「ななつ星」開業後に届いた 一通の手紙

11月1日(木)6時0分 ダイヤモンドオンライン

非常に高額なのに、最高競争率316倍!

いま、この日本で、宝くじのように当選するのが難しいサービスが存在することを、あなたはご存じだろうか?

JR九州。正式名「九州旅客鉄道株式会社」。名前だけ聞くと、旧態依然の鉄道会社のイメージを持つかもしれない。

だが、この会社の「あるサービス」がひそかに感動の輪を呼んでいる。

東京だけで暮らしているとわからない。でも、九州に行くと景色は一変する。

その名は、クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」(以下、ななつ星)。いまや「世界一の豪華列車」と称され、高額にもかかわらず、2013年の運行開始以来、予約数が定員をはるかに上回る状態が続いている。なんと、DX(デラックス)スイート(7号車の最高客室)の過去最高競争率が316倍というから驚きだ。昨年11月の『日経MJ』には、「ブランド作りとは世界の王でも断る覚悟」と題して、そのフェアな抽選システムが新聞一面に紹介された。

だが、驚くべきは、「ななつ星」だけではない。

この会社、バリバリの鉄道会社なのに、売上の6割は鉄道以外の収入で、8年連続増収なのだ。

かつてこんな会社があっただろうか?

JR九州を率いるのは唐池恒二氏。8月27日、韓国と九州を結ぶ真っ赤な新型高速船「クイーンビートル」を2020年8月に就航すると発表。子どもから大人まで博多と釜山の優雅な旅を満喫できるという。さらに、7月には、中国・アリババグループとの戦略的資本提携を発表。2020年の東京オリンピックを控え、ますます九州が熱くなりそうだ。

記者は、この20年、数々の経営者を見てきたが、これほどスケールの大きい経営者はほとんど見たことがない。

1987年の国鉄分割民営化の会社スタート時は、JR北海道、JR四国とともに「三島(さんとう)JR」と称され、300億円の赤字。中央から完全に見放されていた。

それが今はどうだろう。高速船、外食、不動産、建設、農業、ホテル、流通、ドラッグストアなど売上の6割を鉄道以外の収入にして8年連続増収。37のグループ会社を率い、2016年に東証一部上場、2017年に黒字500億円を達成。今年3月1日の『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)でも、逆境と屈辱から這い上がってきた姿が紹介された。

今回、再現性のあるノウハウ、熱きマインド、破天荒なエピソードを一冊に凝縮した、唐池恒二氏の著書『感動経営』が、発売たちまち3刷。唐池氏に『感動経営』にこめた思いを語っていただこう。(構成:寺田庸二)



上司は「うるさい客」であれ!


 仕事は感動にはじまり、感動に終わる。仕事の目的は、誰かを元気にすることだ。


 医者なら患者を。

 役者なら観客を。

 作家なら読者を。

 レストランならゲストを。

 JR九州なら乗客を。


 すべての仕事は、ひとを元気にするためにあるといっていい。


 そして、ひとを元気にする仕事には、ひとを感動させる要点、見せ場が必ずあるものだ。

 そういう仕事をある社員が企画し、資料を書いたとする。


 その資料がまともに書けていたとしたら、それは直属の上司からまず感動させることになるだろう。


「よく思いついたな」

「そして目的も方法もはっきりしている」

「実際にそれを行ったときの様子も容易に想像できる」

「見事だ!」

   ポン! 稟議(りんぎ)のハンコはさようにして捺されるべきものである。

 極端なことをいうと、ほんとうは少しも感動しなかったら、上司はハンコを捺してはいけない。


 そして、上司は安く感動してはいけない。

 うるさい客でなくてはいけない。





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