ゴーン被告とケリー被告の不始末が波及する不条理か、日産西川社長辞任へ! (2-1)

9月12日(木)7時34分 財経新聞

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 日産自動車は9日に開催した記者会見で、1週間後の16日付で西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が辞任することを発表した。指名委員会が後任者を決定する10月末までの暫定期間は、山内康裕最高執行責任者(COO)が代行する。

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 西川社長が辞任を迫られた理由の一つが、株価連動型の報酬制度「ストック・アプリシエーション権」(SAR)であると伝えられている。

 SARは自社の株価が上昇した場合に、上昇分を現金で支給することで、取締役等の意欲を高めることが目的とされている。3年6月に開催された株主総会で、役員報酬の一つとして導入が認められていた。

 「日産の役員報酬は低い」ことを口癖にしていたゴーン被告が、導入を望んだものとされている。株主総会では上限額が決定されたものの、個別の役員への配分については取締役に諮る決議事項ではなく、ゴーン被告に一任されていた。

 ゴーン被告が問われている有価証券報告書虚偽記載の罪は、ゴーン被告に支払われた11年3月期以降4年分のSAR受領権約40億円分が、当該報告書に記載されていなかったことだ。

 11年3月期の有価証券報告書には1億円以上の報酬がある役員7名のうち、西川氏を含む6名については2800万〜4200万円のSAR受領権が記載されているのに対して、ゴーン被告のSAR受領権は当該期及びそれ以降も0円と記載されていた。

 ゴーン被告のSARが記載されていないことについては、「記載すべき」と指摘した日産関係者に、ゴーン被告とケリー被告が共に「必要ない」と拒否していたことが報じられていた。

 配分がゴーン被告に一任され、有価証券報告書に肝心のゴーン被告分の記載がなければ、ゴーン被告とケリー被告を除いてはSAR運用の全体像を把握できる者はいなくなる。他の6名には単年度で2800万円〜4200万円のSARを配分して、自分は平均で年間10億円のSARを受け取っていた。やりたい放題だったのだ。

 ゴーン被告とケリー被告以外に知るものがいなかったのだから、SARの運用はケリー被告がやっていたことになる。株価の値動きは激しい。何かの要因で大きく下げた翌日に思わぬ上昇をすることも珍しくない。日産の代表取締役でありながら「何を担当していたのか分からない」と言われるケリー被告にとって、SARの運用結果を最大化することは、ゴーン被告から求められた数少ない任務だっただろう。

 株価が下落した確定行使日に決済してゴーン被告の不興を買うよりは、数日間の様子を見ながら成り行きの価格で行使する程度の知恵は誰にでも回る。忖度と表現する以前に、忠誠心をゴーン被告に示す絶好の機会だった。

 取締役毎に行使日を変えるような手間は掛けないだろう。ゴーン被告以下該当者全員の行使日が、同一日付だったと考えるのが自然だ。

 行使日の変更には会社の許可が必要だという内規があっても、ケリー被告は代表取締役である。社内の規定を数日間裁量したとしても、疑問を口にできる職員がいたとは思えない。そもそも、そんな規定の存在を認識していた職員がいたかどうかも疑問だ(2-2に続く)。

財経新聞

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