経営不振に陥った下請け工場の 「大逆転戦略」とは?

8月28日(火)6時0分 ダイヤモンドオンライン

静岡県富士市にある小さな企業相談所が、いま日本中の中小企業から注目を集めています。「富士市産業支援センター(通称f-Biz/エフビズ)」の支援を受けた多くの会社が、次々と新たな商品やサービスを開発し、目覚ましい成功を収めているのです。経営不振の町工場から、ほとんど仕事のない個人事業主まで、見事に蘇っていくのです。

その秘密は、f-Bizセンター長・小出宗昭さんの独自の戦略にあります。その戦略とは何か?このたび、ダイヤモンド社から『御社の「売り」を見つけなさい!』を上梓した小出さんが、豊富な実例を示しながら、企業再生のポイントをわかりやすく解説していきます。


「そんなことは当たり前だと思って仕事をしていた」


 金属試作品等の製造・加工を行う「株式会社司技研」(富士市)の中川一政社長(現・会長)は悩んでいました。「売上が伸び悩み、先行きの見通しがまったく立たない」ということでした。


 悲観し、厳しい状況を滔々と話す中川社長ではあったのですが、技術面について話を伺ったところ、別人かと見間違えるほど表情がパッと明るくなったのがわかりました。


 同社では、最新鋭の設備を備え、高い設計技術を持つ技術者も多数抱えていたことで、他社には真似できない技術力で細かな部品加工を短時間で完成させることを可能としていたのです。


 同社の機械と技術力を用いれば、本来は鋳型を作らなければできない複雑な形状のものも、削ることで製作できるため、大幅に時短でき、コストダウンにもつながるといいます。


 また、厳しい状況下、頼まれた仕事はどのようなものでも引き受けるようにしていたそうです。急ぎだと言われれば電話注文から3日で納品しているということもわかりました。しかも、それが1個からでも受注可能だというのです。


 これには本当に驚きました。しかし、何よりの驚きは、誰の目にも「強み」だと認知できるこの技術力やシステムが、「そんなことは当たり前だと思って仕事をしていました」と、社長をはじめ同社の皆さんにはわかっていなかったということです。


 下請けに甘んじているより、この高度な技術力を活かして展開していくべきです。


 そこで、「高度で精緻な技術・短期納品・たった1個からでも加工受注可能」という、この驚異的な強みを大きくアピールするために、まずは、中川社長自身に自社の強みに気付いてもらうように説明しました。


 クリーニング店の特急サービスなどを例示し、「スピーディでフレキシブルに対応できるというのはとても価値があることで、求めるお客さんはたくさんいると考えられます」と述べました。


 こうして、「試作特急サービス3DAY」というネーミングで新サービスを展開。既存取引先のみならず、新規取引先獲得を図りました。


 実際に行ったのは、簡単なチラシ作りや、ホームページで告知をするなどの営業活動です。お金をかけずに今すぐにチャレンジできることだったため同社のヤル気にさらに火をつけました。


 その結果、新規取引先が3ヵ月で50社もでき、このサービスを糸口にさまざまな受注が舞い込むようになりました。大手自動車メーカーからの電気自動車用試作部品の大量受注にもつながりました。





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