トヨタ・スズキ資本提携 より「得」をするのはどちらか

9月16日(月)21時0分 J-CASTニュース

資本提携を決めたトヨタ・豊田章男氏とスズキ・鈴木修氏

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トヨタ自動車とスズキが合意した「資本提携」。トヨタは960億円(4.94%)をスズキに出資し、スズキは480億円(0.2%)を出資して相互に株式を持ち合う。業界内外で「仲間づくり」を加速させるトヨタと、次世代技術の開発力を強化したいスズキの思惑が一致した形だ。

スズキのライバルであるダイハツを傘下に抱えるにも関わらず、決断に踏み切ったトヨタ。今後の関係構築の行方は——。



一見するとスズキ「有利」だが...



「せっかちな質問だ。これからゆっくり考える」。両社が業務提携を発表した2016年10月の会見で、スズキの鈴木修会長は記者から資本提携の可能性を問われ、言葉を濁しながら含みを持たせた。当時から両社が資本提携に進むのは既定路線だと見られていた。


両社は業務提携以降、少しずつ関係を深化。スズキが強みを持つインド市場で完成車を相互に供給することや、トヨタがスズキにハイブリッド技術を供給すること、スズキ車をトヨタのアフリカ市場向けに供給することなど、新たな協業を着々と進めてきた。この間に積み上げた実績を基に、鈴木会長が2019年5月、トヨタの豊田章男社長に資本提携を申し入れた。鈴木会長は2020年90歳を迎え、スズキも創立100周年という大きな節目の年になる。長男・俊宏氏に社長の座を譲って4年。鈴木会長がスズキの生き残りをかけて対策を急ぎ、トヨタとの資本提携を決断したというのがもっぱらの見方だ。


これまでの協業の中身を詳細に見ると、現時点ではトヨタがスズキを支援する色合いが濃く、トヨタにとってのメリットは薄いように見える。トヨタとしては、スズキの強みである軽自動車で協力を得たいが、その分野で協業を進めれば、同じく軽自動車が主力のダイハツとバッティングするうえ、下手をすると独占禁止法にも抵触しかねない。業界関係者は「軽自動車分野は手を出しにくいのではないか」と分析する。



インド進出への足掛かりに



では、トヨタの目的は何か。一つは「仲間づくり」だ。豊田社長は自動車大変革時代に対応するため、「自動車メーカーからモビリティカンパニーへの変身」を掲げており、近年は陣営拡大に余念がない。既にダイハツの完全子会社化や日野の連結子会社化、スバル・マツダとの資本提携を実現させた。今回のスズキとの資本提携により、「トヨタグループ」の日本車メーカーは6社に増えることになる。


だが、それ以上にトヨタにとって魅力的なのは、スズキが強みを持つインド市場攻略の足場ができることだろう。インドは将来的に中国を凌いで世界最大の自動車市場になると見込まれている。世界の自動車メーカーが次々と現地に進出し、競争が激化。各メーカーがスズキの牙城を崩そうと苦心する中、そのスズキとの協業はトヨタにとって大きなプラスになるはずだ。


スズキの申し入れで実現した両社の資本提携。関係深化の先にあるのは何か。「最後に大きな果実を得るのはトヨタではないか」という声も関係者から聞こえてくる。

J-CASTニュース

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