ポルシェ初のピュアEV「タイカン」の全貌

10月8日(火)6時30分 週プレNEWS

ポルシェはタイカンのメインマーケットになる可能性の高い北米、中国、欧州の3大陸でワールドプレミアイベントを同時開催した
ポルシェはタイカンのメインマーケットになる可能性の高い北米、中国、欧州の3大陸でワールドプレミアイベントを同時開催した

9月4日、ポルシェは初の電気自動車をご開帳した! それに先立ち、上海で開催された取材会に世界カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の自動車ジャーナリスト・小沢コージが突撃してきた!

■タイカンはテスラ追撃マシンだった!

まさしく自動車ブランド新オセロ戦略! この手があったのかって感じだぜ。それは9月4日にドイツ・ベルリン、カナダ・トロント、中国・福州の世界3ヵ所で同時デビューを果たしたポルシェ初のピュア電気自動車・タイカンのことだ。

実はオザワ、それに先んじて8月後半に、上海サーキットに隣接するポルシェ・エクスペリエンス・センターで事前取材会に参加していた!

そこで驚いたのはタイカンがガソリン5Lターボ級を凌駕(りょうが)する、最高出力761PS、最大トルク1050Nmの前後ツインモーター式激速4WDであることや、ギアボックスなしが当たり前のEVには珍しく、リアに2段変速機を搭載することじゃない。

オザワが驚いたのはグレード名が前述761PSの「ターボS」と680PSの「ターボ」のふたつなことだ。もちろんタイカンはピュアEVなのでターボなんぞ搭載していない。

だがそれでも「ターボ」なのだ。これだけでタイカンがいかにガソリン自動車くさく、乗って楽しいリアルポルシェを自負しているかがうかがえたし、ボディがなぜ全長4.9m台の4ドアセダンなのか。そのワケも面白かった。

開発陣は「ピュアスポーツである911のEV化は時期尚早だが、4ドアセダンはより大きいパナメーラがあるだけなので市場を食い合わない」と言っていたがこれは方便だ。

実はタイカンがミッションEと呼ばれ、2015年のドイツ・フランクフルトショーにコンセプトカーデビューしたときから取材しているオザワ。当時、「なぜポルシェ初のEVが4ドアセダン?」という問いには明確な答えが。

それは2012年にデビューし、世界を席巻していた新興プレミアムEVのテスラ・モデルSの存在だ。すでに1000万円前後の高価格EVながら年間5万台も売り、ポルシェをはじめ、メルセデスやBMWを驚かせていた。

特にスポーツカー天国の北米はテスラがバカ売れ。当然、同じく北米が大票田のポルシェは黙ってられない。だからこそのセダン投入なのだ。

実際、開発陣に時速100キロ到達が2.8秒でテスラ・モデルSの2.6秒に負けていることについて質問してみた。すると、「タイカンはすでに24時間連続走行テストを敢行して3425㎞を走破しているし、時速100キロ到達はもちろんだが、より厳しい時速200キロ到達を26回連続繰り返してもパフォーマンスはほぼ変わらない。テスラは最初はともかく、2回目以降は無理でしょう」と鼻で笑っていた。

要はテスラのパフォーマンスは実際には使えない、絵に描いたモチ。速くて面白いプレミアムEVを求めてテスラを買う客は多いが、その大半は満足できてないはず。

本物のEVセダンをウチが出したら、買い替えが止まらないはず。オセロで黒が白にひっくり返るがごとくタイカンは売れるだろう。ポルシェ的には、そんな感じの予測をしていた。

ニュルブルクリンクの北コースで、7分42秒のラップタイムを記録したびんびんカー・タイカン。ニッポンで乗りたい!
ニュルブルクリンクの北コースで、7分42秒のラップタイムを記録したびんびんカー・タイカン。ニッポンで乗りたい!

確かに上海で見た実車はスゴかった! 見た目は、空力優先のポルシェデザイン。しかしカエルデザインの911とは違い、ミッションE時代からのコンセプトを忠実にまとい、低く幅広いとてもセダンに見えないスポーツカーデザイン。

全長4963㎜×全幅1966㎜×全高1378㎜とパナメーラより微妙に短く、テスラ・モデルSとほぼガチンコ! 一方、車高は50㎜低く、運動性能は間違いなくテスラより上だろう。

ボディサイズは全長4963㎜×全幅1966㎜×全高1378㎜。4ドアで4人乗りだ
ボディサイズは全長4963㎜×全幅1966㎜×全高1378㎜。4ドアで4人乗りだ

一方、ラゲッジはフロントに81L、リアに366Lとそれなりなのだが、モデルSには負ける。ここはポルシェらしいスポーツ性を取った形だ。

残念ながら自分で運転はできなかったが、同乗取材は叶った。まず床が異様に低い。EVの常で、最大93.4kWhの巨大リチウムイオン電池を床に積むが、それでもシート位置が低い。これまた運動性能優先である証拠だ。

さらにインテリアが非常にモダンでありつつ、どこか懐かしい。というのも明らかに古典スポーツ911の未来形なのだ。テスラ風のパソコンサイズモニターはなかったが全面デジタル化。ドライバー前には16.8インチのデジタルメーターが備わり、中央と助手席側にも10インチ超モニターがが備わり、「ヘイ、ポルシェ!」で音声操作も可能。

タッチスクリーンが多用されている内装は、初代「911」がモチーフだという
タッチスクリーンが多用されている内装は、初代「911」がモチーフだという

話を戻すと、タイカンの走り味は圧巻だった。オザワが助手席に乗れたのは、最速のターボSで、オーバーブースト時の761PS状態はマジでヤバい! ドライバーがアクセルを踏んだ瞬間から首が後方に持ってかれ、コーナリングGもレーシングカー並み。

だが、それ以上に曲がる、止まるの挙動がすべて911から変わらぬ、ポルシェらしい滑らかさを持っているのが印象的。

だが、一番のスゴさはタイカンからポルシェが初採用した800Vの高圧充電システム。これによりテスラ同等の100kWh近い巨大バッテリーを5%から80%まで、わずか22分半で充電できる。

そして肝心の価格はテスラモデルSより500万円ほど高い約2170万円。だがタイカン、相当売れるとみた。テスラを買うような新しいもの好きにはたまらない先進性がある。マジ欲しいよ、俺も!

航続可能距離は最長450㎞。充電口は右側のフロントフェンダー部にある
航続可能距離は最長450㎞。充電口は右側のフロントフェンダー部にある

取材・文/小沢コージ 写真提供/ポルシェ

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