ANREALAGE SPRING/SUMMER 2024パリコレクションにてハイパースペクトル画像を用いた色彩制御により「環世界」を表現

2023年9月29日(金)15時6分 Digital PR Platform


〜衣服の素材と照明の組み合わせにより色や柄を変化させる新たな演出手法を実現〜

 株式会社アンリアレイジ(本社:東京都港区、代表取締役:森永 邦彦、以下「アンリアレイジ」)、株式会社IMAGICA GROUP(イマジカ グループ、本社:東京都港区、代表取締役社長:布施信夫、以下「IMAGICA GROUP」)と日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)は、2023年9月26日にパリ市内で開催された「ANREALAGE SPRING/SUMMER 2024パリコレクション(以下、本コレクション)」にて、ハイパースペクトル画像(※1)を用いた色彩制御により衣服の色や柄を多様に変化させることで、「環世界」(※2)の世界観を表現しました。

1.背景
 NTTでは「環世界」の考え方に基づきIOWN(※3)が創り出す新たなUI/UXとして、受け手側の人、モノ、環境などの多様な価値観に応じて、伝えるべき情報やその処理の仕方を変化させられる情報提供の方法について検討しています。またNTTとアンリアレイジは、2021年よりパリコレクションで連携しており、NTTの技術とファッションを融合させた新たな演出手法による、これまでにないユーザー体験を届けてきました。
 一方NTTとIMAGICA GROUPは、空間とヒトの超リアルかつ環世界的なデジタルツインコンピューティングの実現に向けて、2022年12月より、IOWN時代のリアル・サイバー融合空間の表現・演出技法に関する総合的な共同検討に着手(※4)しています。

2.本コレクション当日の演出
 本コレクションにおいて、アンリアレイジ、IMAGICA GROUPのグループ会社でエンタメテック分野に特化した事業を展開する株式会社IMAGICA EEX(イマジカ イークス、本社:東京都港区、代表取締役社長CEO兼CCO:諸石治之、以下「EEX」)及びNTTが連携し、素材と照明の両方の効果で、服の色が次々と変化する演出を発表しました。これによりファッションショーを通じて、ありのままの情報を伝えることで普段我々が見ている世界が1つだけではないという「環世界」の世界観を実験的に表現しています。

< ANREALAGE SPRING/SUMMER 2024パリコレクションでの演出の様子>

[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/2341/77028/700_516_2023092820134865155fece1462.PNG


3.技術の概要
 照明制御により対象物の色や柄の見えを変化させるハイパースペクトル色彩制御技術は、照明シミュレーション技術と照明光スペクトル制御技術から構成されます。
 照明シミュレーション技術では、ハイパースペクトル画像から取得した対象物表面の分光特性(どの波長の光を反射・吸収・蛍光するか等)を用いて、様々な照明環境下での対象物の見え方を正確に再現します。また対象物の色や柄が変化して見える条件を探索・再現することで、演出者の意図に合わせた照明条件の設計を可能とします。
 照明光スペクトル制御技術では、照明シミュレーションの結果をもとに複数の光源を組み合わせ、最適な照明光スペクトルを合成します。これにより、 特定の光と色の条件下で成立するメタメリズム(※5)の実現や、白色の見え方は維持した状態での対象色の見た目の鮮やかさの制御(強調と抑制)などを可能とします。

<照明シミュレーション技術による対象物の見え方の再現例>

[画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/2341/77028/700_381_2023092820141465156006e2786.PNG


<照明光スペクトル制御技術による彩度強調の例>

[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/2341/77028/700_471_20230928201415651560073ac30.PNG


4.今後の取組み
 本取り組みでは、ハイパースペクトル画像を用いた色彩制御により,ファッションショーの場において新たな表現・演出を実現しました。今後、NTTとIMAGICA GROUPは共同検討をもとに、照明シミュレーションの精度向上と色彩制御のバリエーションを増やすことで、「環世界」の考え方にもとづく多様なコンテンツ・メディアによる豊かな表現・演出技法の確立をめざします。またこれらによる成果の、小売業や文化芸術およびエンターテインメント領域における活用を検討してまいります。

<参考・用語解説>
※1 ハイパースペクトル画像:通常のデジタルカメラ(カラー画像を取得するカメラ)よりも多数の色情報(波長)に分光して撮像した画像です。一つのハイパースペクトル画像は各々の色情報に対応した画像で構成され、一般的には数十以上の画像で構成されます。NTTでは通常のデジタルカメラにメタレンズとAIを組み合わせてハイパースペクトル画像・動画の取得を実現するハイパースペクトルイメージング技術についても取組みを行っております。
●ハイパースペクトルイメージング技術: 世界初、通常のデジタルカメラにメタレンズとAIを組み合わせてハイパースペクトル画像・動画の取得を実現する技術を確立〜光技術とAIの融合で「普通のカメラ」を「モノの性質が見えるカメラ」に〜(2022年10月24日報道発表)
URL: https://group.ntt/jp/newsrelease/2022/10/24/221024a.html

※2 ドイツの生物学者ヤーコプ・フォン・ユクスキュル博士によって、「さまざまな生物はそれぞれ、種特有の知覚世界=環世界を持って生きており、その主体として行動している」、という考え方

※3 IOWN(Innovative Optical and Wireless Network): 光を中心とした革新的技術を活用した高速大容量通信、膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤です。IOWNは主に、ネットワークだけでなく端末処理まで光化する「オールフォトニクスネットワーク」、サイバー空間上でモノやヒト同士の高度かつリアルタイムなインタラクションを可能とする「デジタルツインコンピューティング」、それらを含む様々なICTリソースを効率的に配備する「コグニティブファウンデーション」の3つで構成されます。IOWNにより、通信分野に留まらず、多岐にわたる分野で多彩なサービスと新しい価値を創出し、豊かな社会の実現に貢献していきます。
URL: https://www.rd.ntt/iown/

※4 IOWN時代におけるリアル・サイバー融合空間の表現・演出技法に関する総合的な共同検討に着手〜空間とヒトの超リアルかつ環世界的なデジタルツインコンピューティングの実現に向けて〜(2022年12月 8日 報道発表)
URL: https://group.ntt/jp/newsrelease/2022/12/08/221208a.html

※5 メタメリズム:分光反射率の異なる色が特定の光源下では同じ色に見える現象を条件等色(メタメリズム)と呼びます。

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