株価が大好きな、サプライズの一考察

9月10日(火)17時21分 財経新聞

 株価はサプライズが大好き。「業績の上方修正」などもその一つ。例えば札幌本社で東証・札証に上場するCEホールディングス(以下CEHD)。9月期決算の同社は4月22日と7月31日の2度にわたり今期計画の上方修正を行った。

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 正直、初耳の企業だった。2度目の上方修正を知り、調べてみたくなった。何故なら4月22日の終値に対し、2回目の修正後の翌日には1297円(年初来高値)まで56%余り値上がりしていたからである。

 決算短信を確認すると、前期末時点の今期計画は「売上高100億円、営業利益5億8000万円、最終益3億3000万円」に対し、現時点の通期計画は「110億円(上方修正率10%)、7億5000万円(29%)、4億円(21%)」。この限りでもサプライズを覚えた。

 が、注目したのは2018年9月期の着地が「16.5%増収、222.1%営業増益、178.6%最終増益」という点。14年9月期の7億2300万円をピークに営業利益は1億円台前半から半ばに終始してきたのが、突如として前期から急回復過程に転じていることだった。

 CEHDの事業の柱は、傘下のシーエスアイの中規模医療機関向け「電子カルテシステム(MI・RA・Js)事業」。7月の上方修正時には「需要の伸長に、消費税増税前の駆け込みも加わり」としたが、医療関連に詳しいアナリストの大方の見方は「回復・拡充に向けた種蒔き努力が実を結び始めた」が支配的だった。どんなシステムか。

 病院に診察で訪れると、当該患者の過去のカルテは大方の場合、「(医師の)手書き」のものが「ファイルケース」に収められている。対してCEHDの電子カルテは、こんな代物。実際に導入している札幌道都病院の矢嶋知己副院長の話に接する機会を得た。こんな風に語っていた。

 「うちは急性期医療を軸にした病院。例えば数日前に来院した患者が数日後の夜間に救急車で運ばれてくるケースも少なくない。前の来院時のカルテが手書きでその時の担当医が保管していたりしていると、即座に目を通すことができない事態もある。対して電子カルテなら情報の蓄積化・共有化が可能。文字通り急性期医療には不可欠」。

 主軸が着実に商圏を築き上げてきているのに加え、アナリストは「新たなビジネスチャンスが芽生えている」とした。

 よく大病院の外来は「待ち時間3時間、診療時間3分」などと揶揄される。だがこれに止まらない。会計を済ませ処方箋を受け取るまでに相当の時間がかかる。体験された読者諸氏も少なくないのではないか。対してCDHD傘下のシステム情報パートナーがグローリーと共同開発したのが「料金後払いシステム」。こんな枠組みの商品。

*PCやスマホを介してシステムを導入している病院のQRコードから「後払い申請画面」にアクセスし、診察券番号・クレジットカード情報・メルアドを登録すると利用可能(英語・中国語・韓国語の対応も可)。

*患者は会計をせずに「クレジット払い」で病院を離れることができる。

*病院側は患者管理・会計業務の効率化が可能になる。

 既に1日約5000人の外来患者が訪れる順天堂大学病院などで「経営効率化」策として導入が始まっているという。

 サプライズが提供された時、とくと当該企業を調べておくのも株式投資の対象探しに有意義だと考える。

財経新聞

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