ボードゲームがブーム 「おひとり様」歓迎で遊べるカフェも

9月22日(日)7時0分 NEWSポストセブン

コンピュータゲーム全盛の時代でもボードゲームが静かなブームに

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 ボードゲームが静かなブームとなっている。店内でボードゲームを楽しめるカフェがここ2〜3年で急増し、都内だけでも100店を超える勢いとなっている。カフェにはボードゲームで何時間も遊ぶ若い世代や会社帰りのサラリーマンの姿も目立つが、ボードゲームはなぜ、現代日本で浸透し始めているのか。作家の内藤みか氏が取材した。


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 アナログゲームの販売イベント「ゲームマーケット」(通称ゲムマ)──。初開催の2000年は一般出展32、参加者総数400人だったのが年々数は膨れ上がり、2019年春には2日間合計で一般出展975、参加者総数2万5000人規模となっています。


 かの「コミックマーケット」(通称コミケ)も初開催の1975年には参加者700人(2019年には73万人)だったことを考えると、今後の伸びに注目すべきジャンルだと言えるでしょう。私も今年の春はボドゲ愛好者の大学生の息子と参加し、10種類以上のボードゲームやカードゲームを買い込んでしまいました。


「ゲームマーケット」の魅力は、ここでしか買えない同人版のゲームや、人気ゲームの新作が先行販売されていて、作者さんとも話ができること。もちろん試遊体験もできます。作者とのコミュニケーションや限定アイテム探しが楽しいという点も、コミケと似ています。


◆世界のゲームで遊ぶように


 今まで、ボードゲームというと日本では「人生ゲーム」や「オセロ」、カードゲームでは「トランプ」や「UNO」など、定番の品で遊ぶことがほとんどでした。皆がルールを知っているのですぐに遊び始めることができるという点も便利でしたが、ここ数年は、海外のボードゲームやカードゲームが日本でも遊ばれるようになってきました。


 海外のゲームは色使いやデザインがハイセンスで、1時間を超えるような長時間プレイのものも少なくありません。


 例えば、周囲と交渉しながら資源を集めて無人島を開拓し、支配者を目指す「カタン」(ドイツのゲーム)やテトリスのような幾何学的なコマをつなげ、置けたマスの個数で勝敗を競う「ブロックス」(フランスのゲーム)などは認知度も高く、大会が開催されることもあります。


◆広がるボードゲームの輪


 レアな作品だとそのゲームを愛好する同胞を見つけるだけでも苦労するのがこの世界。けれどそれがまた楽しさでもあるのです。


 私の息子も、好みのゲーム「ハートオブクラウン」(推しの姫を皇帝にさせるべく、支持者を集めて戴冠式を目指す日本のゲーム)をプレイする会が催されるとテンションが上がり、多少遠くても向かっていきます。そしてそのゲームを熱く語れる仲間を作って帰ってくるのです。


 また、最近はクラウドファンディングでボードゲーム制作資金を募る様子も見かけるようになりました。探偵と協力し、離婚するための証拠を集めていく「離婚届にサインしてッ!!」は私も予約購入しました。最近は、災害対応や経理などを遊びながら学ぶことができる学習型ゲームも開発されているようで、ボードゲームの楽しみ方はどんどん進化しているようです。


◆ボードゲームカフェは「おひとり様」も歓迎


 ボードゲームカフェには、数百ものボードゲームが置かれ、自由に遊ぶことができます。料金は大抵時間制で、1時間500円程度の店が多い印象ですが、面白いのは1日プランなどの長時間割引も設けられていること。


 たとえば1日中遊んで2000円などというお店もありますが、最初はそんなに長時間いる人なんているのだろうかと思っていましたが、手間がかかるゲームをプレイしていると、時間が経つのはあっという間なのです。


 また、ほとんどのボードゲームカフェは「おひとり様」も歓迎し、相席OKのテーブルに加えてもらい、一緒に遊ぶことができます。私も、ひとりで入ってきた女性客と一緒に遊んだことがあります。ボードゲームをきっかけにして異性と親しくなることもあるみたいですね。お酒や食事が楽しめるお店も多いので、デートに使っているカップルもいます。


◆ボードゲームが人気になった理由


 バブルの頃はボードゲームで遊ぶ人は少なかったはずです。それは仕事も忙しく、ドライブをしたりディスコに行ったりと、他に遊ぶところもたくさんあったからでしょう。けれど現代は経済的にも安定せず、車も買えず、外で豪勢に遊ぶよりは家で飲むという人が少なくありません。


 最近は、働き方改革だとかで残業も削減され、時間を持て余している人が多いのです。ゆっくりと腰を据えて遊べるボードゲームは、そんな現代日本人の生活とマッチしたのではないでしょうか。私もお気に入りの「横暴編集長」(カードをつなげて本のタイトルを決めていく日本のゲーム)をすると何時間でも遊べてしまいます。


 もっとも、ゲームならばスマホでもできますし、実際スマホゲームのほうに夢中の人は大勢いますが、1日中家の中でひとりで遊ぶより、誰かと一緒に賑やかに楽しみたいという人も増えているのは間違いないでしょう。


 事実、ボードゲームカフェではあちこちから、どっと笑い声が上がり、どの顔も楽しそうです。ガツガツ稼ぐ時代でなくなり、かつ人生100年と言われるようになった今だからこそ、長く楽しめる趣味として、ボードゲームの人気が上昇しているのかもしれません。

NEWSポストセブン

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