ゴルフインストラクターと「本質を見抜く力」

9月17日(日)11時0分 Forbes JAPAN

前回は、私がレッドベターから学んだ「ゴルフスイングの本質を見抜く」ということに関してお話しさせていただきました。

少し触れておきますと、レッドベターの偉大な点、他のゴルフインストラクターと異なる最も優れている特徴は、目に見える表面的な問題、例えば、「左ひじが引ける」「体がスウェイしてしまう」「トップする」などといった問題を、「左ひじが引けないように」「スウェイしないように」「トップしないように」などと「問題点が出ないように意識してスイングする」というような表面的な修正をするのではなく、根本的な原因を探り出し、その点を修正することで、結果的に問題点を改善していくという手法にあるという事でした。

今回は、「本質を見抜くために必要な要素」についてお話しさせていただきます。

皆さんご存知のようにゴルフに限らず何事においてもそうですが、何かを修正・改善して結果を出すためには、
・問題把握
・修正・改善
この両方を正しく行う必要があります。

何が主要な問題かを判断し、それを修正する方法を熟知している必要があるという事です。

部下が育たない理由

これを読んでいる方は、会社のリーダー、CEO、あるいは管理職の方が多いでしょうから、「部下が自分の思うように仕事が出来るようにならない」「どうしたら上手く仕事が出来るようになり、自分の片腕として働けるようになるのか?」と思われたこともあるでしょう。

部下が思ったように育たないのは、
・能力の問題なのか?
・精神的な部分の問題なのか?
・職場やそれ以外の環境、人間関係が問題なのか?
・上司である自分の問題なのか?
他の点も含め、色々な要素を考慮した上で、まずは問題点の原因を特定します。そしてそれに基づいて最も効果的な対策を考えて、実際にそれに沿った活動をしてもらうというのが基本的な方法でしょう。

その際、問題を正しく把握できない、あるいはどのように指導したら良い部下となるのか分からない状態では、その時の気分によってミスを責めたり、上手くできないことをもっと「こうしろ!」という指示を出したりと、感情的な指導になってしまいます。

自分で全てやろうとせず、専門家に意見をもらうことが、一番効果的な方法でしょう。

ゴルフスイングの修正・改善も全く同じなのです。

スイングとはどうあるべき物なのか?を正しく理解していることが、スイングを上手く修正するための絶対条件となります。

・ゴルフはクラブという道具を使ってボールを飛ばすスポーツですから、クラブの動きがどうあるべきなのか?
・クラブの動きとボール飛球の関係性
・安定して良いショットを打つために、道具としてどのようなクラブを使うべきか?
・クラブを動かす人間の体や脚、腕、肘、手首などの動きがどうあるべきか?
・身体的な構造や特性によってスイング(自分の動きとクラブの動き)にどう影響が出るのか?
・心理状態がどのような影響を与えるか?

など、スイングに関連する要素を全て把握している必要があります。そして、様々な問題およびそれらの効果的な修正方法も熟知していなくてはなりません。

一般のゴルファーから見たら、このような事を知っているのがゴルフインストラクターとして当然だと思うでしょう。私もこの世界に入る前は漠然とそのような思いを持っていました。

しかしながら、日本だけに限りませんが、ゴルフのレッスンの世界には、まだまだ時代遅れな感覚的手法が多くはびこっています。


体系的に学ぶ重要性

例えばツアープロは、プレーをすれば、当然良いスコアであがり、ナイスショットを打ち、上手くプレーが出来ます。

しかし人にはうまく教えられないものです。

なぜかと言えば、すごく良いプレーができるのは、自分の経験のなせる技であり、なぜ上手くプレーできるのか、何が良い要因なのか?悪くなる要因は何なのか?などを把握できていないことが多いのです。仮にそれらを把握できていたとしても、それは自分個人のスイングのことであり、他人のスイングのことではなのです。

トッププロともなれば、もちろん自分のスイングのことはある程度把握していますが、他人のスイングを上手く修正する知識はほとんど持っていないのです。

これは、教えるための専門的な勉強をしていないのですから当然と言えば当然ですが。

そして、これを読まれている皆さんには信じられないかもしれませんが、一般的なゴルフインストラクターも、ゴルフスイングを体系的に、そしてレッスンという事に関してきちんと学んでいないものなのです。

なぜかと言えば、学ぶ場がないからです。

日本にもティーチングプロの資格がありますが、私の知る限りでは、日本でどのような資格を取得しても、
・スイングはどういう仕組みになっているのか?
・クラブはどういう位置にあるべきで、それがズレてしまう要因は何か?
・体や腕の位置はどうあるべきで、そのズレはなぜ発生するのか?
・スイング(クラブ、体、腕や手首、肘など体のパーツ全て)のズレのパターンや例および、その修正、矯正方法
などに関して、理論的、体系的に十分に勉強できていないことがほとんどです。

ゴルフのスイングは100人いれば100通りの動きがあると言われています。

上記したような、スイングやクラブの動きに加えてフィジカル、メンタルなどに関する基本概念を正しく理解したうえで、個人個人異なるスイングの特徴を把握し、何が根本的な問題で、どう修正すれば本質的に安定して打てるようになるのか?

そういった事例を何百例も見て、勉強しなくてはなりませんが、そういうシステムが資格を取るカリキュラムに設定されていないことがほとんどなのです。

ですからきちんと勉強をしてレッスンをしたいと考える人は、アメリカに学びに行くことを考えるのです。

次回は、最先端のレッスン事情から、「本質を見抜く」ことに関してお話ししましょう。

石田 昭啓の「私がレッドベターから学んだこと」
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