「今すぐ結論出せ!」「責任者を呼べ!」 焦らせるクレーマーを柔らかく黙らせる “うまい謝り方”の成功事例2件

10月21日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

「言いなり」になると、かえって被害が大きくなります。

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100業種・5000件以上のクレームを解決し、NHK「ニュースウオッチ9」、日本テレビ系「news every.」などでも引っ張りだこの株式会社エンゴシステム代表取締役の援川聡氏。近年増え続けるモンスタークレーマーの「終わりなき要求」を断ち切る技術を余すところなく公開した新刊『対面・電話・メールまで クレーム対応「完全撃退」マニュアル』に需要が殺到し、発売早々、続々異例の大重版が決まっている。

本記事では、クレーマーの常套句の1つ「今すぐ●●しろ!」に焦せらず対応するための話術を、事例とともに特別掲載する。(構成:今野良介)


焦らせるクレーマーにはこう対応せよ


結論を急がせるのは、クレーマーの常套手段です。


「今すぐ◯◯しろ!」という要求には、「お急ぎかもしれませんが、いますぐというわけにはいきません」と告げて切り抜けることが基本です。


ところが、頭では理解していても、咄嗟のことなので迷いが生じます。つねづね顧客満足を意識している真面目な人ほど、その傾向が強いようです。担当者としての「説明責任」をしっかり果たそうとする意識が働くのです。


しかし、「いますぐに来い!」「早くしろ!」「もう待てない!」と言われたからといって、必ずしもその指示に従う必要はありません。


とある事例を紹介します。


------飲料メーカーの事例------


「栓を抜くとき、指を切った」


20代後半の男性から、「缶入りエナジードリンクでケガをした」と飲料メーカーの東京本社にクレーム電話がかかってきた。


「オレは仕事中だが、いますぐに来い!」と凄みのきいた声で担当者に迫った。男性は工事現場で働いており、その作業中にケガをしたらしい。担当者は、男性の剣幕に圧倒されて「はい、すぐに行きます」と答えてしまった。


ところが、男性が住んでいるのは関西地区だった。担当者は近隣の営業所に連絡して、対応を検討した。私(筆者)の携帯電話が鳴ったのは、その直後である。関西エリアの営業所長からだった。


「いま、東京本社から電話があったのですが、たいそう怒っているお客様がいるらしいんです。『いますぐに来い』と言われたらしいのですが、私ひとりでは不安です。同行していただけませんか?」


「昨日から講演で東京に滞在しています。いまから行くのは無理ですが、深刻なんですか?」


私はそう言って、営業所長からおおよその事情を聞いた。


男性は、もともとこの飲料が好きで、日常的に飲んでいたらしい。本人によれば「1日に2〜3本は飲む」そうである。それほどのヘビーユーザーであるにもかかわらず、製造元に怒りをぶつけてきたのである。


缶入り飲料の栓を抜くとき、まれにケガをすることはあるかもしれませんが、これで激高するというのは、いささか不自然です。私は男性に電話で様子を聞いてみました。


「先ほどは、担当の者が失礼いたしました。おケガの具合はいかがでしょうか?」


「医者には行っていないけど、ばんそうこうを張って血も止まっている」


急を要する事態でないことを確認してから、こんなふうにお詫びした。


「このたびは、ご不快な思いをさせてしまい、たいへん申し訳ございませんでした。お怒りのお電話をいただき、担当者がこれからご訪問させていただくと申し上げてしまいましたが、すぐにうかがうことはできかねます。恐れ入りますが、お時間をいただけますでしょうか?」


この時点で、男性はずいぶん冷静さを取り戻していた。この後しばらく、「お仕事に差しさわりはありませんか?」「病院に行かれますか?」などと話をしていると、男性から「もうええわ」という返事をもらうことができた。


最終的には、「見本の1ダースを送らせていただきます」と申し出たところ、男性は「ああ、ありがとう。これで1週間は安泰やな」と言って苦笑した。


(了)


私はクライアントから、「訪問の約束をしてしまいましたが、よく考えたら、いま職場を抜けることはできません。どうしましょう」という相談を受けます。


そんなときは、丁寧な口調で前言を撤回し、お詫びすればいいのです。準備不足で面談に臨んでも、得るものは少ないでしょう。もし、相手が指定する時間に間に合わなければ、2次クレームに発展してしまいます。


クレーム担当者は、完璧に対応しようとするあまり、やらなくていいことをしてクレームを長期化させたり、2次クレームを引き起こしてしまうのです。



時間稼ぎも立派な戦術


話がこじれてきた段階では、むしろ時間をかけることのメリットを最大限に利用することを考えるべきです。


たとえば、商品の瑕疵を調査するのに一定の時間を確保することは、事実関係をはっきりさせるというだけでなく、こちらの「地固め」にもつながります。


こんな事例がありました。





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