運転データの分析が家族で話し合うきっかけに、「テレマティクス自動車保険」ってどんな保険?

8月25日(日)15時0分 MONEYzine

 自動運転をはじめとしてクルマをめぐる新たな動きが注目を集めているが、高齢ドライバーの事故やあおり運転などに不安を感じる人も多い。新しい自動車保険を発表しているあいおいニッセイ同和損保に「保険」の視点から自動車と社会の変化について聞いた。


■運転時のデータを保険に活用


——自動車の世界が、EV、自動運転、MaaSなどテクノロジーを活用して変化していく中で、自動車保険も大きく変わりつつあります。今日は、新しい自動車保険を提供しているあいおいニッセイ同和損保のおふたりにいろいろお話をうかがいたいと思います。


土居崎:私たちの部署、テレマティクス・モビリティサービス事業開発部は、自動車保険の中でも「テレマティクス自動車保険(以下、テレマティクス保険)」など、発展著しいモビリティサービスに向けた新しい商品やサービスを開発しています。


土居崎 寿滋(どいさき・ひさしげ)氏
あいおいニッセイ同和損保 テレマティクス・モビリティサービス事業開発部長


 「テレマティクス(Telematics)」とは、通信(Telecommunication)と情報科学(Informatics)を組み合わせた言葉で、具体的には、自動車などに通信システムを搭載し、そこから取得できるデータを活用して情報サービスを提供することを指します。


 あいおいニッセイ同和損保は、2015年にテレマティクス保険を扱う英国Insure The Boxグループの持株会社Box Innovation Groupを買収しました。自動車の発展に合わせた保険への取り組みは、私たちがそれ以前からずっと取り組んできたことではありますが、この買収によって、さらに大きく一歩踏み出すことになりました。


梅田:私は自動車保険部のテレマティクス開発グループで、実際に自動車保険の商品を作る立場にあるのですが、現在では走行データなど、いろいろなデータをクルマから取得することができます。インターネットへの接続が可能な「コネクテッドカー(connected car)」では、クルマから自動的にデータが飛んできますし、ドライブレコーダーやセンサーを装着することでもデータを取得することが可能です。


梅田 傑(うめだ・まさる)氏
あいおいニッセイ同和損保 自動車保険部 テレマティクス開発グループ長


 スピードとか、アクセル、ブレーキ、ハンドルなどの操作、それらに関するデータをもとに、安全運転をしているのか、乱暴な運転をしているのかを把握することができる。そのうえで、安全運転の人には保険料をお安くしたり、乱暴な運転をしている人には、逆に「ここを注意すれば安全運転になりますよ」ということをアドバイスして改善していく。テレマティクス保険というのは、そういったサービスを提供する保険になっています。


——テレマティクス保険が、それ以前の自動車保険といちばん異なるのはどんなところでしょう。


梅田:従来、日本の自動車保険には等級制度というものがあります。毎年事故がなければ、翌年に1等級ずつ等級が良くなって保険料が安くなっていく。上限の20等級になると、60%以上保険料が安くなります。


 ただし、この制度は「事故が○年間ない人」という集団ごとにリスクを設定しており、統計や確率論でいうところの「大数の法則」に基づいた制度となっています。実はその集団の中にも、たまたま現在は20等級だけれど、実は危ない運転をしていて、いつ事故を起こしてもおかしくない人と、本当に安全運転でまったく事故を起こす気配のない人がいます。つまり、その集団の中でも個人差があるのです。


 運転する一人ひとりの安全運転に基づいた料率設定、一人ひとりの細かいリスクを設定することができれば、より精密な保険料やリスクの設定ができます。したがって、テレマティクス保険では、何万人分もの走行データを解析して、安全運転と事故を起こさないことの関係性を測定するノウハウをいかに獲得するかが非常に重要なのです。


土居崎:テレマティクスが出てくる以前、保険会社はどういう人が事故を起こさないのかを探るために、年齢や住所、クルマの利用目的、過去に事故を起こしたことがあるかといった情報をもとにリスクをレベル分けしていました。これは「リスク細分型保険」と呼ばれるものです。現在は走行データなどから、どういう運転をしているのかを直接的に知ることができます。より運転している個人に合った保険が提供できるようになっているのです。


井浦 薫(編集部)[著]、慎 芝賢[写]


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