自動車用シートのテイ・エステックから覗き見る、自動車業界のいま

10月5日(火)7時21分 財経新聞

 テイ・エステック(東証2部)の今3月期計画に注目した。ホンダ系の、4輪・2輪車のシート部品メーカーである。「(国内)車8社の8月の世界生産台数は、17%減」と伝えられた。ホンダとて例外ではない。8月の生産台数は:国内3カ月ぶり減少+海外3カ月連続減少=世界生産3カ月連続減少という状況にある。改めるまでもなく、半導体に代表される、部品のサプライチェーンリスクの結果だ。

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 「車メーカーの減産=部品・部材メーカーの需要減」は常識的な捉え方であろう。テイ・エステックの前3月期はコロナ禍の(車)消費減の影響を受け、「3.8%の減収、1.6%の営業増益」。数字で見る限り「でも、なんとか踏ん張っているな」と受け止めた。

 だが前期本決算発表時には「コロナやサプライチェーン動向に合理的な見通しが持てない」として、今期計画の発表を見送った。が、6月21日に、「16.4%の増収(4030億円)、49.6%の営業増益(400億円)」と発表。1カ月余り後7月30日開示の第1四半期は前年同期比で、「65.3%増収、営業利益60億300万円(17億9200万円損失から急回復)」となった。どう捉えたらよいのか。テイ・エステックの第1四半期の説明を要約すると、以下のようになる。

★半導体の供給不足に起因する受注減には見舞われた。だが前年同期に新型コロナウイルス感染拡大を受け工場の稼働停止を強いられた米州・アジア/欧州が、稼働再開に至った。またホンダのディラー:ホンダカーズ埼玉北の買収が売り上げ増に寄与した。売り上げ増と原価低減効果で60億円を上回る営業利益を計上しえた。

・・・確かに第1四半期の海外セグメントは好調に転じている。国内セグメント:49%増収・4億6200万円損失から12億8500万円へ黒字化。対し、「米州:138.9%増収、23億9400万円損失から9億2500万円黒字」「アジア・欧州:198.6%増収、29億2100万円損失が1億6700万円損失に縮小」

・・・が気になるのは中国セグメント:景気失速が指摘されている。それを裏付けるように8.1%の増収も「5.8%減益(51億円強)」となっている。

★エイ・エステックも直接口にこそしていないが、「国内市場の先行き不透明」「中国市場への懸念」が発信の端々から窺える。故に米国市場の注力を強調する。「米国の4輪内装部品メーカーと合弁会社を(テキサス州に)設立。トリムカバー(傷を防止するカバー)などシート部品需要増に対応する」と言った具合である。

 四季報最新版の業績欄の見出し【反発】に異を唱えるつもりはない。エイ・エステックの今期計画に「過大」などと言うつもりはない。今期も「増配」計画。本校作成中の時価は1400円台前半。予想税引き後配当利回り3%。高率配当を背景にIFIS目標平均株価1975円を待ってみるのも一法とは思えるが・・・海外(とりわけ中国)景気状況、半導体不足という課題は「重い」と言えるのも事実ではないか・・・

財経新聞

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