ゆずりはの新拠点「ながれる」 2024年12月東京都江東区に開設

2024年9月18日(水)18時16分 PR TIMES

一時避難とコミュニティスペースの機能を備えた“半開き”のシェルター

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140213/2/140213-2-b1e5a9b4ff3f18df89f71b17f46a4baf-1999x1999.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
社会福祉法人子供の家 ゆずりは(東京都国分寺市、所長:高橋亜美)は、2024年12月、団体で2つ目となる拠点「ながれる」を東京都江東区に開設します。「ながれる」は、これまでの拠点にはなかった一時避難(シェルター)の機能を有し、「今日、帰る場所がない」という緊急度の高いSOSに応えます。また、従来の多くのシェルターのように、安全のために相談者と社会を完全に断絶するのではなく、地域の方々と安心してつながれるコミュニティスペースを備えた、“半開き”のシェルターを目指します。福祉の世界に閉じず、地域、他業種の方とも交わりあいながら、相談者の「安心」を育みます。

支援と被支援の関係を越え、「安心」をともに育む
ゆずりはは、2011年、児童養護施設などの「社会的養護」を巣立った子どもたちを対象とした相談所として運営をスタートしました。社会的養護を経験した子どもたちの多くは、深刻な虐待や貧困の中で心に傷を抱えており、施設を巣立った後も、家族を頼ることができません。立ち止まることのできない人生の中で、虐待のフラッシュバックが起きたり、生活資金を手に入れるために危険な環境に身を置いたりするケースも後を絶ちません。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140213/2/140213-2-bd609e259d2de71b1780579e0c9d8dfc-1999x949.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]家族を頼ることができない若者たちが直面する課題の例
ゆずりはでは、相談者の困りごとにひとつひとつ向き合い、行政手続きのサポートや通院同行、専門機関へのつなぎなどのサポートを届けてきました。社会的養護の経験の有無に関わらず、性的虐待や教育虐待など、外から見えづらい苦しみの中で生きてきた若者からも多くのSOSが届きました。現在では、年間のべ6万件を超える相談に対応しています。


長年の活動の中で大切にしてきたのは、支援と被支援の関係を越え、「安心」をともに育むということです。福祉の枠組みでは、相談者が「自立」することが一つのゴールと考えられています。しかし、相談者が心に負った深い傷は簡単に癒えるものではなく、「自立」へと駆り立てられる中で新たな苦しみを抱える若者も少なくありません。私たちは、多くの若者との出会いの中で、「自立」を迫るのではなく、相談者が「ただ、ここにいてもいいんだ」「生きていてもいいんだ」と思えるような「安心」を育むことこそが、明日を生きる力につながることを実感してきました。


また、感情労働の面を持つ対人支援の現場において、支援者が一方的に「安心」を提供し続けることはとても困難なことです。相談者にとっても、やがて社会に戻り生きていく上で、さまざまな人と接点の中で「安心」を育む経験が必要です。      


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140213/2/140213-2-6ceaa435a5b7f77a9ef56a77e39a6f99-1500x1999.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]ジャムづくりを通じた働く場の創出
福祉の新たな選択肢としての“半開き”のシェルター
DVなどを理由に帰る場所がない人は、公的なシェルターにつなぐのが一般的な対応とされています。しかし、避難を必要としている人の数に対してシェルターでの受け入れ可能数が不足しており、経済的DVや精神的DVなど明確な身体への危害が認められない場合は入居できないケースも多々あります。また、DV加害者やストーカー等から被害者を守る観点から、被害者の携帯電話や所持金を没収し、外出を禁止するなど厳しいルールが敷かれている施設も多いのが現状です。こうした現状から、シェルターを忌避し、DVの環境下に戻ったり、生活費を手に入れるために危険な環境に身を置いたりする人も後を絶ちません。
このような背景を踏まえ、このたび設立予定の「ながれる」は、施設の個室に閉じこもらず、他者や街の気配を感じながら心地よく過ごせることをコンセプトの中心に据えています。身の安全確保を最優先する既存のシェルターも当然必要ですが、サポートを必要とする人のバックグラウンドが多様であるからこそ、“半開き”のシェルターが多様な選択肢のひとつとなることを目指します。

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140213/2/140213-2-6ceb363d6492aa0c6b583f8d53cd7a6f-1920x1080.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
新拠点「ながれる」概要
「ながれる」は、さまざまな理由で今日帰る場所がなく避難が必要な人を一時宿泊で受け入れる機能を有します。加えて、避難してきた人が専門スタッフに相談したりゆっくりとくつろいだりできる事務エリア、街に開かれさまざまな人と交流できる“半開き”のエリアを備え、地域とのつながりと安心を生み出します。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140213/2/140213-2-8ba0558f3e94ae549c4e1a1f781475e1-1999x1056.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ](イラスト:塩川いづみ)
●施設名
ながれる
●施設機能
シェルター(最大2名宿泊)/相談・事務スペース/コミュニティ(半開き)スペース
●場所
東京都江東区富岡1-12-2
●WEBページ
https://nagareru.acyuzuriha.com
●開設までのスケジュール
 2024年9月 内装工事開始
 2024年12月 オープン(予定)

施設のコンセプトブック:
https://drive.google.com/file/d/1CK_eBppEb2TrZLD2ReSrcFte_pC9vFr8/view?usp=sharing

※「ながれる」の由来
傷を負った人が心と体を癒せる場所ではありつつも、留まることなく、次の場所、次の人生のステージに漕ぎだしていける場所でありたいと願いを込め、「ながれる」と名付けました。

現在、「ながれる」設立に向けて施設の改装や運営の設計を進めていますが、公的な補助金によるサポートの見通しは立っておらず、着工〜運営1年目までに約3,000万円の費用が不足している状況です。ぜひともあたたかいご支援をお願いいたします。

寄付ページ:https://congrant.com/project/yuzuriha/12381
クリエイティブの力で、福祉に新しい風を
「ながれる」が目指すものを実現するにあたっては、相談者にとって心地よい居住空間と地域とのつながりを生み出すコミュニティデザインが必要不可欠です。私たちは、クリエイティブの専門知をお借りしながら、福祉に新しい風を吹き込みたいと考えています。「ながれる」については、コンセプト作成・物件選定をクリエイティブ・カンパニーである株式会社ロフトワークに、設計をArchitects Atelier Ryo Abe(代表・安部良氏)に担当いただきます。

●株式会社ロフトワークについて
ロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニーです。ものづくりを起点に、その土地ならではの資源やテクノロジーを更新する「FabCafe(ファブカフェ)」、素材と技術開発領域でのイノベーションを目指す「MTRL(マテリアル)」、クリエイターと企業の共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」などを運営。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築します。

公式HP:https://loftwork.com/jp/

●株式会社安部良アトリエ(Architects Atelier Ryo Abe)について
安部良アトリエは、地域拠点や新しい福祉の場などの設計を通じ、“コミュニティの見える場面” づくりに取り組んでいます。代表作である島キッチン(香川県豊島)をはじめ、あわくら温泉元湯(岡山県西粟倉村)、十津川村高森のいえ(奈良県十津川村)、福屋八丁堀本店パブリックガーデン SORALA(広島県広島市)、 豊島 mamma(香川県豊島)のほか、各地で住宅・店鋪・公共建築・社会福祉施設などの建築設計業務を統括。地域活性の基盤づくりとその舞台となる場を手がけ、近年では南フランス・ カランク国立公園など、海外での建築プロジェクトも進行中です。

公式HP:https://aberyo.com/
代表メッセージ
私が自立援助ホームの職員をしていたときのことです。被害を受けて何とか逃げてきた子どもたち同士で「一番死にたいのは、どんなときだった?」と話しているのを耳にしました。子どもたちから出てきた言葉は、「やっぱり朝起きたときだよね」、「朝、目が覚めたときが一番しんどい」というものでした。
「今日も生きなきゃいけない」「今日が始まることが苦しい」。そんなふうに思いながら生きてきた人たちは、子どもだけでなく、大人たちの中にもたくさんいます。
『ながれる』は、朝起きたときに、「ああこんな心地よい場所で眠れたんだ」と思えたり、緊張や不安がほどけたり、「生きていてもいいかもな」って気持ちが芽生える場所となったら嬉しいです。
そして、お酒が飲めたり、お花が買えたり、ごはんが食べられたり、ふらりと立ち寄りたくなる、楽しいイベントも開いていきたいです。
街に開かれ、支援する人、相談する人、地域の人、みんなの間で安心が生まれる。泊まっている人たちも、そのあたたかな雰囲気を感じながら過ごせる。そんな連なりを大切に、安心がめぐる場所となることを願っています。

ゆずりは 所長 高橋亜美
ゆずりはについて
「ゆずりは」は、児童養護施設や里親家庭などで生活していた人、虐待などの理由から親や家族を頼ることができない人が抱える困難を共に解決し、「安心」を育むための伴走サポートを行うため、社会福祉法人子供の家を運営主体として、2011年4月に設立しました。
幼少期のトラウマ、保証人がおらず住居を借りられない問題、借金、家族やパートナーからの暴力、予期せぬ妊娠など、一人で対応していくには困難な課題を、共に考え、整理し、手続きするサポートを実施しています。その他、国分寺市の拠点を活用した気軽に集えるサロン、一緒に働く「ゆずりは工房」でのジャム製造・販売、高卒認定資格取得に向けた無料学習会、虐待に至ってしまった親への「MY TREE ペアレンツ・プログラム」などを行っています。

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