全国で唯一の飼育施設を持つ東京農業大学、学食で「エゾシカキーマカレー」を提供 ~北の大地で害獣とされ駆除対象の「エゾシカ」、命を大切に活用することを肝に銘じて~

2023年11月10日(金)16時0分 Digital PR Platform


全国で唯一の飼育施設を持つ東京農業大学、学食で「エゾシカキーマカレー」を提供
〜北の大地で害獣とされ駆除対象の「エゾシカ」、命を大切に活用することを肝に銘じて〜


■東京農業大学ガストロノミー:白川健太シェフ×東京農大(世田谷キャンパス)学食「すずしろ」特別コラボ企画「蝦夷鹿(エゾシカ)キーマカレー」を提供

東京農業大学(以下、東京農大)は、「ガストロノミー」の観点から「食」の教育・研究を進めています。
「ガストロノミー」とは、料理とその背景にある歴史や文化、食材や調理・加工など、食を包括的に分析・考察する学問体系です。

世田谷キャンパスでは、ガストロノミーの一貫として「多様な食文化の発信」に力を入れています。食事や調理の面では、多数のシェフに客員研究員として協力を頂いており、今回ジビエ料理レストラン「レ・ココット」の白川 健太シェフと東京農大(世田谷キャンパス)学食「すずしろ」のコラボ企画として11月3〜5日の世田谷キャンパス収穫祭期間中、「蝦夷鹿(エゾシカ)キーマカレー」を提供しました。(一皿600円)

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【写真:「蝦夷鹿(エゾシカ)キーマカレー」】

期間中は学食「すずしろ」に多くの方が来店。学食「すずしろ」でシェフをつとめる沼田 康弘さんは、「3日間いずれも反響がもの凄かった。3日間で300食程度を想定して食材を用意していて、初日は他の日よりも多く100食以上を提供したが開店から2時間もたずに完売した。残る二日間も開店から一時間ともたずに完売した。」3日間の営業を終えてほっと一息つきながら、当時の様子を語りました。

東京農大は北海道網走市に「北海道オホーツクキャンパス」を擁し、全国の研究機関で唯一、エゾシカの養鹿施設を完備。ここで地域の特産物として利活用するための研究等を進めています。


■エゾシカの現状と東京農大の関わり
北海道オホーツクキャンパスの北方圏農学科 家畜生産管理研究室に所属する相馬 幸作 教授に「エゾシカ肉の現状と東京農大の関わり」について解説いただきました。


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【写真:相馬 幸作 教授】

エゾシカの現状
「エゾシカは、北海道を代表する大型の哺乳動物です。近年では個体数の増加が著しく、北海道各地で農林業や交通への影響が出ています。特に、農林業被害が著しく、北海道におけるエゾシカによる農林業被害額(2021年度)は約44.8億円と、鳥獣による被害額(約54.5億円)の約8割を占めています。このため、北海道では全国に先駆けて1998年から『エゾシカ保護管理計画』を立案し対策にあたってきました。また、2014年から『北海道エゾシカ対策推進条例』を施行し、有効活用を含めたエゾシカ対策を推進しています。
 現在、地元猟友会の協力を得ながら、銃やワナによる捕獲を中心とした個体数調整と、貴重な天然資源として駆除個体を中心とした有効活用などの取り組みが行われています。」

オホーツクキャンパスにおけるエゾシカ研究
「東京農業大学 生物産業学部には全国の研究機関で唯一、エゾシカの飼育施設があります。また、当学部では地域の特産物を利活用するための研究や取り組みをサポートしています。このため、北海道が行っているエゾシカの有効活用について、これまでの知見を生かしながら協力を進めてきました。具体的には、エゾシカ肉を用いた食肉加工品やペットフードの開発、肉牛等の管理を参考にし、生体捕獲したエゾシカを牧場で飼育して肉質を高める一時養鹿事業の推進に協力してきました。また、エゾシカ肉を安心して食べていただけるように、一定の基準を満たしたエゾシカ肉製品に付与できる『北海道認証』を制定していますが、これらの取り組みに対しても、関係機関と協力しながら基礎データ集積に協力してきました。
 これにより、有効活用開始時に駆除された個体の有効活用率は1割程度でしたが、現在は2割までに増え、一部ですが北海道内のスーパーでも入手可能なお肉として一般的な食材になりつつあります。今後も、“命を大切に扱う”ことを肝に銘じながら、有効活用策を模索していきます。」

エゾシカ肉の特徴
「エゾシカ肉は昔から滋養強壮の食材としても珍重されており、現在では『ジビエ』の代表食材として認識されています。エゾシカ肉の成分を調べてみると、高たん白質、低脂肪であり、鉄分が豊富であるなど、健康食品としても魅力のある食材であることがわかっています。しかし、エゾシカ肉は一般的に言われている“赤身”の肉であり、“かたいお肉”と言われることもあります。しかし、肉の特性に合わせた調理方法にすることにより、クセのないやわらかいお肉としての認識が高まっています。また、ネット上でも様々な調理方法で楽しまれる食材となってきました。ぜひ一度、エゾシカ肉そのもののおいしさを堪能してみてください。」


■世田谷キャンパスにおける「ガストロノミー」
次に、世田谷キャンパスにおける東京農大の「ガストロノミー」について、産学官・地域連携センター副センター長の野口 敬夫 准教授に解説いただきました。

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【写真:野口 敬夫 准教授】

世田谷キャンパスの利点
「東京農大は、各学部・学科の専門分野に通ずる『食』を軸とした教育・研究を進める上で、ガストロノミーを推進しています。東京は、良質な食材と国内外の優れた料理人が集まり、多種多様な料理店が軒を連ねる美食都市です。世田谷キャンパスでは、この立地を活かしたガストロノミーの取組みとして、『料理に関する科学的分析・考察』と『多様な食文化の発信』の2つを進めています。東京農大の客員研究員である多様なジャンルのシェフと東京農大教員が連携して、これらに取り組んでいます。」

料理に関する科学的分析・考察
「前者の『料理に関する科学的分析・考察』は、シェフの技術・経験と東京農大教員の専門的見地から、調理法や食事の美味しさの科学的な根拠を明らかにし、新たな料理に応用していくことを目的としています。
 2023年3月には、一般の方を対象とする『東京農大オープンカレッジ』として、客員研究員4名のシェフと東京農大・食品安全健康学科の岩槻 健 教授による【シェフの一品と『塩』の味覚を科学する】を開講。日常よく利用する『塩』を対象とし、その利用方法や美味しさについて味覚の観点からのアカデミックな解説を行いながら、シェフの料理を実食し、『塩』の有効性や利用に関するトークセッションを行いました。」

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【写真:東京農大オープンカレッジ「シェフの一品と『塩』の味覚を科学する」】

多様な食文化の発信
「後者の『多様な食文化の発信』については、東京農大学生だけでなく一般の方々に対する食への理解醸成の観点から、国内外の多種多様な食について学びの機会を提供することを目的としています。
2023年1月には日本料理の細川 敦史シェフから栄養科学科の調理学実習で和食文化について講義をしていただきました。食材の産地や生産者の情報、調理の一工夫から盛り付けまで、和食調理や素材の味について講義頂くとともに、一汁三菜の調理を実演して頂きました。」

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【写真:和食文化の講義と実演】

「また、イタリアン料理の前田 祐二シェフと東京農大生協とのコラボ企画として、『ヴィーガン(動物由来の食材不使用)』メニューの提供を行っています。世田谷キャンパスの学食『カフェテリアグリーン』にて『チリビーンズとタコス』や『大豆ミートのキーマカレー』を販売し、多様な食文化の一つとしてヴィーガンを知る機会を提供しました。この企画には、東京農大・栄養科学科の秋山 聡子 准教授がアドバイザーとして参加しました。」

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【写真:東京農大生協とのコラボ企画「ヴィーガン」メニュー】

東京農業大学は今後も食に関する多角的な研究、産学官での連携を生かし、東京農大ガストロノミーとして、「料理に関する科学的分析・考察」と「多様な食文化の発信」を進めていきます。


本件に関するお問合わせ先
東京農業大学 企画広報室
TEL: 03-5477-2650 / Email: info@nodai.ac.jp

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