「成長か死か」厳しい理念で資産を築いたユニクロ柳井正氏

11月5日(月)7時0分 NEWSポストセブン

取締役に息子を充てる人事を発表する柳井氏(共同通信社)

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〈成長しなければ会社は死んだも同然〉

〈泳げない奴は沈めばいい〉


 こんな厳しい言葉を社員に投げかけて、日本2位となる資産を築いたのがユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正氏(69才)だ。雑誌フォーブス・ジャパンの「日本長者番付2018」によると、柳井氏の資産は2兆210億円で、ソフトバンクの孫正義氏(2兆2930億円)に次いで2位となっている。『お金持ちの行動学』(宝島社)の著者で京都女子大学客員教授の橘木俊詔さんはこう話す。


「もともと父の等氏が山口県宇部市で開業した紳士服ショップを正氏が世襲しました。徹底した合理化で高品質なのに低価格の商品を実現し、地方の小企業を世界のユニクロまで育て上げた柳井氏の功績は大きい」


 一方でユニクロの実店舗に潜入取材した週刊誌の記者が過酷な労働環境を「ブラック企業」として告発するなど、柳井氏の経営手腕には賛否両論がつきまとう。


 そんな世襲企業で今注目されるのが後継者問題だ。10月11日の決算発表では、柳井氏の2人の息子を11月末の株主総会で取締役に就任させるという人事が発表された。柳井氏は常々、「世襲は絶対にしない」と公言してきたが、市場には「息子に継がせるのでは」との憶測が飛び交う。


「柳井氏は、かつて玉塚元一氏(現ローソン顧問)を後任社長に据えたが、経営方針が気に食わずわずか3年で更迭し、自ら社長に返り咲いた過去があります。“成長か死か”を部下に迫る厳しいかただけに、前言を撤回して息子を後釜に据えることも充分ありえます」(経済ジャーナリスト)


 今も昔も、金持ち社長の後継者は大きな難問だ。


「昔の方が“子に継がせたい”との意識が強く、最近は“おれ一代でいい”という傾向があります」(橘木さん)


 最近も大塚家具の「父娘骨肉の争い」や、大戸屋の「創業家対経営陣の戦い」が起こったばかり。


 今期決算で売上高が初めて2兆円を突破したファーストリテイリング。カリスマ剛腕社長の決断はいかに。


■柳井正(やない・ただし)/株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長 

1949年山口県生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1984年、カジュアルウエアの小売店「ユニクロ」の第1号店を広島市に出店し、同年社長に就任。1991年に社名をファーストリテイリングに変更。妻と息子2人の4人家族。住まいは、2600坪という広大な土地に建てた渋谷区の一戸建て。ハワイ・マウイ島にも別荘を所有。会食を好まず、社外の人と食事をするのは月に1、2回だけ。


※女性セブン2018年11月15日号

NEWSポストセブン

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