冷凍食品の歴史は99年、1994年のコロッケはあまりに画期的

8月29日(木)7時0分 NEWSポストセブン

ニチレイが開発した長距離冷凍貨物車「はやぶさ」(写真/ニチレイフーズ)

写真を拡大

 日本における冷凍食品の歴史は、日本人のライフスタイルの変遷と重なり合う。その出発点は99年前にさかのぼる。1920(大正9)年、葛原商会(現・ニチレイフーズ)が日産10トンの水産物を凍結する能力を持つ冷蔵庫を北海道森町に建設したのが、日本の冷凍事業の始まりとされる。日本冷凍食品協会の広報部長・三浦佳子氏は、冷凍食品の発展についてこう語る。


「1960年代に冷凍庫付き冷蔵庫が家庭に普及しだし、スーパーに冷凍食品売場も設置され始めました。現在の百花繚乱とも言える冷凍食品文化は、1980〜1990年代の家庭用電子レンジの普及と各食品会社の努力を抜きには語れません。女性の社会進出が進んだ時期と重なり、新タイプの商品が次々と開発されました」


 最もエポックメイキングになった商品は、1994年発売の電子レンジ対応コロッケという。


「それまで油で揚げていた冷凍コロッケがレンジでサクサクに出来上がる画期的な商品で、需要の構造を変えました。各社が追随し、お弁当用レンジ製品が一気に広まりました」(三浦氏)


 2000年代に入ると、ヒット商品が相次ぐ中、個食スタイルの冷凍食品も増えていった。冷凍食品ジャーナリストの山本純子氏は消費者の“買い場”も多様化が進んでいると指摘する。


「コンビニやドラッグストアなど買い場は増加しています。弁当需要は横ばいですが、少子高齢化の流れの中、シニア向け、夕食向けに各社が注力しています。つまみ用など男性向けも増加。最近は健康に配慮した商品も相次いでいます」


 三浦氏も山本氏も「冷凍食品の利点は“手抜き”ではなく“手間抜き”」と声を揃える。


 餃子一つとっても、油なしから始まり、水なし、フタなしと調理法がより手間いらずに進化。フライパンに置いて焼くだけで見事な羽根付き餃子が完成する商品も登場している。


 冷凍食品は時短、保存の時代から、食感や香り、美味しさを追求する時代に突入した。アサリ蒸し、豚の角煮、小あじの南蛮漬けなど料理の種類も多彩化。冷凍食品だけでも“贅沢な食卓”が作れる。消費税率が引き上げられる10月以降、冷凍食品の需要はますます拡大するだろう。


※週刊ポスト2019年9月6日号

NEWSポストセブン

「冷凍食品」をもっと詳しく

「冷凍食品」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ