日産の落日? トヨタ頼みの日本自動車産業 (2/2) グローバル発注と下請け体制の決着?

9月18日(水)18時5分 財経新聞

(c) 123rf

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 現在、トヨタは「TNGA」と称して、全社のシステムの効率を高めようとしている。もともと、こうした資金効率の高め方は「トヨタのかんばん方式」と言われて、半世紀も前から進められてきたものだった。

【前回は】日産の落日? トヨタ頼みの日本自動車産業 (1/2) 東北に生産拠点、雇用を生み出す

 トヨタは生産台数世界一を飾った直後、リーマンショックで減産に追い込まれてみると、その本来の機能は揺らいでおり、赤字転落を喫してしまった。その時、マツダは「スカイアクティブテクノロジー」と称して、トヨタのかんばん方式を上回る生産体制を築きつつあった。

 反省したトヨタは、無秩序になろうとしていた生産体制、設計のコンセプト、サプライヤーなどの整理を行い、世界の生産拠点で平準化を進めることで、固定費の削減を図り、来るべき第4次産業革命に備えて、ビジネスモデルの転換を図っているのだ。

 東北の生産拠点においても、トヨタは「カイゼン」の意欲を失わず、「カラクリ」と呼ぶ現場作業の効率化を進めているようだ。この「カラクリ」についてだが、単に「現場の作業カイゼン」であると認識しているのが大多数の専門家だ。

 しかし、これが「資金効率」を上げ、決算で利益を出し、株主に配当を続ける「原動力」であることを認識すべきだ。自動車生産のビジネスモデルを理解すれば、「工程結合」が資金効率を上げる切り札であることが分かる。

 「カラクリ」は必ずしも工程結合に直接つながる訳でもないが、そうした従業員のカイゼンの意欲により、シンプルで効率が上がる設計や作業を生み出し、決算上の大きな成果となって表れるのだ。

 そして、この「カイゼン」活動を続けていくためには、下請け体制は強力な基礎となり、トヨタは2019年現在、グローバル発注よりも資金効率を上げることに成功している。

 かつて日産自動車が事実上倒産してカルロス・ゴーン元会長の登場があった時、これは「トヨタの下請け体制VS日産のグローバル発注」の構図であると私は見ていた。しかし今、この決着は広く多くの要素が絡んで、日本国家としては最も優秀な制度として「下請け制度」があると世界に宣言できるのではないだろうか?

 企業環境は激動の時代だ。この先どの様な変化が待っているのかは誰も予想できまい。しかし、現時点では、「日産のグローバル発注」よりも「トヨタの下請け体制」が、日本国民にとって優秀であると断言はできる。この結論で十分であろう。

財経新聞

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