生活者のリスクヘッジ購買が進む デジタル化がもたらす購買行動の変化を調査
2024年10月7日(月)13時16分 PR TIMES
株式会社電通デジタル(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:瀧本 恒 以下、電通デジタル)は、生活者の購買行動に関する、EC(オンライン)と店頭(オフライン)を横断した「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査2024」を実施しました。この調査は2022年から実施しており、今回で第3回目となります。
本調査では、主要商品(13カテゴリー29商品)をベースに、認知・比較検討・購買・購買後の各フェーズにおいて、ユーザーがどのようなチャネルに触れ行動をしているのか、4,350人を対象にアンケートを行いました。本レポートでは調査の一部結果を発表します。
■調査概要
新型コロナウイルス感染症による社会影響が薄れ、生活者が日常を取り戻す中、購買行動にも変化がみられています。これに伴い、ECと店頭を横断する生活者の購買行動を昨年に引き続き調査しました。
本調査では生活者の購買行動を可視化するために、主要商品別に認知・比較検討・購入の各フェーズにおけるメディアへの接触、決済方法、ポイント活用への意識など購買のデジタル化について、生活者が重視したポイントの詳細なデータを取得しました。
■本調査結果の考察
1.購買行動におけるデジタルシフトが継続
コロナ禍による行動制限が解かれ、生活者の日常が戻った現在でも、購買行動全体においてデジタルシフトの傾向は続いています。特に、比較検討フェーズでは、オンラインチャネルを利用する生活者が2022年の50.0%から2023年には52.2%、2024年には55.7%と、2年間で5.7pt 増加しました。(図1)
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121065/98/121065-98-aae1b2ee3f6ab7db85c81ac270a0d9a6-1250x386.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図1
2.高価格帯の商品購入におけるオンラインと実店舗の利用の差は少ない
本年度の調査では、1万円未満の購入は実店舗が多く、1〜5万円の価格帯ではオンライン決済が増える傾向が見られました。5万円以上については、オンラインと実店舗での利用に大きな差はなく、高価格帯の商品購入における選択基準に両者の違いがほとんどないことが明らかになりました。オンラインでの決済額は今後も増加する可能性があり、注視が必要です。(図2)
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121065/98/121065-98-2c4f4289fd1b4d2b710d1bf565b69a42-1250x361.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図2
3.検討要素の多い商品はオンラインと実店舗の両方で情報収集をしたうえで購買
検討要素の多い商品に関しては、生活者がオンラインと実店舗を行き来しながら慎重に購買する傾向が再び確認されています。例えば、電化製品では、オンラインと実店舗を行き来する生活者が5.9pt増加し、検討を経て購入する割合も2.7pt増加しました。これは、商品スペックや詳細情報を把握した上で実物を確認することで購買リスクを軽減したいという生活者のニーズが読み取れます。(図3)
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121065/98/121065-98-5dab2b11e1c31dad01f00f23a1262bef-1250x391.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図3
4.購入後も価値が保たれる商品を見極める行動傾向が強まる
また、「最近の買い物に対する意識調査」では、生活者の25.5%がオンラインでの購入が増えたと回答し、デジタルチャネルが生活者との接点で重要になっていることが分かります。注目すべき点として「中古品を購入するようになった 8.8%」「将来売却することを考えて購入する4.8%」といった結果が出ており、生活者がモノを所有することに加え、リセールへの関心も高まっていることがわかりました。購入後も価値が保たれる商品を見極める行動は、生活者のリスクヘッジを考えた購買傾向の強まりを示しています。(図4)
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121065/98/121065-98-8235dde92197975891573284df208975-1250x391.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図4
■本調査結果の各項目について
1.リスクヘッジ購買が顕著な「家電」
先述の通り、電化製品カテゴリーでは、オンラインと実店舗を行き来して検討した上で購入する傾向が強まりました。特に家電に関しては、認知・比較検討・購入の主要チャネルを考慮すると店舗購入が昨年比15.2pt増加しています。購買プロセスでは、公式サイトを中心にオンラインで事前に情報を収集し、最終的に店頭で実物を確認して購入するという行動が見られます。(図5)
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121065/98/121065-98-19ffcd74b9deb86b0a34a7003caade08-1250x504.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図5
また、オンラインで10万円以上の最高支出金額を回答した商品において、上位を占めるのはPC、スマートフォン/タブレット、家電などの電化製品です。このことから、必要な情報が揃いリスクが十分に軽減されている場合、高価格帯の商品でも生活者はオンライン購入を選択肢に入れる傾向があることがわかります。(図6)
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121065/98/121065-98-f0c64c28a6952d99c2d047815602a39b-1250x366.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図6
2.企業の公式サイトの役割
本調査によると、生活者が情報収集の際に「企業の公式サイト」を利用する頻度が増加していることが明らかになり、2022年と比較して、認知が1.6pt、検討(最も役に立ったチャネル)が1.8ptと「企業の公式サイト」利用が伸長しています。(図7)
公式サイトで購入する理由として最も多かったのは「公式サイトだと安心だから(12.5%)」です。生活者は、公式サイトを通じて確かな商品情報に加えて、安全性や信頼性を求めており、ここでもリスクヘッジ購買の傾向が見て取れます。(図8)
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121065/98/121065-98-93caacd8ca2ef0c13515d1332ff4a8a9-1250x370.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図7
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121065/98/121065-98-f52f879a76aaeac7e8ae2ac37ea75464-1250x352.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図8
3.リスクヘッジ購買におけるモールECとポイント
公式サイトの活用が増加している一方で、モールECも引き続き主要な購買チャネルとして重要な役割を果たしています。その理由として、「ポイントを貯めたいから」という回答が37.3%、「貯まっているポイントを使いたいから」という回答が27.3%を占めており、依然としてポイントに基づく購買行動が根強く続いていることが伺えます。さらに、96.2%の生活者が何らかのポイントを集めており、ポイントを意識した購買行動が続いています。(図9)
[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121065/98/121065-98-6345141a0ab2a8cef477e52cd500aa1b-1250x355.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図9
モールECとポイント活用は、生活者にとって経済的な利点をもたらす重要な関係にあります。ポイントの使用により、生活者にとって経済的負担を軽減できる手段が提供されており、安心・安全だけでなく、経済的メリットを追求する購買行動が見られます。これにより、生活者がリスクを分散させ、購買行動に安心感を求める「リスクヘッジ購買」の一環として捉えることができます。
<調査概要>
・タイトル:「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査2024」
・調査手法:インターネット調査
・調査時期:2024年5月23日〜27日
・調査エリア:全国
・調査対象:20〜69歳、10,000名(スクリーニング調査)4,350名(本調査)
・調査主体:株式会社電通デジタル
・商品一覧
下記、主要13カテゴリーに含まれる29商品
ファッション・インナー・小物/美容・コスメ/食品・スイーツ/ドリンク(お酒以外)/
お酒/日用雑貨/ダイエット・健康/医薬品・コンタクトレンズ/ギフト/ペット用品/
電化製品/インテリア/キッズ・ベビー・おもちゃ
・主な調査項目
● 実態把握
・認知経路(購入品目の情報接点)
・情報収集(検討場所/最も役に立ったところ)
・比較検討(比較検討時の行動)
・購入時の行動(商品を買った理由/特に重視した理由)
・店頭とECの使い分け(購入商品の購入場所と選定理由)
・オウンドECとモールECの使い分け(使い分けの把握と選定理由)
・継続購買後対応の把握(嬉しかった対応/あったら嬉しいもの)
・継続購入回数/理由/影響を与える情報源/離脱理由
・企業からの情報受け取り方法
● 決済・ポイント実態把握
・ポイント利用状況
・ポイント別収集理由
・流通別決済方法
・ポイント別利用流通
・キャンペーン・ポイントの考え方
●新しいショッピング形態接触状況
・知っているか/体験経験/購買経験/興味
・関心チャネル/その理由
●その他
・購買に関する生活者の意識
・商品カテゴリーごとの最大支出金額
・今後の消費動向(ホットワード)
<電通デジタルについて>https://www.dentsudigital.co.jp/
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