中国ファーウェイ問題を「米国の立場」から見てみるべき理由

9月4日(水)6時0分 ダイヤモンドオンライン

Photo:Photographer is my life./gettyimages

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中国商務省は9月2日、米国の追加関税措置に対し、世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表しました。米中の対立はエスカレートする一方。日本企業のビジネスにもさまざまな面で影響が及びそうですが、その中でも気になるのは、通信設備大手ファーウェイに対するさまざまな制裁的措置です。次世代通信の重要企業と目されていた同社を巡る近年の動向は、米中対立の基本的論点を知る上でも重要です。(経営共創基盤取締役マネージングディレクター 塩野 誠)


どの国の立場で見るかで 

対立の風景は変わってくる


 米商務省は8月中旬、中国のファーウェイ(華為技術)に対し、関連法人46社を新たに米国輸出管理規則(EAR)に基づく事実上の禁輸措置リスト(エンティティリスト)で指定したと発表しました。商務省産業安全保障局(BIS)が管轄するエンティティリストは、そこに入れられた企業に対して製品を販売・供給する場合、許可を必要とするものです。実質的には許可されることは難しく、事実上の禁輸措置となっています。2019年5月にリスト入りして以来、ファーウェイは米国製の半導体などの調達が難しくなりました。


 そしてファーウェイが米国政府から直接制裁を受けたのはこれが初めてではありません。18年8月にも国防権限法(NDAA)により、米国政府および政府機関と取引関係を持つサプライヤーが、社内システムでのファーウェイ製品の利用を禁じられていました。ファーウェイは通信設備メーカーとして、世界シェア約30%を占めるトップ企業です。次世代通信ネットワークである5Gの構築ではフィンランドのノキア、スウェーデンのエリクソンと共に主要プレーヤーです。ファーウェイの設備は安価、軽量で評判が良く、5G時代には世界各国で高いシェアを獲得するとみられていました。


 このファーウェイへの米国の経済制裁問題は、国によって、そしてビジネスと安全保障のどちらに身を置いているかで、見ている「風景」が異なってきます。本稿では米国の視点を軸に、この問題の風景を把握したいと思います。


 米国はデジタルテクノロジー、サイバー空間で主導権を喪失するかもしれないという不安を抱えています。米国には今後のデジタルテクノロジーの根幹を担う、5Gの設備全体を提供できる企業がありません。ノキア、エリクソン、ファーウェイと市場シェアを分け合えるような米国企業が存在しないのです。以前はルーセントテクノロジーズやノーテルネットワークスがありましたが、合併されたり清算されたりしています。





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