今も落ち込みが止まらない世界PC市場

10月12日(木)6時0分 JBpress

ノートパソコンで作業する女性。米フロリダ(Florida)州にて(2009年10月20日撮影、資料写真)。(c)AFP/Getty Images/Joe Raedle〔AFPBB News〕

 米国の市場調査会社ガートナーがこのほど公表したパソコン市場リポートによると、今年7〜9月期に世界で出荷されたパソコンの台数(速報値)は、6700万台となり、1年前に比べて3.6%減少した。


米国市場が不振

 パソコンの四半期出荷台数は、これで12四半期にわたり連続して前年実績を下回った。パソコン市場はここ何年も不振が続いている。年間ベースで見ると、2011年に3億6540万台の出荷台数を記録してピークに達したあと、5年間減少が続いている(ドイツ・スタティスタ)。

(参考・関連記事)「世界のPC出荷、2007年以来の低水準」

 ガートナーによると、今年7〜9月期の市場は、日本や中南米、欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域で、安定化の兆しが見られた。だが、米国市場の出荷台数が1年前に比べて10.3%減少。これにより、世界市場全体の伸びが抑制された。

 ガートナーの北川美佳子主席アナリストによると、米国では、新学期セールの販売が振るわなかった。これまでの消費者市場の牽引役が、もはや効果を発揮しないことが示されたという。

 また、米国の法人分野は需要が高まり、安定化しつつあるが、今後は部品不足を起因とする価格上昇が予想され、中小企業を中心に需要が低下する可能性があるという。


レノボ、IBMのPC事業買収以来最大の落ち込み

 今年7〜9月期の世界出荷台数をメーカー別に見ると、上位6社は1位から順に、米HP、中国レノボ・グループ(聯想集団)、米デル、台湾エイスース(華碩電脳)、米アップル、台湾エイサー(宏碁)。

 このうち、HPとレノボの出荷台数は、その差がわずか23万6000台で、両社はともに実質的な首位。ただし、HPの台数が1年前から4.4%増加したのに対し、レノボは同1.5%減少した。

 ガートナーによると、HPの出荷台数は5四半期連続で前年実績を上回っている。一方、レノボは過去10四半期中、8四半期が前年実績を下回り、下降傾向で推移している。

 HPは、米国を除くすべての地域で出荷台数を伸ばした。これに対し、レノボは米国で、2005年に米IBMのパソコン事業を買収して以来、最大の落ち込みとなった。


上位5社、いずれも前年割れ

 もっとも、これら上位6社の中で、7〜9月期に前年実績を上回ったのはHPの1社のみ。例えば、デルは同0.4%減少、アップルは同5.6%減少。この市場ではどのメーカーも苦戦しているようだ。

 ガートナーの北川美佳子氏によると、パソコンのメインメモリーに使われるDRAMが供給不足で、その状況は今年前半よりも悪化している。

 これにより部品価格が上がり、その価格上昇分が多くの消費者向けパソコンで転嫁されている。こうした状況が、消費者向けパソコンの市場に影響を及ぼしていると、北川氏は指摘している。

筆者:小久保 重信

JBpress

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