「いいね!」されたい欲求から始まる、SNS時代の生きがい探し

10月13日(金)17時30分 Forbes JAPAN

「あなたの生きがいはなんですか?」「あなたの仕事の中で、その”生きがい”が占める割合はどれくらいですか」と聞かれて、胸を張って「全てが生きがいです」といえる人はどれくらいいるでしょうか。

僕は本来、人は生まれた瞬間から”生きがい”を探していくべきだと思うのです。だから、自分が心から好きと思えて、それにまつわるものならずっと夢中でいられる、かつ周囲から「ありがとう」と言ってもらえるものは何か。もしまだ何も見つからないのであれば、一刻も早く、モチベーションの泉を探り当てるべきだと思います(その理由はぜひこれまでの等連載記事をご参照ください)。
 
「いいね!孤食」から始まる旅
 
SNS全盛の時代では、たとえオフィス内にアウトドア好きがいなくても、スマホひとつで登山仲間とつながり、休日に一緒に山登りを楽しむことができる。自分の興味や好きなことを発信し続けていれば、自ずとオンライン上で同質の仲間、さらには支持してくれる人と繋がれるようになりました。

つまり、これまで環境に固定されがちだった「価値観」が、インターネットを通して、どこかの誰かに受け入れられるようになった。目の前のデスクに座る同僚があなたを褒めてくれなくても、どこかで、誰かが「いいね!」をくれる。むしろ、フェイスブックにアップしたことに「いいね!」をもらうことのほうが、気持ちよく感じられる瞬間もある。

SNSで承認されることに熱心な人を「いいね乞食」と揶揄する風潮もあったり、これまで「BBQをしている写真を撮る」ものだったのが、「インスタ映えする写真を撮るためにBBQをする」、というような逆転現象も起きていますが、これらは”生きがい探し”の旅における寄り道なのだと思います。

なぜなら、ネットを通じてどこかの誰かが「いいね!」をくれるのなら、もう固定された環境に価値観を縛られなくてもよくなる。つまり、あなたにかけられていた呪縛を解き放つことができるのです。そういう意味では、「いいね!」に過剰になる時期があってもいいと、僕は思います。

自分だけの「いいね!」に巡り合う旅

肝心なのは、「いいね!」によって呪縛から解き放たれたあとです。そこからは、自分の生きがいを発信して「いいね!」と言ってくれる誰かを見つけていく、という冒険の旅を始めていって欲しいのです。
 
例えば、一昨年はインスタグラムにBBQやカラーランなどの様子をアップするのが流行りました。しかし、誰もが同じようなものをアップしているとなると、だんだんそこに「いいね!」の差を見出せなくなっていきます。
 
しかしこの頃は、SNSにアップされる内容やジャンルもより細分化されてきていている。つまり、初めはネットの中で「いいね!」がもらえれば十分で、とにかく「いいね!」をもらえそうなものを発信していたのが、だんだんと「自分だけのいいね!」が欲しくなってきた。

これがより進んでいくと、「誰とも被らない自分だけのいいね」がもらえるように、欲求が動いていくようになるだろうと思うのです。

例えば、2016年秋に話題となったこの画像を見てみましょう。

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Credit: Barbara Kinney/Victor Ng/Twitter

ヒラリー・クリントンは、昨年11月の大統領選に敗れたとはいえ、当時アメリカでは二番目に偉いといっても過言ではない人です。その彼女が目の前にいるにも関わらず、みんな彼女を見てない。なぜかというと、目の前にいるヒラリー氏よりも、「ヒラリーといる私」(って意識高いでしょ)ということをソーシャル空間に投じるために、彼女とのセルフィーを撮影しているからです。
 
これは、「イケてる友達とBBQしてる私」から「意識高い私」へと、「いいね!」されたい軸がシフトしている象徴として見ることができます。この画像は時代を象徴する一枚としてバズったわけですが、政治関係者側からすれば、そういう形でもいいから、若い人が政治や経済に目を向けてくれたらという思いでしょう。

自分だけのいいね!=生きがいかもしれない?
 
では、どんな「いいね!」をもらえるように意識すれば、「自分だけのいいね!」に巡り会えるのか。ここで重要なのは、「自分だけのいいね!」が持続可能であること。例えば、エベレストの山頂からスカイダイビングをするというようなエクストリームな動画や画像は、瞬間的に「いいね!」を集めやすいけれど、なかなか持続的にはできません。

持続的に「いいね!」がもらえる自分だけの価値は何か? あなたが続けている投稿だけが持つ意味合いはなにか? ということに向き合ってみるのもいいと思うのです。SNS上ではすでに、手のひらでできる”生きがい”探しの旅が始まっています。
 
「いいね!」を求める人を、「あいつ、いいね孤食だな」なんて冷ややかな目でみることはないし、そう見られることを恐れる必要もない。まずは手前にある「いいね!」されたい欲求をしっかり満たしてあげて、自ずと始まる「自分だけのいいね!が欲しい」という次の欲求へ、身を投じてみてみてはどうでしょうか?

Forbes JAPAN

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