2021年度上半期の倒産、過去50年で最少に 東京商工リサーチ調査

10月10日(日)7時42分 財経新聞

 東京商工リサーチが2021年度上半期(4月〜9月)の倒産状況を発表し、新型コロナウイルス関連の倒産が増えているものの、国や自治体、金融機関の支援策が奏功して、全体では過去最低の水準に留まっていることが分かった。

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■9月は過去最少の倒産件数に
 8日、東京商工リサーチが2021年9月の全国企業倒産状況(負債額1,000万円以上)を発表した。9月の倒産件数は前年同月比10.61%減の505件となり、4カ月連続で前年同月比減少したのに加え、9月としてはこれまで最も倒産件数が少なかった1990年の531件を下回り、1972年以降で最少となっている。

 負債総額は同28.44%増の707億4,000万円となり、2カ月連続で増加。負債額1億円未満の倒産件数は370件で、全体の73.2%と小規模な倒産が大半を占める傾向は続いているものの、仮想通貨預かりサービスを運営するデジポケ(負債額:101億円)、太陽光発電機器製造のアンフィニ(同86億8,700万円)、高知県でパチンコ店を経営するKH(同55億円)など、比較的大・中規模の倒産が多かったことから負債総額が増加した。

 また新型コロナウイルス関連の倒産件数は同85.5%増の154件でとなり、今年3月の151件を超えて月間最多件数となっている。

■10業種中6業種で倒産件数が減少
 9月の産業別の倒産件数で最も多かったのはサービス業他の172件(前年同月比14.00%減、以下同じ)。ついで建設業が102件(22.89%増)、卸売業が65件(変わらず)、製造業が51件(20.31%減)、小売業が48件(38.46%減)など。上記のほか農・林・漁・鉱業(78.57%減)、不動産業(14.28%減)、情報通信業(20.00%減)の6業種で減少。一方、金融・保険業(66.66%増)、運輸業(75.00%増)の4業種で増加した。

 負債総額が最も大きかった産業はサービス業他の308億4,100万円(188.01%増)、ついで製造業の272億3,100万円(140.21%)、卸売業の106億7,300万円(41.34%増)と続き、10業種中5業種で増加した。

■上半期の倒産件数も過去最少の低水準
 2021年度上半期(4月〜9月)における倒産件数は前年同期比23.87%減の2,937件となり、2年連続で減少。さらに上半期としては、これまで最も倒産件数が少なかった1990年度上半期の3,070件を下回り、1972年以降で最も少ない倒産件数となった。

 負債総額は同4.08%減の5,746億2,600万円となり、2年ぶりに減少。1972年以降では過去3番目の低水準となっている。新型コロナウイルス対策として国や自治体、金融機関による支援策の効果が出た。

 大型倒産ではホテル経営の東京商事(負債額:1,004億8,300万円)、再生可能エネルギー事業に特化したソーシャルレンディング業のグリーンインフラレンディング(同128億円)、前述のデジポケ(同101億円)などで、負債額1,000億円を超える倒産は3年ぶり。

 また2021年度上半期における新型コロナウイルス関連の倒産件数は816件で、前年同期の495件から64.8%増。2021年1〜9月累計では1,185件で前年同期の509件から約2.3倍。

■全10業種で倒産件数が減少
 2021年度上半期は全ての産業別で倒産件数が前年同期比減少となった。これは2015年度上半期以来6年ぶり。最も倒産件数が多かったのはサービス業他の986件(前年同期比24.50%減、以下同じ)で1,000を下回ったのは1999年(979件)以来となる。ついで建設業の527件(6.72%減)、卸売業の388件(25.24%減)、小売業の349件(35.84%減)、製造業の316件(29.46%減)と続く。

 負債総額が最も多かったのもサービス業他で2,400億5,400万円(16.52%増)。ついで卸売業が952億5,200万円(7.44%増)、製造業が947億900万円(17.85%増)、建設業が516億5,300万円(8.10%増)などと続き、上記とともに情報通信業の5業種で増加。農・林・漁・鉱業(負債総額:30億9,300万円、前年同期比:69.82%減、以下同じ)、小売業(347億7,400万円、57.46%減)、金融・保険業(11億3,400万円、69.67%減)、不動産業(230億3,100万円、45.19%減)、運輸業(136億8,400万円、50.47%減)の5業種で減少した。
 
■8年ぶりに全9地区が減少
 2021年度上半期は全9地区で減少。これは2013年度上半期以来8年ぶり。さらに四国以外の8地区では過去30年間で最も倒産件数が少なかった。

 都道府県別で最も倒産件数が多かったのは東京都の569件。ついで大阪府が405件、兵庫県が181件、神奈川県が179件、愛知県が175件、埼玉県が126件、福岡県が103件、京都府が102件と続き、ここまでの8都府県で倒産件数が100件超え。2020年度上半期では前述の8都府県に加えて千葉県、静岡県の10都府県で100件超えだった。2020年度上半期で最も倒産件数が少なかったのは鳥取県の10件だったが、今期は秋田県、鳥取県が7件、山梨県、高知県、佐賀県が9件で、この5県が1ケタ台に留まっている。

財経新聞

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