ラグビー日本代表の活躍が未来の経営者たちの背中を押すか

10月1日(火)11時0分 NEWSポストセブン

W杯初戦は快勝した(撮影/藤岡雅樹)

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 ラグビーW杯の日本大会は、日本財界の強力なバックアップに支えられている。有名企業のトップには、ラグビー経験者が多い。ラグビー経験者が企業で出世していく背景には、ラグビーが主に名門大学で盛んだという事情がある。ラグビー経験がきっかけで、異業種間の交流が始まるケースも多い。


 ラグビーW杯のオフィシャルスポンサーを務める大正製薬・上原明会長は、元ラグビー日本代表監督で三井住友銀行専務執行役員だった宿澤広朗氏とラグビーを通して親交を深め、宿澤氏からの依頼がきっかけで日本代表のスポンサーとなった。


 また、同志社大学ラグビー部から神戸製鋼に進み、日本選手権7連覇の偉業を成し遂げ、長く日本代表でも活躍した大八木淳史氏と同志社大、神戸製鋼、日本代表を通じた盟友関係にあった平尾誠二氏は、神戸大学医学部でラグビー経験のある山中伸弥・京都大学iPS細胞研究所所長と家族ぐるみの付き合いを重ね、その関係は平尾氏の死後に『友情』と題した共著にまとめられている。


 ちなみに、現日本代表の福岡堅樹選手は、引退後に医学部を受験し、医師の道を目指すことを公言している。“文武両道”の精神はプロ化が進んだ今も残っているが、大八木氏はこんな懸念も示す。


「今後は、ラグビー経験者の経営者が現われるかどうか。というのも、今の現役学生はプロになりたがっているし、ラグビーだけやっておけばいいという大学も増えている。私は、ラグビーを辞めたあとのことを考えても、学生として勉強しながらラグビーも頑張ったということを評価すべきではないかと思います」


 一方では、現代ならではのラグビー出身経営者が出てくる可能性もある。新著『国境を越えたスクラム ラグビー日本代表になった外国人選手たち』が話題を呼ぶノンフィクションライターの山川徹氏はこう指摘する。


「ラグビーは代表選手の国籍にこだわらず、居住年数など一定の条件を満たせばどの国の代表にもなれます。国際化が進む社会では先進的であり、実験的な組織なのです。


 現在の日本でも、今年4月から外国人労働者の受け入れ拡大が始まり、外国人とともに働くことが日常になっていく。ラグビーの日本代表は、日本社会の未来に関する一つのモデルケースを提示しています。ラグビー経験者から、そうした新しい日本企業の在り方を目指す経営者が出てくるかもしれません」


 今大会の日本代表の活躍が、そうした未来の経営者たちの背中を押すのかもしれない。


※週刊ポスト2019年10月11日号

NEWSポストセブン

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