世界が認めた詩人・和合亮一、東日本大震災で被災しながら言葉を紡いだ代表作『詩の礫』を中心としたアンソロジー詩集が、アメリカの翻訳賞に日本の詩人で史上2人目の最終候補にノミネート!

2024年9月13日(金)10時46分 PR TIMES

日本時間の9月13日(金)ノミネート

詩集『詩の礫』がフランスに続き、アメリカ文壇からも注目!

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株式会社徳間書店(東京・品川区、代表取締役:小宮英行)の好評既刊、詩人・和合亮一氏の詩集『詩の礫』『詩の礫 起承転転』『言葉に何ができるのか』『未来タル』所収の作品などを中心に編まれた翻訳アンソロジー『WAGO RYOICHI / SINCE FUKUSHIMA』が、9月12日(アメリカ現地時間)にアメリカ文学翻訳者協会による選考の「ルシアン・ストライクアジア翻訳賞」の最終候補にノミネートされました。

和合亮一・著(いずれも徳間書店)

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『詩の礫』
定価:1,540円(税込)
判型/ページ数:四六判/264ページ
発刊年:2011年6月
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『詩の礫 起承転転』
定価:1,540円(税込)
判型/ページ数:四六判/280ページ
発刊年:2013年3月
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『言葉に何ができるのか』
定価:1,650円(税込)
判型/ページ数:四六判/256ページ
発刊年:2012年3月
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『未来タル』
定価:2,420円(税込)
判型/ページ数:四六判/224ページ
発刊年:2021年3月
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ルシアン・ストライクアジア翻訳賞について


 ルシアン・ストライクアジア翻訳賞は、アメリカ文学翻訳者協会で選考される翻訳賞の一つであり、アメリカの詩人、禅文学の翻訳者であるルシアン・ストライク(Lucien Stryk, 1924-2013)の名にちなんでいる。ストライクは、禅文学の翻訳に加え、芭蕉をはじめ俳句や高橋新吉の翻訳者としても知られている。本賞の応募条件として、禅の経典や禅に関わる詩の翻訳に加え、現代作品の翻訳、重要な古典や旧作の初翻訳または初回翻訳作品であること、前年度に刊行され、出版地は問わないが、中国語、ヒンディー語、日本語、カンナダ語、韓国語、サンスクリット語、タミル語、タイ語、ベトナム語から英語に翻訳された作品であること。翻訳については、原文の文学的重要性に加え、原文の文学的芸術性を再創造した翻訳の完成度が選定要件となる。
 本賞は2010年から始まり、近年の受賞作には、唐代の国外避難者の詩集、韓国の女性現代詩人の作品の翻訳、9世紀のタミル文学の翻訳等がある。日本語から英語に翻訳された作品の受賞は、2016年の中保佐和子氏(日系人・アメリカ在住)翻訳によるモダニズムの女性詩人佐川ちか(1911〜1936)の翻訳全詩集のみである。
 受賞の発表は10月26日・27日にヴィスコン州のミルウォーキーで開催されるアメリカ文学翻訳者協会の年次大会のメインレセプションの会場にて、行われる。

ノミネートの理由


「WAGO RYOICHI / SINCE FUKUSHIMA」(VAGAVOND PRESS)は、2024年の最終候補に選出されている。本著は、日本を代表する現代詩人和合亮一氏の東日本大震災直後から2021年までの作品の翻訳選詩集である。和合作品は東日本大震災、津波、福島第一原子力発電所事故によって荒廃した環境、動物、人間の関係性に焦点が当てられており、高度な詩的技巧に加え、日本文学の伝統を踏まえた新しい詩の創造に資するものである。翻訳者として、和合作品を日本の環境詩として捉え海外の方に広く知っていただきたいと考えた。共訳者のハレスキ氏は、詩人、翻訳者、そして日本文学特に松尾芭蕉、能、舞踏の研究者である。つまり、アメリカ文学研究者と日本文学研究者による共訳であった。

アンソロジー詩集『WAGO RYOICHI / SINCE FUKUSHIMA』内容


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 本書には、詩集『詩の礫』(徳間書店・2011)、『言葉に何ができるのか』(佐野眞一氏との共著、同・2012年)、『詩の礫 起承転転』(同・2013)、『未来タル』(同・2021)のほか、『詩の邂逅』(朝日出版社・2011)、『ふたたびの春に』(祥伝社・2012)、現代詩集『廃炉詩篇」(思潮社・2013)、『続和合亮一詩集』(思潮社・2018)、『QQQ』(思潮社・2019)、『transit』(ナナロク社・2021)などの翻訳作品が収められている。
 巻末にはアメリカを代表する詩人のブレンダ・ヒルマン氏との対談が掲載されている。この対談は2019年1月3日、カリフォルニア州バークレーのヒルマン宅で収録。和合、ヒルマン、共訳者ハレスキと高橋との4者で行われた。日米を代表する環境詩人和合亮一とブレンダ・ヒルマンとの対談では、次の2つの論点がある。まず、福島第一原子力発電所の環境汚染とその後の作品について、次に詩人そして詩が環境汚染や社会正義といかに関わるか、である。対談では、和合氏は詩が人々の心を動かしえることの重要性を述べ、ヒルマン氏は政治、社会的正義運動に詩を寄り添わせることを述べた。

和合亮一氏からのコメント


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 フランスからの受賞に引き続き、今回のアメリカでの新詩集の翻訳賞のノミネートにつきまして、大変にありがたく思っております。東日本大震災後の十数年に書いた『詩の礫』から始まる一連の詩が1冊に集められたアンソロジー詩集です。シュールレアリスムの手法から、平易な言葉でありのままに歳月を綴ったものまで、様々な書き方の詩がおさめられています。作品に共通するのは震災後の福島の季節の風景です。言葉と共にその背中にある福島人の様々な想いや祈りを、海外のみなさんに詩という文学を通して受け止めていただきたいと願っております。

〈詩人・原文作者〉
和合亮一(わごうりょういち)
1968年福島県生まれ。詩人。中原中也賞、晩翠賞、萩原朔太郎賞、みんゆう県民大賞、NHK東北文化賞など受賞。2011年、東日本大震災直後の福島からTwitterで連作詩『詩の礫』を発表し続け、同年5月、世界三大コンサートホールであるオランダのコンセルヘボウに招致、朗読にて福島の想いを発信した。2017年7月、詩集「詩の礫」がフランスにて翻訳・出版され、第一回ニュンク・レビュー・ポエトリー賞を受賞。フランスでの詩集賞の受賞は日本文壇史上初となり、国内外で大きな話題を集めた。

〈翻訳者〉
ジュディ・ハレスキ (Judy Halebsky)
1974年カナダ、ノヴァスコシア生まれ。ドミニカン大学カリフォルニア校教授、同大学のMFAクリエイティブライティングプログラム主事。カリフォルニア州オークランド在住。主な著書に、『春と千年』(Spring and a Thousand Years (Unabridged) , 2020), 『ツリーライン』(Tree Line, 2014), 『空=無』(Sky=Empty, 2010)でthe New Issue Prizeを受賞。

高橋綾子(たかはし あやこ)
1970年生まれ。兵庫県立大学教授。著書に『アンビエンス—人新世の環境詩学』(思潮社、2022)、『ゲーリー・スナイダーを読む——場所・神話・生態』(思潮社、2018)。編訳書に『現代アメリカ女性詩集』(小川聡子との共訳、思潮社、2012)等がある。クリタ・水環境科学研究優秀賞受賞(公益財団法人クリタ水・環境科学振興財団、2010)。国際文化表現学会賞(国際文化表現学会、2020年)。

〈対談者〉
ブレンダ・ヒルマン(Brenda Hillman)
1951年、アメリカ、アリゾナ州生まれ。カリフォルニア州バークレー在住。聖メリーカリフォルニア大学教授。カリフォルニアベイエリアの文学コミュニティで活発な創作活動および社会運動を行う。カリフォルニアの風景、自然、生物、そして環境正義、人権侵害の問題など詠う詩が特徴。『カスカディア』(Cascadia、2001)、『実用的な水』(Practical Water, 2009)はロサンゼルスタイムズ図書賞を受賞。

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