「叱られたことなんてない…」と涙ぐむ後輩への接し方

10月13日(金)18時15分 All About

後輩や部下に注意をしたら、思いがけない反応が返ってきた……一体どう対応すればよかったのでしょう。

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部下や後輩を持つようになると、避けられないのが「注意をする」場面。しかし最近は、注意をしたらその後避けられたり、涙ぐまれたり、逆ギレされたり……、といった過敏な反応が返ってきて、注意することにストレスを感じる方が少なくないようです。

とはいえ、部下がミスをしても「注意をするのは苦手だから」と放っておけば、ミスが延々と繰り返されてしまいます。職場に悪影響を与えますし、部下本人にとってもミスを繰り返す自分に自信が持てなくなるなど、良いことはありません。

そこでここではまず、注意をした上司・先輩を避けたり、逆ギレしたりする若手社員の心理や社会的背景を解説し、それからそうした拒絶過敏な部下への注意の仕方のポイントをお伝えします。

拒絶過敏の原因は「存在を否定された」と感じることにある

私たちは、コミュニケーションを重視する社会に生きています。

「いかにわかりやすく伝え、共感してもらうか」
「その結果、いかに人に “いいね!” と承認してもらうか」
といったことが、仕事でも、プライベートでも、重視されています。

少し前であれば、コミュニケーションが上手にとれない人に対しても、
「あの人は不器用な人だから、仕方ないよね。あまりコミュニケーションをとらなくてもいい仕事を任せよう」
などと言って受け入れていました。

しかし近年は、「コミュ障」「KY」「ゆとり」といった言葉が生まれ、一般の人でも「発達障害」「アスペ(アスペルガー症候群)」等という言葉でレッテルを貼り、問題視するようになりました。

そうした社会的風潮のなかで、コミュニケーションがうまくとれないことに悩み

「自分がコミュニケーションをうまくとれないのは病気のためだ」

と考えて、医療機関を受診する人が増えています。実際、アスペルガー症候群の診断を下せる専門医のいる病院は少ないにも関わらず、この病気の患者が増えているといいます(※斎藤環『今どきの若者とのコミュニケーションのとり方』(中央労働災害防止協会実務向上研修、2014年))。

また、地域の絆が薄れた核家族社会で育った若手社員には、他人に注意されたり叱られたりした経験が少ない人もいます。コミュニケーションをうまくとり、承認されることに価値が置かれる現在、他人に叱られた経験が少ない人が注意をされると、自分の存在そのものが否定されたように感じられ、過敏に反応してしまうのです。

注意をした上司を避ける、涙ぐむ、逆ギレする……というのは、すべて自分の存在を否定されたように感じて、過敏に反応しているサインなのです。

こうした背景を踏まえ、部下・後輩に対し、どう注意をすれば過敏に反応させることなく、同じミスを繰り返させない指導ができるのでしょうか? 

過敏に反応させない注意法=「3つの質問」


■1.相手の言い分に耳を傾けるための質問
まずは、何があったのか、時系列で説明してもらいましょう。このとき、いきなり注意をするのではなく、「何があったのか説明してくれる?」と相手の言い分に耳を傾けることが最初のポイントです。

先に部下の話を聞くことで、「あなたは話を聞いてもらえるだけの価値のある人なのですよ」という暗黙のメッセージを伝え、存在を肯定することにつながるのです。

■2.置かれている状況を理解させるための質問
「今回のミスを生んだ一番の原因は、何だと思う?」と質問しましょう。このとき、「どうして(あなたは)ミスをしたの?」というような「あなたは」を主語にした質問は部下を責め、問い詰めるニュアンスがあるため、使わないように気をつけましょう。

「一番の原因は」を主語にした質問にすることで、部下を責めることなく、客観的に現状を考えさせることができます。もし、部下の回答が的を射ていない場合には、この時点で、あなたの見解を伝えましょう。

■3.今後の状況を予測させるための質問
最後に、「同じミスを繰り返さないためには、何をしたらいいと思う?」と質問しましょう。この質問の答えを考えさせることで、今後、同じミスを繰り返させずに済みます。

ミスを決して見逃さない姿勢を持ちながらも、相手の存在を肯定し、ミスの再発防止に向けて前向きに考えさせる。これが、注意すると拒絶されたように感じ、過敏に反応してしまう部下・後輩を指導するためのポイントなのです。
(文:蝦名 玲子)

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