぎみで視界が広く、クルマが小さく感じます。運転に自信のない人でも、Bクラスなら不安も少ないことでしょう。実用性の高さというBクラス伝統の魅力はきっちりと継承されています。


 さらに自動ブレーキを含む先進運転支援システムは最先端で、最上級のSクラスと同等。しかも、価格は384万円からスタート。メルセデス・ベンツとしては手ごろ感があります。


 まとめてみれば、新型Bクラスは、その存在意義の根幹となる実用性の良さはそのままに、若々しくて格好良いデザインと、飛び道具のようなMBUX、最先端の安全装備が満載。ライバルとなるBMW2シリーズが古臭く見えるほど、大きな進化を遂げています。実用性の高いプレミアム・コンパクトが欲しいのであれば、最優先の候補は新型Bクラスということになるでしょう。

NEWSポストセブン

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