「頭の悪い人」が会議でしている愚かな行動・ワースト1
2024年9月15日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン
SNS、チャット、メール……現代は、史上だれも経験したことのない「言葉の洪水」に襲われている。あなたも毎日、ペーパーワークに何時間奪われているだろうか? そこで、ビジネスパーソンに「簡潔化」の作法を指南する本が誕生、世界でベストセラーとなっている。全米25万部を超えた他、世界16か国以上で刊行の話題作『Simple 「簡潔さ」は最強の戦略である』より、内容の一部を特別公開します。
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会議の時間を短縮せよ
会議の時間を短縮し、スマートさと簡潔さを極めれば、チームの文化とパフォーマンスを変えることができる。あなたは他者の時間を尊重する人物として、さらには有意義な発言をする人物として一目置かれることになるだろう。
▶最初の一歩は、会議の効果的な進め方を学ぶことだ。4人に3人は良質な会議を行う訓練を受けたことがない。あまりにも多くの会議がひどい内容なのも無理はない。
▶誰もがあなたと同じである──ビジネスパーソンの90パーセントは会議中にぼーっとすることがあり、72パーセントは別の仕事をすることがあるという。
▶ここで紹介する原則を用いて、決まったやり方を確立し、明確な方向性を定め、よりよい成果を得ることを目指そう。
会議開始前——そもそもその会議は必要か?
通常、会議の成否は始まる前から決まっている。
▶ばかばかしく聞こえるかもしれないが、まずは本当に会議が必要なのか考えよう。プライバシーに言及する場合や、容赦のない率直な発言が避けられない場合は、1 on 1で話すほうがいいかもしれない。
▶会議の招集者は「目的」と「議題」を設定し、事前に出席メンバーにメールで伝える(目的は単刀直入な1文、議題は箇条書きで3件まで)。
▶これはできれば前日の夕方までに行う。会議当日は予定が詰まっている出席者がいるかもしれない。前日の夕方までに知らせれば、考える時間をたっぷり与えることができる。
▶ジェフ・ベゾスは、これを極端な方法で行うことで有名だ。彼は会議中のパワーポイントは理解を促すどころか、むしろ誤解を生むとして信頼していない。「かわりに、私たちはナラティブ(叙述)形式で書かれた6ページの長文メモを用意しています」と株主への手紙のなかで述べている。「各会議のはじめに、いわば『自習時間』のようなかたちでそれを黙読するのです」
▶事前のメールは、シンプルな文が6つもあれば十分!
▶できれば、決めるべきことや、取るべき行動の概要を示しておく。
会議中——「終わりの時間」を決めておく
①制限時間を設ける:通常、会議はうまく行えば20分で十分だ。しかし多くの人は会議の内容を問わず、自動的に30分以上に設定する。職場でそんな文化を一新すれば、異彩を放つにちがいない。
▶スラック社の方式はスマートだ。会議は25分か50分のどちらかと決まっている。そのため、立て続けに予定が入っていても、次のアポに遅れることはない。コーヒーを飲むことだってできるかもしれない。
▶ミニ会議(5〜10分)を試してみよう。必要以上に長く会議をせよという法律もなければ、筋の通った根拠もない。
②「タイトル」から始める:「タイトル」とは、事前のメールに記載した、会議の目的を伝える1文だ。冒頭で会議の主な目的をはっきりと伝えるのだ。何を解決し、話し合うのか?
③次に、「なぜそれが重要か?」を説明する:誰もが忙しく、会議をはしごして頭を素早く切り替えなければならない。多忙ななか、なぜその会議に時間を割く必要があるのか、理由を知らせること。
④具体的にどのような決定が必要なのか明確に述べる:会議の最後には、「結論」としてこの点に戻る。
⑤集中力と効率を保つため、流れをリードする:ピアプレッシャー(仲間からの圧力)を健全に利用するのだ。誰かが議題から逸れたら、「脱線している!」と言って笑顔でさえぎろう。ジェスチャーをまじえ、手を大きく左右に振るなどすればユーモアが加わり、雰囲気が和らぐ。
⑥全員の参加を促す:もっとも寡黙な人がもっとも賢明な発言をすることはよくある。寡黙な人にも発言を促そう。誰しも意見を求められるのはうれしいものだ。
⑦残り2分になったら、議論を終わりにする:結論をまとめ、実行に移すべきことを明確にする。「業務時間内にメールで議事録を送る」と伝える。
会議終了後——メールでフォローする
会議の記憶が新しいうちに、確認事項を箇条書きにしたメールを出席者に送ろう。
このようなメールは、出席者から追加的なアイデアを引き出すことがある。場合によっては、次の会議をせずにすむかもしれない。
残念な行動:会議中に個人的な話をする
雑談をしたり、冗談を言い合ったりするのは、会議に早めにやってきたときのご褒美だ(世間話が苦手な人には罰になるが)。
開始時間になってもあなたがランチや週末の予定について話しつづけていたら、集まってくれた出席者に、「この会議はあまり重要ではない」というメッセージを送ることになってしまう。
▶出席者が多すぎる会議、議題が多すぎる会議、時間が長すぎる会議。同僚たちはおそらく、そんな会議を企画した犯人に何も言わない。しかし、みんなうんざりしている。そしていつまでも犯人を忘れないだろう。
正しい会議——「時間厳守」がいい会議をつくる
定刻に始める文化をつくろう。
2001年にジョージ・W・ブッシュ大統領がホワイトハウスの主となった最初の週、補佐官として絶大な影響力を誇っていたカール・ローヴが、大統領執務室での会議に遅刻した。大統領は別の補佐官に扉の鍵を閉めるよう命じた。以降、ローヴは2度と遅刻しなかった。
▶出席者に、時間厳守で集まってくれたことを感謝して会議を始めよう(ドアの鍵を閉めるまでするかはあなたしだいだが)。これによってあなたは、秩序を重んじるスタンスを明示して会議を運営できる。
▶責任の所在を明確にする。誰が何に責任をもち、いつまでに行う必要があるのかを明らかにして会議を終える。
(本原稿は、『Simple 「簡潔さ」は最強の戦略である』からの抜粋です)