さらに重視しなければならなくなっている「オフィス環境」

10月31日(木)17時12分 財経新聞

 「働き方改革」「深刻な人手不足」などの状況を踏まえ、「在宅勤務」をはじめとしたリモートワークによる働く場所を多様化する動きが進んでいますが、その一方、働く場所であるオフィスの環境作りを重視する動きも増えています。

 そんな中、アイウェア製造小売の「JINS(ジンズ)」は、最高に集中できるオフィス空間として、「Think Lab(シンク・ラボ)」という会員制オフィスを2017年にオープンし、会員と自社の従業員が利用しています。

 もともとJINSのオフィス環境は、コミュニケーションを活性化する先進的なオフィスとして、賞を受賞するなど注目されていました。
 フリーアドレス制で、部屋の仕切りをガラス張りとするなど開放的な雰囲気ですが、コミュニケーションやコラボには有効だった半面、周りが気になるとの意見があったそうです。また、自社のウェアラブルデバイスで社員の集中度を測ると、実はあまり集中できていないことがわかったそうです。「開放的で共働しやすい空間」が、逆に「個々の仕事に集中しにくい空間」となっていたのです。

 ここから、業務の効率化と高度化のためには、「協働」と「集中」を行き来することが必要だとして、「集中力」をコンセプトにしたオフィス空間の開発に乗り出し、新オフィスのオープンに至ったとのことです。

 「Think Lab」では、机や椅子のレイアウト、形や材質のバリエーションといったことから、視界に入る緑の割合が安らぎ感に影響を及ぼすことに着目して観葉植物を多数配置したり、照明の色合いや強さを時間帯によって変えたり、音、香り、その他様々な要素に配慮した空間作りをおこないました。
 オープンスペースから個室まで、什器類にも高さや姿勢などで様々なバリエーションがあり、気温、湿度、気圧、騒音などのデータを見て、自分に最適な場所を選ぶことができるそうです。
 社内外から「使いやすい」と評価を得ているとのことで、業務効率が向上して自社の残業時間の減少にもつながったとのことでした。

 「組織の知的生産性を高めるには、個々がじっくり考えた後にコワークすることがよい」との話がありますが、例えばグーグルなどの先進企業も、リモートワークにはそこまで積極的でなく、アイデアやイノベーションを産み出すには「オフィス環境」と「場の共有」を重要視している様子に共通点があります。

 最近は、在宅勤務ほかリモートワークの環境整備に取り組む会社が多いですが、これも地方に行くと、会社と働き手のどちらもあまり重視していないことがほとんどです。理由は単純で職住接近の人が多く、通勤の満員電車もないといったことです。どちらかというと、「家で仕事なんかしたくない」という否定的な声が大半で、事業継続性などの違った目的でなければ、なかなか話が進みません。

 一般的な企業で、JINSやグーグルのような取り組みを真似るのは、資金やノウハウなど様々な面で難しいでしょう。
 ただ、オフィス環境向上の取り組みは、世の中の流れとして、少なくとも今まで以上の投資は必要です。また、お金をかけなくてもできる工夫はあるはずです。

 古い事務机に座るときしむ椅子、隣りと密着していて人が通るたびに気になる狭いスペース、やたら寒かったり暑かったり、さらに机の上や周りに書類やダンボールの山といったオフィス環境の会社は、最近は少なくなりましたがまだまだ目にします。そういう会社に限って「人が採用できない」「生産性が上がらない」などと言いますが、思うようにならないのは当たり前です。
 採用や生産性向上の面からも、まずはできることをできる範囲でやっていかなければなりません。

※この記事は「会社と社員を円満につなげる人事の話」からの転載となります。元記事はこちら

財経新聞

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