【上念司】もう銀行なんていらない! 融資担当者が勧めてきた 訳のわからない ナンセンスな「制度融資」とは?

10月9日(水)6時0分 ダイヤモンドオンライン

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かつては安定企業の代表格だったメガバンクも、

いまや数千・万人単位と大量の人員削減を余儀なくされている。

地銀の凋落ぶりは、もはや目を覆わんばかりだ。


なんだかんだと金融行政に守られ、

誰がやっても儲かるような護送船団方式のなかで安穏と過ごしてきた銀行に

市場競争へ立ち向かうまともな力量はない。


いまやAIや仮想通貨といったまったく異質の金融技術が、

銀行業務の独占に容赦なく襲いかかってきているのだ。


どんなビジネスアイデアも、本来は経営者の個人保証や担保がなくても、

アイデアそのものがお金を生み出しそうかどうか、「事業性」を評価して融資されるべき。


その事業性を審査する能力こそ銀行のコアスキルであるべきなのだが、それがない。


いまごろになって事業性評価に基づく融資の拡大を標榜する銀行も増えつつあるが、

これまで担保主義で融資してきたのだから、必要な審査能力は備わっていないのだ。


こぞって消費者金融を手掛けるも、焼け石に水。もはや八方塞がり。

不動産などの担保を確保して融資するという質屋のような銀行業務は、もういらない。


『もう銀行はいらない』を上梓した経済評論家・上念司氏が、

確かな見識と舌鋒鋭い指摘で、銀行業界を“筆刀両断”する。



【前回】からの続き——


あれから10年以上の年月が流れ、2016年に2回目の嫌な思い出ができました。


ある経営者同士の飲み会の席で、銀行との取引が話題に上りました。

私が無借金経営をしているという話をすると、尊敬する先輩経営者から「一度は銀行とおつき合いして、パイプを作っておいたほうがいい。いざというときがあるから」とアドバイスをもらいました。


この話の2年ほど前(2014年)から私は、総合格闘技ジムのフランチャイズ経営を開始し、その2年間ですでに4店舗ほど展開していました。

経営は順調だったので店舗数をさらに増やしていくことを考えると、銀行融資を受けておくことは確かに悪い話ではありません。


物件を借りる際に必要な保証金や、新規出店するための工事費などは、費用化できずに資産計上されるため、キャッシュフロー(現金収支)が悪化します。

その部分だけでも銀行融資で手当てできれば、経営は楽になります。


また、2016年1月から日銀によるマイナス金利政策が始まったことも、私の背中を押しました。

これにより銀行融資の金利がかなり低くなっていたため、ジムの出店資金を銀行融資でまかない、店舗運営が軌道に乗って利益が出てきたところで、無理なく少しずつ返済していくことができます。


これはまさに無から有を生む打ち出の小槌のようなビジネスモデルです。

「物件と人材さえ確保できれば、いくらでも店舗展開できる」私はそう思いました。


そこで早速、地元の信用金庫に連絡しました。

すると、融資担当者が私の事務所まで来てくれました。

来訪した担当者を前に「私は2014年からジム事業を開業して店舗数は順調に増えており、今後もさらなる店舗展開を考えている」といった話に熱弁を振るいました。


ところが、話せば話すほど担当者の表情が曇っていきます。

彼は私の話など上の空のようでした。何か嫌な予感がします。

すると、私の話を遮るようにその担当者はこう言いました。


「そうですか、では制度融資がよろしいかと思います」


制度融資とは、利子の一部を地元の自治体が補給する公的融資制度です。

当時は1.7%の貸出金利のうち0.4%を自治体が負担してくれるという触れ込みでした。


しかし、よく話を聞いてみると、制度融資を利用するためには「信用保証協会」の保証が必須でした。

信用保証協会とは、中小企業が融資を受ける際、信用や担保が不足して必要な資金の借り入れが難しいとき、その不足を債務保証する役割とされています。


その信用保証協会の保証料とは、年に融資額の0.4%とのこと。

何のことはない自治体による利子補給と信用保証協会の保証料で「行って来い」、つまりプラスマイナスゼロということです。


いったい、この制度に何の意味があるのか、さっぱりわかりません。

そもそも、マイナス金利のご時世に1.7%の金利は高すぎます。


そこで、私は「もっと金利を安くしてもらいたいので、制度融資を利用するのではなく、相対で融資してもらうことはできないでしょうか?」と尋ねました。

ところが、その担当者は、「相対の場合、審査が厳しく時間も手間もかかるうえ、実際に融資できるかどうかわかりません」と言います。

とにかく制度融資に誘導しようとする姿勢がミエミエでした。


その場でブチ切れそうになるのをこらえ、私はこの信金の担当者を事務所から追い出しました。

以前の悪夢がよみがえります。


「私のような一見さんには、このような仕打ちが待っているのか……」





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