ファミマ澤田貴司社長「セブンペイ問題、明日は我が身です」

8月29日(木)16時0分 NEWSポストセブン

ファミリーマートの澤田貴司・社長

写真を拡大

 コンビニエンスストア業界は、今まさに「曲がり角」を迎えている。大手3社の一角、ファミリーマートは状況をどう受け止めているのか。伊藤忠商事からユニクロに転じ、その後は経営支援会社立ち上げを経て、ファミリーマートのトップに──そんな異色の経歴を持つ澤田貴司・社長(62)に訊いた。


──ファミリーマートが“選ばれるコンビニ”になっていくための条件は?


澤田:一番大事なのは、社員がチャレンジし続ける社風をずっと維持していくこと。加盟店の皆様のご理解を得たうえで、お客様が喜ぶ商品やサービスを自由に発想して仕掛けていく。もちろん成功も失敗もあるでしょうけど、チャレンジを楽しめる企業風土を作っていくことが僕の大きな仕事です。


 具体的な例を挙げると、2017年に発売した「黒幕引き丼」。これは、長年ファミリーマートの経営を牽引してこられた上田準二さん(元社長、会長)の退任記念に、「引退に引っ掛けた弁当を何か考えよう」と現場に指示して実現した商品です。これがものすごくヒットしましたね。


 また、テレビCMでお馴染みになった「ファミチキ先輩」も一例です。現場が楽しんでアイデアを出していくことが大切だと思っています。


──セブン&アイHD傘下にはセブン銀行があり、ローソンも昨秋、ローソン銀行をスタートさせました。ファミリーマートは現状、銀行は持っていませんが、今後は?


澤田:銀行の貸し出しや運用の収益モデルが揺らいでいる昨今、銀行というとても規制が強い業界に、現時点では参入するつもりはありません。あくまでも考え方の違いだと思っています。


 何が正解なのかは将来、歴史が証明していく話で、ひょっとしたらファミリーマートの判断が間違っていたということになるかもしれないし、その逆だってあるかもしれない。僕らは現状は他社と同じ道は行かないという判断をしたわけですが、時代とともに変化していく可能性はあります。


──セブン-イレブンではスマホ決済サービス「セブンペイ」に不正利用が相次ぎ、終了に追い込まれました。ファミリーマートも同じくスマホ決済サービス「ファミペイ」を同日にスタートさせた。


澤田:キャッシュレスへの流れは、今後間違いなく強まっていくと思います。だからできる限りの手を打つのは当然です。


 我々も「ファミペイ」の立ち上げにはもの凄く苦労しましたので、セブンペイの問題は決して他人事ではありません。明日は我が身と考えている。今後もセキュリティについては最善を尽くしていきたい。


──最後に、澤田さんが最も大事にしている経営哲学とは?


澤田:とにかく自分が納得できるところまでやるということ。自分が納得できなくて中途半端な気持ちでやっていたら、それは全社員に伝わってしまいますから。


 とにかく今は加盟店の皆様とともに成長していくために、目の前にあることに必死に取り組んでいきたい。


【PROFILE】さわだ・たかし/1957年、石川県生まれ。上智大学理工学部卒業後、1981年に伊藤忠商事入社。1997年、ファーストリテイリング入社。同社副社長を務めた後、2002年に退社。2005年に経営支援会社リヴァンプを設立。2016年9月、ファミリーマート社長に就任。2019年5月、ユニー・ファミリーマートホールディングス社長に就任。


●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、18年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。


※週刊ポスト2019年9月6日号

NEWSポストセブン

「セブンペイ」をもっと詳しく

「セブンペイ」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ