星野リゾート「マイクロツーリズム」で見る経済の基本 (2) 「平準化」を振興せよ

9月2日(水)11時52分 財経新聞

 ここで疑問が湧く。「マイクロツーリズム(国内小旅行)」を振興してコロナ禍の前の状態に戻せるのであれば、なぜ「観光立国」などを目指したのか?「観光公害」を起こしてまで外国人を誘致する意味は何なのか?

【前回は】星野リゾート「マイクロツーリズム」で見る経済の基本 (1) 車販売台数正常化への道

 日本人の幸せのための経済政策でならなければ意味はないのであり、日本人が休暇を楽しむ政策が本道であろう。そもそも、日本人の平均給与が実質下がり続けている現状をどう解釈するのか。日本国内での経済振興策を考えるのなら、給与水準を上げる努力こそ優先されなければ意味はない。

 ホンダ、日産、スバル、マツダなどグローバル企業であろうとすることは存続の基本であるが、日本経済、特に日本人の雇用に資するのでなければ、企業が存続しても意味がない。トヨタが300万台の日本国内生産を死守しているのは、日本の雇用を守るためだ。コマツ製作所も地方に本社を置くなど、日本経済に資することを優先させている。

 星野リゾートの、存亡をかけて目の前の課題に取り組んでいく姿勢を評価して応援したい。そして、日本政府の経済政策を日本国民の視点に戻さねばならない。それにはまず出来ることをすべきで、星野リゾートの星野社長が以前より主張している「平準化によるコスト削減、キャッシュフローのカイゼン」を目指し、日本人の休暇が自由に取れる政策を推し進めることだ。

 GoToキャンペーンよりも優先してこれを進めると、予算ははるかに少なくて、「平準化」により観光業のムダを省けることとなる。

 「平準化」を目標すべきで、それは現在のコロナ禍の危機感の中でしか到底出来ないことだろう。まず、日本のサラリーマンの多くが休暇を捨てている状態である「有給休暇取得」の、実質的な自由度を大きくする政策をすぐに取るべきである。

 すると、クルマによる旅行も平日のために渋滞が集中することもなく、東京に住んでいてもクルマの実用性が上がる。そうすれば、SUVやステーションワゴンなど欧米では人気の、旅行するに便利な車種の販売が伸びる効果が出るはずだ。

 現在、平日の日本中の家々の車庫には、駐車したままのマイカーが多く置かれている。そのクルマの一部でもいいから、平日により使われる施策をしたなら、経済効果は確実に上がるはずだ。星野社長の「平準化」の意見を取り入れて、休みの自由度を上げ、平日の渋滞のない時に気軽にクルマで小旅行を出来るようにするチャンスである。

 「平準化」は採算分岐点を下げ、資金効率を上げる。それがトヨタの強さであり、日本の自動車販売や観光業の救世主にもなりえるのだ。

財経新聞

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