投資信託、運用損益がプラスの顧客比率が最も高いのは?(金融庁まとめ)

11月8日(木)21時30分 MONEYzine

 金融庁は11月7日、投資信託を扱う金融事業者のうちデータを公表した39社について分析を行ない、その結果を発表した。


■進む、金融事業者の「見える化」


 金融庁は、2017年3月に公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」で、この原則を採択した金融事業者に対し、顧客本位の業務運営を実現するための明確な方針を策定・公表することを求めている。


 また、2018年の6月には、「投資信託の販売会社における比較可能な共通KPI」(共通KPI)として以下3つの指標を公表し、投資信託の販売会社が、これらの指標に関する自社の数値を積極的に公表することを期待している。


運用損益別顧客比率




投資信託預り残高上位20銘柄のコスト・リターン




投資信託預り残高上位20銘柄のリスク・リターン


 金融庁は11月7日、2018年9月末までにこの原則を採択し、取組方針・自主的なKPI・共通KPIを公表した金融事業者のリストをまとめて公表した。取組方針を公表した金融事業者は、6月末以降、62社増加して1,488社。取組方針やその実施状況において自主的なKPIを公表している金融事業者は、6月末以降、69社増加して416社。また、共通KPIを公表した金融事業者は39社だった。


■運用損益率がマイナスの顧客は4割


 金融庁は、取組方針とKPI(Key Performance Indicator :重要業績評価指標)について傾向分析を行い、3つの共通KPIについてその分析結果を発表した。


●運用損益別顧客比率


 販売会社がどれくらいのリターンを個々の顧客に提供しているかについて、投資信託を保有している顧客の基準日時点の運用損益(手数料控除後)を算出した運用損益別顧客比率を見ると、この数値を公表した36社合算ベースで4割の顧客の運用損益率がマイナスとなっている。


 各販売会社について、運用損益率が0以上の顧客の割合をみると、9割台の販売会社がある一方で、3割台に留まる販売会社もある。特に、直販を行っている独立系の投信会社において、これに該当する顧客割合が高くなっている。


●投資信託預り残高上位20銘柄のコスト・リターン


 次に、各販売会社の投資信託預り残高上位20銘柄のうち、設定後5年以上の投資信託について、コスト・リターンを検証。おおむね、コストの上昇に伴いリターンが低下する傾向が見られたが、コストに見合ったリターンは必ずしも実現していない。


●投資信託預り残高上位20銘柄のリスク・リターン


 リスク・リターンは、リスクの上昇に伴いリターンも一定程度上昇する傾向が見られた。しかし、シャープレシオ(リターン/リスク)で見ると、1.6台の販売会社がある一方、0.2台に留まる会社もあった。


 また、業態別に見ると、銀行よりも証券会社や(直販を行っている)投信会社の方が、数値のブレ幅が大きかった。


■運用損益がプラスの顧客割合が最も高いのは「コモンズ投信」


 金融庁は共通KPIについて、次のように総括している。個別に見ると、直販を行っている独立系の運用会社において、運用損益率が0以上の顧客割合や取扱商品のシャープレシオが高くなっている。


 また、直販を行っている独立系の運用会社は積立投資を行っている顧客割合が高く、運用効率の良い商品を積立形式で提供することにより、より多くの顧客にリターンを提供していることがうかがわれるとしている。


 以下のグラフを見ると、運用損益でプラスになっている顧客の割合が最も高いのは「コモンズ投信」の98%。これに「レオス・キャピタルワークス」91%、「セゾン投信」85%が続いている。


MONEYzine編集部[著]


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